肋骨服は、美しい造形はもちろんのこと、機能性にも優れています 胸の隠しポケットや、腰ブレードの縫製方法など、意外と知られていないディテールが満載です あなたの推しは胸ポケットになにを入れていたのでしょうか、妄想が捗ります 写真はすべてフランス軍医メディカルオフィサーチュニックです
半・分解展では私が製作した1点物の展示品を買いとることが可能です 東京展では3点のサイドサドルに買い手が付きました 今回はウィーンで購入したローデンクロスという生地でサイドサドルを製作しています 10月24日からの大阪展でぜひ履いてみてください
1804年ナポレオン・ボナパルトにより軍学校とされた「École polytechnique エコールポリテクニーク」の軍服を縫ってみました こちらは、1900年ごろのユニフォームです 前tweetにも書きましたが、シンプルな中に光る丁寧な仕事ぶりに感銘を受けて製作してみました では「傾きの構造」を見てみます ↓
シルクの生地を埋め尽くすように自然モチーフの刺繍が散りばめられます ひと針ひと針がとにかく繊細で、素晴らしい職人技です 着用時はコルセットの上に直接ピンで刺して固定しました 特殊な着用方法は、こちらの動画が分かりやすいです 4分15秒ごろ↓ youtube.com/watch?v=UpnwWP…
今回着目するのは「袖のシワ」と「袖の縫い目」です 矢印部分を観察すると、18世紀ロココの描写には、ほぼ必ず【肩からずり落ちたようなシワ】が、袖に描かれています 注意深くみると、袖の縫い目位置も現代の基準から大きく離れていることに気が付きます これは一体なぜなのでしょうか
ヴィクトリアンたちが愛したスパッツは、当時のお洒落アイテムでした 当初は「泥除け」として生まれましたが、舗道整備の発展により「美しい貝釦」をあしらったり、「純白の生地」で仕立てられたり華やかに変貌を遂げます 私は、現代的に見直してもニーズのあるアイテムだと思います
まず、目を惹くのは何と言っても「超巨大なカフス」です 【労働とは無縁である証】がカフスでした 素材はブロケードシルクと呼ばれ、金糸/銀糸/絹糸で織られる重厚な超高級生地です 大きければ大きいほど美しいとされ、18世紀初頭にはヒジ近くまで肥大したカフスも見られます
この色は【ハンティング ピンク】と呼ばれます なぜピンク色なのでしょうか? それは、フランス革命後にイギリスがつくりあげた「控えめな紳士像」に理由があります 経年変化により色褪せた赤色を「ピンク」と呼んだのです 革命前のロココ的ド派手な紳士像とは真逆の美意識を表しています
これなら、どうのようにスカートの形状を変化させているか解りますかね? 馬から降りて、地上を歩くときにこの所作が必要になります
ロシアンサーキュラー最大の特徴は【腕が無い】ことです そして、背中・肩・前身これらすべてを「一枚の布」で裁断しています 横方向のゆとりは皆無なので、腕をあげるなんて行為はできません だた、美しく存在するための構造 女性を人から「物」に変える衣服です
当日おこなう「分解研究」の1着は、サックスブルーが美しい「アビ・ア・ラ・フランセーズ」です フランスの古城から、奇跡的な保存状態で見つかったこの1着 分解することで、美の構造を学びます 会場内で淡々と分解しています どなたでもご自由にご覧いただけます
ツナギにする前の下準備として「インナーベルト」や「フットストラップ」を装着しなければなりません 実物は、マッキントッシュと呼ばれるゴム引きの生地でつくられるため厚く固いのです ただガバっと着ただけでは、上手く安定しないのでこのような裏側のディテールが必要になってきます
ジャポニズに関して【KCI】の所蔵品は必見です 美しい衣服が、素晴らしい写真と共に丁寧に解説してあります KCIのHPはこちらです↓ kci.or.jp/featured/japon…
写真1枚目の袖章は「一本の紐を手縫い」で縫い付けます 紐はモヘア素材の「スータッシュ」が使われます 気が遠くなる職人技です お尻のロシアンブレードも同じくモヘア素材 くるくると綺麗に円を描くように縫われ、6個のタッセルへとつながっていきます
イギリスがつくった紳士服の歴史(フランス革命編) YouTubeにアップしました フランス革命前後での紳士服の移り変わりについて解説しています イギリスが生み出したギリシャ彫刻のような【造形美】とその背景を知れば、現代にまで続く紳士服の潮流が掴めるかと思います ↓ youtu.be/WkZLzshPch8
同じ召使いでも、例えば馬の世話など身の回りのことを任せれた者は「コーチマンズ」という制服を着ました シンプルな見た目ですが、衿の縞飾りと、お尻に並んだ釦が特徴です コーチマンズと違い、人前にでるフットマンが、如何に「魅せるためのアクセサリー」だったかは服装からも解ります
また10月末には、みんな大好き【肋骨服】の仕様書が完成予定です この肋骨服の正式名称は「メディカルオフィサーチュニック」と呼ばれるフランス軍医のものです (2枚目が実物) ナポレオンが発明した「救急隊」という概念を受け継いだ1着です ご期待ください
実は、お尻には仕掛けが隠されています それは内側に設けられた「隠しポケット」です 表側にポケットを付けない代わりに、お尻や胸の内側にポケットがつくられました 貴族は手袋をしまい、労働者は酒ビンを隠したそうです 使用人がなにを入れていたのか想像が膨らみます
「半・分解展の型紙」は5月1日(日)までの販売となります 鑑賞し、体感し、創造する ここまでが半・分解展の提供するクリエイティブです インプットした分、たくさんアウトプットにご活用ください 今年の冬服は、ご自身で仕立てみてはいかがでしょうか 型紙詳細↓ d-d-pattern.myshopify.com
フランス革命は資本主義の始まりでもあります 力を付けた新興ブルジョワジーは、鳴り物入りで社交界に足を踏み入れます ロココ的な豪華絢爛なシルクの服は必要ありません 地味なウールをまとえば良かったのです ブルジョワを排除すべく古参貴族たちは、紳士服に「秘密のルール」を取り入れます
昔の郵便屋さんが使っていた「書留鞄」 みなさん素敵にアレンジして製作してくれています 型紙をご使用いただき、ありがとうございます Youtubeに書留鞄を紹介する2分の動画をアップしました かわいい形のレトロな鞄をご覧ください youtu.be/BmGjW_QXegQ
今日スパッツを装着してみたのですが、あまりに快適で驚いています 体温調節は首、手首、足首の三首でと言いますが、足首にスパッツがあるだけで本当に暖かく快適です メルトンでつくったので、付け心地も良くなにより軽いです 100年前のスパッツ、本当にオオスメです
ヴィジットは、半・分解展でも大人気でした 皆さん素敵に着こなしており、眼福です 型紙も多くのかたにご購入いただいておりますので、今回の仕様書、そしてYoutubeの解説と合わせて構造を理解してください きっと素敵な1着が縫えるはずです Youtubeでの解説↓ youtube.com/watch?v=q557h1…
今週末、3月6日(土)は【半・分解展の器】が渋谷にオープンします 今回のテーマは「革 命 美」 フランス革命前後の美しい衣服を展示いたします ミシンがない時代につくられた貴族の衣服 その驚くべき「内部構造」と「着心地」をお愉しみください sites.google.com/view/dd-utsuwa…
お尻の金属釦に機能はなく、完全なる飾りです 男性使用人は、古くから「贅沢品」とされてきました 貴族のステータスを示すアクセサリーに過ぎないのです 衿まわり、ウエスト部分につくパイピングも釦同様に、主が決めた柄を用いました 場合よっては、仕立て屋がアドバイスすることもあったそうです