1890年【ヴィクトリアン ボディス】を紹介します 「漆黒の宝石」と呼ばれた「ジェット」を贅沢に縫い付けた1着です ジェットはヴィクトリア女王が喪服に合わせる宝石として着用し(写真3枚目)ヴィクトリア朝後期に流行しました このボディスは全身がレースで覆われ、その上からジェットが付きます
1880年ヴィクトリア朝 超変態的な構造のコート「クリフトンスリーブ ドルマン」を紹介します このコートは完全に玄人向けです 一見すると派手な服にしか見えませんが、洋裁の技術者が視れば【変態的な構造】に気が付くはずです 婦人服の裁断方法が複雑化する19世紀末においても、際立って変な服です
私のツイートをジャンルごとにまとめました ロココ貴族の宮廷服や、ヴィクトリア朝の軍服 召使いのスーツに、女性の乗馬服などなど 皆さまのクリエイティブや研究のお役に立てば幸いです rrr129annex.blogspot.com/2018/12/m.html
1枚目、1800年 召使いのスーツ(フットマン) 2枚目、1890年 召使いのスーツ(フットマン) 3枚目、1870年 召使いのコート(馬車の運転手) もっとも目立つユニフォームを着させられたのは、花形召使いであるフットマンです 装飾性が高く、まさに「人間アクセサリー」です
召使いほど厳しく「ドレスコードと清潔感」を強いられます 彼らは場合によっては、人間ではなく主人の「アクセサリー」でした 美しい使用人を並べて置くことが、そのまま上流階級のステータスシンボルとなります いつもは地味なコーチマンも、狩猟舞踏会では魅せるためのスーツを着せられたのです
目を惹くのは美しいボルドーカラーの生地 そして「動物釦」です 狩猟服には伝統的に鹿、猪、狐、犬、狼などの動物を刻印した釦が付きます 動物釦はコレクターも多く、私もその一人です そんな釦が24個も縫い付けられるわけですから、このスーツとっても重いんです
1920年イギリス 狩猟舞踏会の召使いの正装【ハントドレス コーチマンズ スーツ】を紹介します 召使いのスーツの特徴は何といっても、お尻の金属釦 「美しく立ってろよ」と言わんばかりに釦が縫い付けられています このスーツは、狩猟後におこなれるHunt Ball(狩猟舞踏会)で召使いが着用しました
ロシアンサーキュラー最大の特徴は【腕が無い】ことです そして、背中・肩・前身これらすべてを「一枚の布」で裁断しています 横方向のゆとりは皆無なので、腕をあげるなんて行為はできません だた、美しく存在するための構造 女性を人から「物」に変える衣服です
1880年 身体に纏う造形装飾 【ロシアン サーキュラー】を紹介します 上流階級の女性たちに求められたのは、高級な調度品のように、ただ美しく存在すること 19世紀末に大流行したロシアンサーキュラーは、腕をも削りとり女性を美しい造形物に仕立て上げました この服の知られざる構造美を探ります↓
また、ロサンゼルスのFIDMミュージアムが保管するキモノガウンは、和服と洋服が組み合わされた好例であり大変有名な1着です 「なんで後身頃だけ柄が天地逆なの?」 そんな議論がされています fidmmuseum.org/2009/12/kimono…
写真1枚目の袖章は「一本の紐を手縫い」で縫い付けます 紐はモヘア素材の「スータッシュ」が使われます 気が遠くなる職人技です お尻のロシアンブレードも同じくモヘア素材 くるくると綺麗に円を描くように縫われ、6個のタッセルへとつながっていきます
英国陸軍/最上級連隊【ハウスホールドギャバリー】 将校が着用した「ミリタリーオフィサーフロックコート」を紹介します 胸の紐は「ドロップタブ」と呼ばれ、その端につく楕円の玉は「オリベット」 これらすべてが手縫いです 君主公式護衛のため、貴族階級出身が多い連隊としても知られています
100年前のウクライナの民族衣装 【ウクラニアンコルセット】をBlogにまとめました 幻想的な背中のプリーツは、全長4mにもおよびます 興味深い構造を、豊富な写真と共に紹介しています また、中に着る「ヴィシヴァンカ」という、手刺繍が美しいシャツも登場します rrr129annex.blogspot.com/2021/10/ukrain…
ヴィクトリア時代の淑女の羽織り【ヴィジット】 現代にはない複雑な構造をしているので、縫い方をYoutubeにアップしました ご自身で製作される方の参考になれば幸いです ぜひ縫ってみてくださいね ヴィジットのつくり方↓ youtu.be/8gvnBLLfwcE
私が研究する衣服の型紙は、一般に販売しています 2月14日まで、注文を受け付けております 「自身の手でつくりあげる感動」もまた、私が表現していきたいことのひとつです せっかくつくるなら、本物を rrr129annex.blogspot.com/2020/09/blog-p…
1880年イギリス バッスルドレス「ポロネーズ」を紹介します 上半身とスカートが、こんな風に分かれているって知っていましたか? 上着には「長い尻尾」が付いており、複雑に折り畳まれてボリュームを生みだしています 140年前のドレスですが、表地はとても綺麗な状態で残っていました
1890年ノルウェー 【女性の肋骨服】を紹介します ヴィクトリア朝の淑女はファッションに飢えていました 彼女たちは、前世紀のロココスタイルをリヴァイバルさせたり、コルセットを進化させたりと常に変化していきます そして 軍服さえも、ファッションという無盡蔵に沈めていきます
2月14日まで【半・分解展の型紙】を販売します ヴィクトリア朝の貴婦人が着た「ヴィジット」 同時期の使用人が着用した「コーチマンズオーバーコート」 など、数百年前に廃れてしまった造形美をかたちにしました 特別なセールもおこなっております HPをご確認ください d-d-pattern.myshopify.com
春夏用の薄い素材でつくったヴィジットも展示予定ですので、色々と試してみてください ブログのヴィジットのページも大幅に加筆したので、ご興味ある方はご覧ください 【ジャパニーズ スリーブ】の異名を持つヴィジットの、歴史背景や内部構造を研究しています ↓ rrr129annex.blogspot.com/2021/02/visite…
裏側の構造は、いつ見ても洋服のかたちに見えません ジオン軍のなにかです 以前縫ったライトグレーのヴィジットと並べてみると分かる通り、今回のは「大き目サイズ」です 半・分解展で「サイズが小さかった」という声もあり制作しました ぜひ多くの方に袖を通していただきたい130年前の造形美です
19世紀ヴィクトリア朝の不思議な上着【ヴィジット】 縫ってみました 「背中から生えた大きな袖」が最大の特徴です 今回はダークカラーでシックに仕上げています マントやケープとも、ひと味ちがう独特な構造は羽織ってみると分かるクセのある着心地です
2つめは【発達した胸】です 筋肉質の人もまたロココ絵画のようにタスキじわが出やすいです 原因は、発達した胸の筋肉に洋服の寸法が追いついていないのです 結果、布が突っ張ってしまいタスキじわが発生します では、18世紀ロココも上記2つと同じ理由でシワが出ているのでしょうか? 答えはNOです
18世紀ロココ絵画から見る「構造美」 今回は私が最も伝えたい【タスキじわ】を紹介します そして、絵画に描かれた人物がどのような「着心地」を味わっていたのか? 【着心地の探究】こそが私の研究テーマです タスキじわとは、身頃に表れる特徴的なシワです ロココ絵画には高確率で描かれています
これら18世紀の衣服は、ひとりで着用するのが困難なほどに着辛いです しかし、腕さえ通してしまえば驚くほど楽に腕を動かすこともできます 今回紹介した「特徴的なシワ」や「袖の縫い目位置」は、【なで肩】を表現するための手段です なで肩が、ロココ紳士における重要な造形美でした
今回着目するのは「袖のシワ」と「袖の縫い目」です 矢印部分を観察すると、18世紀ロココの描写には、ほぼ必ず【肩からずり落ちたようなシワ】が、袖に描かれています 注意深くみると、袖の縫い目位置も現代の基準から大きく離れていることに気が付きます これは一体なぜなのでしょうか