発達の早い段階に外傷体験を負うと、自律神経やホルモン、免疫系に影響が出て、生きることが困難になります。 生存を高めるために、周りを気にして、観察者の立場に徹したり、表面上はあたかも正常かのように見せます。 思春期には、体調が悪くなり、大人になっていくと精神症状が出てきたりします。
両親が不仲や虐待、ネグレクトを受けた子供は、人生の局面において戦うしかなく、そのような行動パターンが体に染みつきます。 一方、両親の愛情に育まれている子供は戦う必要がなく育ちます。 人生において、逆境体験の多い人とそうでない人では、普段から人に対しての身構え方が全然違います。
小児期に逆境体験が多い人ほど、 体は緊張し、生存を司る部分は過剰警戒します。 頭の中では、勝手に考え事が浮かんできて、 好奇心の対象にはのめり込み、 嫌悪する対象には闘争・逃走の接近、回避が出ます。 不快な状況で問題解決できない場合は、硬直や凍りつき、パニック、解離、虚脱します。
トラウマが体に刻み込まれると、緊張や警戒が強くなり、外の世界に意識が向きます。 恐怖が強くなると、自分の存在が小さくなり、他者の存在が大きくなって、他者にどう思われているかを気にします。 人に認められたい、嫌われるのが怖い、悪意を向けられたくないなど、この世界に安心できません。
複雑にトラウマがある人は、二重の自己状態になり、心の中に悪魔や天使がいたりします。 心の中に悪魔がいると、そのせいで一人ぼっちになり、普通の幸せが望めません。 環境の変化に弱く、周りの皆に置いていかれて、居場所を求めますが、温かい場所を見つけても怖くなり、人間関係に壁を作ります。
子供の頃から、いじめられたり、母子関係にこじれたりして、危険な目に遭ってきた人は、周りに気を使いながら生きるので、記憶力が高かったりします。 日常生活では、物事がどうなっていくのか不安になりやすく、嫌なことを思い出して、嫌な気分になり続けて、良かったことが思い出せなくなります。
複雑なトラウマのある人は、目的や役割(仕事や子育て、学業、社会活動)があるうちは活発な思考や行動が取れます。 しかし、目的を失ってしまうと、 解離傾向が強まり、地に足がつかずに、自分の軸を失うようになるか…。 エネルギーが切れたかのような状態になり、半分眠ったような生活が続きます。
アダルトチルドレンが強い子は、小さい時から、無意識のうちに、母親の顔色が気になり、母親に関心をもらおう、愛情をもらおうと一生懸命です。 そして、親を大切に思っていますが、成長していく過程で、心身に限界が来て、自分は大切にされてなかったことに気づくと、更に症状が悪化することも…
アダルトチルドレン(スケープゴート)は、物心ついた頃から、過酷な状況が繰り返され、抵抗するよりも、自分を犠牲にして、家族のために頑張りました。 しかし、思春期の頃には、心身の限界がきて、失感情、うつ、摂食障害、強迫性障害、情動調整が難しくなり、家族や周りからは問題児扱いされます。
繊細な子は、両親の不仲が辛く、機能不全家族のバランスを取ろうとして、愚痴聞き役に徹したりします。 ヒステリックに豹変する親に怯える日が続くと、心が弱り、感情調整が難しくなります。 感情調整が難しい人は、人格障害とされて、最悪、精神科入院で身体拘束を受け、トラウマを複雑化させます。
小児期から逆境体験にある人は、ストレスが去った後でも、ストレスホルモンが下がりにくく、不快感が続き、体が固まり、神経が痛みます。 トラウマが慢性化すると、ストレスホルモン(コルチゾール)が枯渇して、副腎疲労になり、不安感や倦怠感、朝の怠さ、食欲不振、無気力など生活が困難になります。
大人の発達障害と言われるのは、昔は発達障害という言葉がなかったので、見過ごされてきた人が多くいます。 精神科では、パーソナリティ障害→発達障害の時代です。 発達障害の人は、学校や家庭、都市型生活に疲弊しすぎて、酷くなると、体の感覚がなく、何も楽しくなく、ただ生きているだけです。
トラウマがある人は、過覚醒と低覚醒の間の行き来が激しいです。 仕事から家に帰ってくると、疲れ切ってしまい、体力もなく、何をするにもエネルギーが残っていません。 低覚醒モードになると、強い眠気が襲い、喉が渇いても飲み物を取らない、歯を磨くのもめんどくさい、お風呂に入れなくなります。
複雑なトラウマがある人は、自分の居場所が無く、寂しかったりします。 日常が辛いから、好きなものを見つけないとやっていけなくなります。 好きなことを考えている間は忘れられるので、思考でなんとかしようとします。 そのものが単に好きなだけでなく、現実逃避が加わるので、病的に依存します。
生きづらい人は、道徳的にこうすべきであるとか、こうしなければならないと考えており、思い込みで自分を縛り付けています。 彼らは、生活していくうえでの不安が強く、安心感が欠如しているため、正しい答えを選ぼうとしており、思考で何とかしようとしていますが、答えが見つからずに苦しみます。
ヒステリックに豹変する親に育てられた子供は、ご機嫌を伺い、行動の順序を考え、先回りをして、正しい答えを探ろうとします。 そんな日が続くと、心身に限界が来て、自律神経系や免疫システムが壊れていきます。 思春期の頃には、うつや解離、強迫障害、摂食障害、原因不明の身体症状に罹ります。
家に居場所のない子は、生存の方法として、自分の好きなものに没頭して心の支えを作ります。 そういう経験している子は、大人になると、加減の調整が効かないことがあります。 ひとつのことにのめり込み、藁をすがる思いで自分を救ってきたため、その思いの強さが大人になっても抜けにくくなります。
ヒステリックに豹変する親や大人に関わってきた子どもは、相手の気持ちを先取りして、先手を打ち、皆を喜ばせようと絶えず努力します。 親の正解を探すような人生になり、自分の欲求や感情を親に伝えることができず、そうした欲求や感情を意識から締め出すと、本来の自分が失われて心の病になります。
親の機嫌に振り回されてきた子どもは、自分の気持ちや欲求を後回しにして、他人を喜ばす人生になりますが、段々と疲弊していき、体調を崩します。 とても疲れても、日常生活を正常にこなさないといけないので、自分が自分でいられることが出来なくなり、自分のやりたいこととかが分からなくなります。
親子関係にこじれてきた人は、自己肯定感が低く、自分のことが嫌いであることが多いです。 幼い頃に、親に怒られて無視されたり、 過度に干渉されたりしたことで、 知らないうちに自分の言動や判断は正しくないという感覚が身についてしまいます。 その結果、自分自身のことが嫌いになっていきます。
トラウマがある人は、観察して、他者の顔色を伺うことで、分析が得意になります。 資本主義経済の中で、何も考えず、消費するだけの人に比べたら、深く考えています。 罪悪感が強く、思考が自責的だと鬱になりますが、物事をしっかり考えて、努力を続けていければ、自分の自信になっていきます。
#親を捨ててもいいですか 虐待をするような有害な親の場合は、早く捨てることで、その親の呪縛から解放されます。 親を捨てるという自発的な行為が、自分を見い出すためのエネルギーになり、自我を強くします。 親から酷い目に遭わされた人は、不快な状況に留まり続けるべきではありません。
家庭内の虐待やDVを受ける子は、自分の思うような行動が取れず、部屋にこもり、勉強や読書、スマホ、音楽などで自分を守ります。 家の中では、息を潜め、足音を立てず、自分の存在を消しながら、親の様子を伺います。 この生活が続くと、心も体も病に侵され、精神疾患や過敏症、体調が悪化します。
虐待やDVを受けている子は、親のことが原因でいつも家庭内がぎくしゃくします。 子どもは、親を不機嫌にさせないようにするため、親の顔色を伺って、正解を探すようになり、気を使いすぎて疲れます。 子どもの頃から、緊張しすぎて、人の目を気にするあまりに、人生がおかしい方向にいきます。
トラウマの影響下にある人は、警戒心が強く、最悪の事態を想定した生活になります。 この世界を信頼することができず、安心することが難しい状態にあり、自分をリラックスさせようとしても、胸がザワザワしたりして思うようにいきません。 体に力を入れて、神経を張りつめた状態が通常になります。