大学改革がうまくいかない大きな原因の一つに、研究経験のない官僚により大学改革案が取りまとめられ、勉強して試験で高得点をとる感覚で一次元的な競争をすれば「ダメな」大学人も努力してすべてうまく行くという価値観がある。
大学院はカルチャーセンターではないとかいう話が流れてきたが、儲ける大学というならいっそのこと大学がカルチャーセンターを始めたらどうか。お金さえ払えば誰でも聴講できる商業に徹した単発講座を用意するだけでよい。講師には集まった人数に応じた報酬を聴講料の50%とか払えば競争原理も働く。
研究者は好きなことを仕事にしている、という悋気のような意見がたまに見られるが、ゲームをやっているわけではないので、実際は苦しいことの方がほとんどで、ごく稀に未知の発見をしたときに出るドーパミン報酬を求め、普通なら嫌で嫌で堪らない作業を黙々とやり続けている、というのが真実に近い。
60年も米国で研究しているノーベル賞の眞鍋淑郎さんがコテコテの日本人アクセントの英語を喋っているのを聞くとなんか安心する。
東大駒場で教える側で初めて演習の担当をしたとき、まったく想定外の解き方をしてくる学生がいて、聞いたこともない幾何学の定理を使って物理の問題を解いてくれるので、自分にはそれが正しいかどうか判断できず、評価不能に陥ったことが何度かある。その学生がいまどこで何をしているのか知りたい。
筑波大学の広さを舐めていて、初めて行く建物であっても45分前にキャンパスに到着すれば余裕だろうと思って行ったら、迷いに迷って、道行く人に尋ねてもその人たちも迷いに迷い、結局のところ予定時間に遅れてしまった。
公務員数削減! →国立大学法人化で一気に名目上の公務員数が減る →その機に乗じて国の干渉増大&天下り先確保 →大反対の中、附帯決議とともに強行採決 →附帯決議完全無視され運営費交付金の減額と干渉増大 →日本の研究力低下 →有馬元文相「国立大学法人化は失敗だった」 そらみんな怒るよな。
一般向けのアウトリーチの聴衆は中高年が集まりがちで、最初は将来の研究者候補を集める役に立っているのかよくわからなかったが、実は家に帰って子供や孫に宇宙の魅力を熱っぽく伝えてくれていて、間接的に次世代の研究者を増やす役に立っているらしいということを最近感じるようになった。
落とされた科研費の開示情報を見ているが、審査員も大量に審査しているせいか、細かいところはすっ飛ばして表面的な印象で判断していることが明らかなので、現実的な実現可能性を述べるよりは、審査員にファンタジー的な夢を一時的に見させる方が通りやすいのであろう。
選択と集中、選択された現場周辺をうろうろしていたが、具体的なことは死んでも言えないが、じゃぶじゃぶと資金が流入してくると必要もないのに使わなければならないという精神性が醸成され、大いなる資金の無駄遣いが見られることだけは言っておかなければなるまい。
英才教育した天才だけが研究者になればよい、という論が出てくるのは、研究をスポーツなどのように一次元的な評価軸で競争するようなものだと考えている人の発想だよ。選択と集中や競争原理を導入すれば学問が発展するという発想もそう。
昨日、宇宙論の研究室の修士を出てからメーカーに就職し働いている学生が、仕事で疲れたり悩んだりした時には、アインシュタイン方程式を解いています、宇宙の広大さを実感できて小さな悩みはどうでも良くなる、というようなことを言っていた。
量子論のシュレーディンガーの猫の話に魅了されて哲学的思索にどっぷりとハマってしまった科学者のことを「シュレーディンガーの犬」と呼ぶのだとある本に書いてあったが、初めて聞いた。
つくば市の小学生: 両親ともに研究者 夏休みの自由研究がセミプロガチ研究 運動会に来た親が子供の出てないときに論文を読んでいる 授業参観日は先生にとって地獄
長いので後で視聴する。 最初のあたり: 「2004年を境にして(日本の研究力は)急激に崖を転がるようにして低下しました」 「Top10%論文率(筆頭・責任著者カウント)は63カ国中40位、日本がいま競争しているのはチリとかモロッコとかアルジェリアです」 youtube.com/watch?v=Q7hMhO…
グーグルスカラーによると、今年のノーベル物理学賞受賞者の一人の引用指標数(h指標、i10指標)は、自分の引用指標数よりもだいぶ低いが、成し遂げた業績の価値は全く比較にならないほど自分の方が低い。したがって、引用指標数に科学的価値を測る意味はまったくない。
博士号取得者のキャリアパス問題、まずは文科省が理系を含む博士号取得者を大量に官僚として採用することで、産業界に範を示しつつ学術研究の実情に即した政策を打ち出せるようになるのでは。
無断コピペはダメという言葉が一人歩きしているのか、元文献を引用しておけば文末を変えた程度でほぼ内容の丸写しであっても良い、と勘違いして真っ黒な剽窃事案を引き起こし大問題になった学生の例を少なくとも3人以上見たことがある。幸い大事になる前に発覚して指導教員から強力な指導が入った。
1988年の論文 Physics Letters B 207, p.81 によると、宇宙の背景ニュートリノの質量が十分に大きければ、大学が閉鎖されるので学生が喜ぶ。
自分の狭い経験に過ぎないが、理論物理学を志望する大学生には、量子重力を解明したいという人がとても多い。素粒子宇宙の研究者はよかれと思ってのことだろうが、量子重力理論が完成すれば宇宙の始まりから何から何まですべてが解明するというおとぎ話をちょっと世間に広め過ぎではないか。
アメリカみたいに大学院生に給料を、という話、一見良さそうだが実情はかなり辛い。自分もアメリカの研究室にいたとき、そこの大学院生が一人途中でクビになってた。 胃が痛む「MITの競争生活」で学んだこと #東洋経済オンライン @Toyokeizai toyokeizai.net/articles/-/130…
ここ最近、将来の進路について高校生から大学院生まで多様な若者と話をする機会が何度かあったが、時代のせいか、どの分野に進むのが有利か、将来伸びる分野はどこか、ということを気にする人が多い印象がした。自分が何をしたいのかをもっと優先したほうがいいんじゃないか、とは言っておいたが…
と思ったら、めちゃめちゃ投資先に失敗しとるやないか。分散投資せず一点集中投資だった。こんなところに選択と集中してどうすんねん… と思いました。
この観測所はもともと東京都内にあり、市電(現・都電)の電化のため「将来的に都市化とは無縁の場所」として茨城県に移転させられたという。このため、取手ー下館間を運行する関東鉄道は費用面により現在でも電化できず、つくばエクスプレスの東京延伸および県内延伸の障害になっているという。