本ノ猪(@honnoinosisi555)さんの人気ツイート(いいね順)

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「私たちは、「言っていることはわかるが、賛成できない」「理屈はわかるが、それでうまくいくとは思えない」と感じることがある。ロゴスとして語られても、それを受け入れるには、パトスが関わっているのである。」(加藤重広『その言い方が人を怒らせる』ちくま新書、P106)
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「加齢臭や女子力ということばがなかった時代には、体臭を気にする男性も、自分磨きを意識する女性も決して多くはありませんでした。しかし、社会記号として概念がつくられた途端、男性用の体臭ケア用品が売れ、女性の魅力を磨く講座に人が集まるようになりました。」(『欲望する「ことば」』P12)
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「恐怖心による支配の究極が、死刑制度です。人間に優しくない社会は、被害者に対しても優しくはありません。むしろ、被害者への共感を犯人への憎しみの一点とし、死刑制度の存続だけで、被害者支援は事足れりとしてきたことを、私たちは反省すべきです」(平野啓一郎『死刑について』岩波書店、P101)
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8月15日は、作家・さくらももこの命日。 「人生って夢やイメージではなく、毎日毎日が続いてゆくものであり、人間が一日にできる事といったらホントにちょっとだけだし、ちょっとだけしかできない事を、楽しんだり味わったりしてゆく気持ちを若い頃から忘れないでいて欲しい」(『ひとりずもう』P220)
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「大人になるためには、何らかのことを断念しなくてはならぬときがある。単純なあきらめは個人の成長を阻むものとなるだけだが、人間という存在は、自分の限界を知る必要があるときがある。これは真に残念なことだが致し方ない。」(河合隼雄『大人になることのむずかしさ』岩波現代文庫、P134)
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「高齢だから「老害」なのではない。学ぶことを忘れ、弱者に思いを寄せる謙虚さを失い、他者の尊厳を平気で踏みにじるようになったら、社会の害になる。年齢は関係ないことを肝に銘じたい。」(鳥飼玖美子『異文化コミュニケーション学』岩波新書、P137)
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『文學界』(第74巻第1号)によると、歌手の宇多田ヒカルは、母方の祖父母が浪曲師と瞽女だった関係から、「音楽で食べてる人」に対し「大スターとかではなくて、社会の比較的底辺に居るとても貧乏な、立場のあまりない不器用な人たち」(P148)というイメージを持っているとのこと。
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多くの「弱者」が自分のことを「弱者」であると気づいていない状況ほど、政府にとって都合のいい状況はない。
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「虐殺の事実を否定することは、未来の虐殺を準備することになる。関東大震災時の朝鮮人虐殺という史実をさかさまにねじ曲げ、「災害時には外国人・少数者に気をつけろ」というゆがんだ「教訓」を引き出す行為を絶対に許してはならない。」(加藤直樹『九月、東京の路上で』ころから、P200)
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12月9日は、作家・開高健の命日。 「日本人は独裁者なき全体主義者なんですが、一度誰かをやっつけていいんだ、コテンパンに叩いていいんだということになると、どいつもこいつもがモラリストのような顔をしてぶったたくので、見ているとおかしくてしようがない。」(『動物農場』ちくま文庫、P150)
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「人生とは不思議なものだ。一生懸命働いているのに、なぜか充実感より、空虚さの方が強いときがある。また反対に、失敗続きで、貧乏で、明日がまったく見えないのに、空虚さは感じず、自分の生を強烈に感じて充実しているときもある。」(綿矢りさ『憤死』河出文庫、P165)
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「誰にも迷惑をかけないで本気で生きていくことはできません。もし、やろうとしたら、真剣なことは何もできなくなります。「人に迷惑をかけない」生き方を目指すのではなく、「あなたと人が幸せになる」生き方を目指すのです。」(鴻上尚史『「空気」を読んでも従わない』岩波ジュニア新書、P158)
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「小説をたちまち解釈する人がいる。そういう人はけっこう多く、明晰だとか頭がいいとか思われているが、そんなことはない。小説が解釈されて、その解釈で足りるなら、小説はその言葉の連なりである必要はなく、解釈されたその言葉でいい。」(保坂和志『試行錯誤に漂う』みすず書房、P35)
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「現実には、先の戦争で命を落とした日本軍人の半分以上が、敵と「戦って死んだ」のではなく、最後の戦いをする前に、戦争指導部の戦略ミスや兵站準備の不手際で「飢えて死んだ」のですが、靖国神社を参拝する首相や閣僚の口からは、餓死という言葉は絶対に出てきません。」(『未完の敗戦』P149)
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「スピリチュアル・ビジネスの特徴は、倫理的行為規範や社会関係が要請される宗教団体であることを辞めて、スピリチュアルな商品やサービスを販売する営利事業体になりきることにあった。彼らが売っているのは「不安」そのものだ。」(櫻井義秀『霊と金』新潮新書、P236)
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いつの時代でも目にする光景。 「こいつが惡かったんだ!」 (参照:麻生豊・画、1946年。『近代日本漫画百選』岩波書店、P217)
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2月17日は、詩人・茨木のり子の命日。 「ぱさぱさに乾いてゆく心を  ひとのせいにはするな  みずから水やりを怠っておいて  気難かしくなってきたのを  友人のせいにはするな  しなやかさを失ったのはどちらなのか」 (谷川俊太郎選『茨木のり子詩集』岩波文庫、P171)
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「本は長持ちする。本は頼りになる。あなたが十五歳のときに、あなたに何かを語った本は、あなたが五十歳のときにも、また何かを語ってくれるだろう。あなたのその本に対する理解が非常に変化していて、まったく新しい本だと思うかもしれないけれども。」(谷垣暁美訳『私と言葉たち』P128)
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「会社や学校に属さずにずっと生活していると、自由が平気な人と、自由を不自由に感じる人がいるっていうことが分かってきます。「自由」ということは何でもできるということではないんです。自己を律して生きていかないといけないということなんです」(大槻ケンヂ『サブカルで食う』角川文庫、P142)
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古本まつりからの帰りにブックオフに立ち寄ることを、友人たちは「別腹」と呼んでいる。
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「考えてみれば、友だちというものは無駄な時をともについやすものなのだ。」「友だちというものはお金になるわけでもなく、社会的地位向上に役立つものでもない。もしそのように友人を利用したら、それは友情とは別のものである。」(佐野洋子『友だちは無駄である』ちくま文庫、P213)
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「知ったかぶりをしてはならないらしい。知ったかぶりをして、ろくなことはない。とはいえ人間は、本当に知識があればとりたてて話す気にもならぬが、聞きかじりの知識だと、これを人に告げたくてたまらぬというよくない癖を持っている。」(北杜夫『どくとるマンボウ小辞典』中公文庫、P111)
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「解決すること、答えを早く出すこと、それだけが能力ではない。解決しなくても、訳が分からなくても、持ちこたえていく。消極的(ネガティブ)に見えても、実際には、この人生態度には大きなパワーが秘められています。」(帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ』朝日選書、P200~201)
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フランスの女性ジャーナリスト・アンドレ・ヴィオリスが、1932年に来日した際の取材録。 「自分の義務を果たさない、あるいは果たすのを忘れている代議士と、自分の権利を自覚していない有権者。これが日本の議会政治の結果です。民衆の心は議会から離れてしまいました」(『1932年の大日本帝国』P95)
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「しばしば誤解されていますが、人に依存することは決して悪いことではないのです。ところが、依存症になる人はそれができません。人には誰にも頼らずに、アルコールや薬物という「物」だけで自身の苦境を支えようとしてしまうのです。」(松本俊彦『薬物依存症』ちくま新書、P322)