ハワイ王国は、日本よりも50年も前に憲法を施行し、アメリカ合衆国よりも早く奴隷制を禁止した近代国家だった。 圧倒的カリスマと白人から入手した武器によりハワイ諸島を統一したカメハメハ1世の息子、カメハメハ3世の時代には近代国家体制を整え、議会も開き、西洋各国からも国家承認されていた。
13世紀から1996年まで採掘されてきたポーランドのヴィエリチカ岩塩坑。 ここには壁も床もシャンデリアも十字架も全て塩でできた礼拝堂がある。 掘ったのは芸術家ではなく名もなき塩坑夫たち。 坑内は危険な労働環境だったため、塩坑夫たちは日々の生に対して祈り、その信仰心が芸術へと昇華したのだ。
山陰、特に島根県西部の屋根は赤い。 それは石州瓦と呼ばれる赤い屋根瓦が使われているから。 江戸時代より続く石州瓦だが、ただカッコいいから赤色にしているわけではない。 山陰は湿った雪が降り続く地。更に街は沿岸に多く立地。 そのため凍害や塩害に強くなるように進化した結果、赤くなったのだ。
今年で10周年の位置情報ゲームIngress 公園や神社などを巡って陣地を取り三角形を作るゲーム。青と緑に分かれて戦う陣営戦でもある。 iphone版公開に伴いコアな人気を博し、東京で公式対抗イベントが開催されるが、その時事件は起こった。 会場を囲うと高得点のルールに則り、本州まるごと囲んだのだ
和気あいあいなムードが一変、ガチ勢の作戦により会場は阿鼻叫喚に包まれた。 会場は東京なのに、焦点は3点のうち唯一日本国内である極寒の襟裳岬! 結局対抗イベントは奇策を用いた緑チームが勝利。 それからIngressをやる面々の中には、ゲームをやるためだけに海外へ行く頭のおかしい人達が出始める
事態は海外に出ていくだけにとどまらない。 三角形を作るゲームなのだが、一つの拠点(ポータル)にリンクを集中させるスーパーノヴァという遊び方も出てくる。当然、プレイヤーは全国各地、海外からも含めて集まる。公式なイベントではないにも関わらず大量の人員がゲームのためだけにリアル移動をした
三角形で絵を作るフィールドアートなども見事だ。 2022年11月15日で10周年を迎えるIngress。 これまで様々な遊びをやってきたし、これからもまだ知らない遊び方があるかもしれない。 様々な人が一緒にやるからゲームは面白い。 真剣にやってます。仕事じゃないので。 #にいがたさくらの小話 その300
世界有数の豪雪地帯·新潟県上越市。ここに130年続くワイナリーがある。 江戸時代から葡萄の産地だった山梨県とは違い、葡萄栽培からのスタート。 しかし元々適地ではないため、葡萄が実らない。 そこで、後に日本のワイン葡萄の父と呼ばれる川上善兵衛は全財産を費やし、この地でも実る葡萄を開発する
明治時代、あらゆる西洋文明が受け入れられる中、ワインは受け入れられなかった。 当時の日本人には酸っぱすぎたのだ。 そこに気付いた実業家・神谷傳兵衛は、漢方薬や蜂蜜を入れマイルドにしたワイン『蜂印香竄葡萄酒』を売り大ヒットさせる。 そこで弾みを付けた彼は国産ワイン製造を志した。
そこでできたワインは国内外で賞を受賞するほどに成長。 戦後農地改革で敷地面積は減るが、現在でも牛久シャトーとしてワインを製造し、国内外で高い評価を得ている。また洋風の建物も人気で、ドラマのロケ地としても使われている。 傳兵衛の拘りは今でも生きている。 #にいがたさくらの小話 その301
かつて音ゲーは枯れたジャンルと呼ばれていた。 音楽に合わせて上から流れてきたものを打ち込むというゲーム性が変えようがないと思われていたからだ。 新規客を掴めないジャンルは先細ってしまう。 そんな危機感の中、2008年にKONAMIが捻り出したのがJubeat。 4×4のパネルが未来を切り開いた。
結構古い本に書いてあったんだけど、英語ネイティブな人、これ本当なの?
幕末の日本は鉄を欲した。大砲作りに必要不可欠。 だが、伝統製法のたたら製鉄では絶対数が不足。 そこでオランダの書物を基に、鉄鉱石を原材料として高炉を用いた銑鉄法を日本でやる計画を立案。 鉄鉱石の場所も発案者の大島高任は知っていた。 そこは現在の岩手県釜石市。鉄の町の始まりである
江戸時代までの蚊対策は蚊遣火を熾して追い払う物だったが、夏の昼間にキャンプファイヤーするのは熱すぎた。 そこで出てくるのが除虫菊。殺虫効果の高いコイツを入れて拡散させると蚊が寄ってこない。大掛かりに火を熾さなくても、線香に練り込めば……。 こうしてできたのが、世界初の蚊取り線香だ
紅茶の淹れ方には国際規格ISOによって定義されている。 英国規格を国際標準化したものだ。 と聞くと、英国人は正しい紅茶の淹れ方を決めたのか?と思われるがそうじゃない。 味の比較をする際に一定の淹れ方を定義しないと紅茶の味がブレてしまうからであり、一般人が普通に飲む分には何でもいい。
国際規格ISOの中でもお茶は、食品専門委員会茶分科委員会という専門の会議体を持っており、お茶にまつわる様々な規格を作っている。 英国等の西欧はお茶の大量消費国。 自国生産不可のため輸入となるが、以前はその際に偽物や混ぜ物などが蔓延り品質低下したため、国際的な規格が必要だったのだ。
設立の経緯からして、紅茶にまつわる定義がズラリと並んでいることがわかる。 ちなみにISO3103が冒頭の『紅茶の淹れ方』の定義。抽出液の調製法と書かれると、パッと見お茶の淹れ方だとはわからないと思う。 こういう定義をしないと恣意的に取り扱われて、品質が担保できなくなってしまうのだ。
世界的に飲まれているお茶といえば紅茶。 そのため、国際規格ISOでも紅茶に関する国際標準を英国主導でいくつも定めている。 21世紀には緑茶も徐々に普及してきたため、紅茶と同じ枠組みで国際標準を検討されてきたが原案を見て日本は驚愕。 原案だと、抹茶も玉露も緑茶の定義から外れてしまう……。
玉露も抹茶の原料である碾茶も、生育過程で日光を遮ることで苦味成分であるカテキンを減らしたお茶だ。 原案には「緑茶は機能性成分のカテキン類が含まれることが優れた特徴。」と書かれており、その下限値が示されていた。 日本は議決権のない立場だったが、議長国の英国に掛け合い、問題点を指摘
茶分科委員会の会議にて、日本はプレゼンを行う。最高級の京都府産抹茶と最高級の福岡県産玉露を携えて。 「原案の規格に示された成分表からは外れてしまうが、これらも緑茶です」 猛烈にアピールを行い、会議の参加者に味で納得させ、規格の脚注に玉露や抹茶の事情を明記してもらえることに。
日本側にも緑茶の定義の議論以前の態度を反省し、議決権を持つメンバーになる。 現在は抹茶の定義について、日本主導で国際規格化が進行中。規格ができれば、偽物を締め出せる。 国際規格には魂が宿る。 魂を吹き込む際にはそれに立ち会う必要があるのだ。 #にいがたさくらの小話 その309·茶ISO後編
後編から見た人、前編も見てね! twitter.com/monkey_across/…
明治維新の際、日本の首都をどこにするかで揉めた。 江戸城を明け渡されたとはいえ、天皇は京都におり、維新の中核は西国人たち。西国かつ当時の経済の中心であった大阪への遷都の声も強かった。 そんな中、江戸=東京に新首都が決まったのには理由がある。 明治新政府には、カネがなかったからだ。
遷都には莫大なインフラが必要。政権を取ったばかりの維新政府にはそれを作るカネもノウハウもなかった。 しかし、新政府は外国に対して政権の証である首都をアピールしたい。 様々な意見が出る中、決め手となったのは後に郵便の父と称される前島密が匿名で送った意見書だとされる。(諸説あり)
その概要は、 関東、東北で戦闘が続いている中、江戸を抑えないのはよくない。 大阪は物流的に有利だが、今後は蒸気船の時代。大した利点にはならない。 大坂には政府が使える施設は少ないが江戸では諸藩邸が流用できる。 江戸は政治都市。政治から分離されればインフラが無駄になる。 といったもの