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リベラルの理想を絶対化し上から目線で社会を断罪しまくるのでなく、その社会の自律性や伝統的な人心のあり方を否定せず対等に尊重し、丁寧に溶け合わせるように理想を共有していくしかない。そこから逃げたら宗教右派につけ込まれるのはむしろ人間社会の本質的なレジリエンスの表れと理解すべき。続
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例えば偶像がどの程度「性的」であるべきか・あっていいかのセンスは文化によって全然違い、中世欧州みたいに凄い禁欲的な価値観もあればインドのように性的イメージが超重要な価値観もある。昨今のポリコレ文化における性的潔癖主義はその部分の文化的相対性を明らかに踏み越えている。(続
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「性行為は正常位のみ許される」的な規範を大真面目に持っていた文化圏と、春画のような文化を当然のように許容してきた文化とではあるべき着地点が違って当然で、その差異を無視した高圧的断罪をしまくる事が、現実レベルでの女性問題の解決を行っていく上での巨大なノイズになってしまっている。(続
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日本社会の「ギリギリな周縁部」の人たちは他の社会なら絶対その値段ではやってくれないレベルの丁寧な仕事をしてくれ、他の国なら犯罪とか犯しまくってておかしくない状況でも我慢強く社会に参加してくれていて日本社会の主流はそこに甘えてる側面はある。だからこの甘えは”双方向”なんですよ。(続
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要は、「価値観のアップデートが遅れているから日本コンテンツは世界からどんどん置いていかれて滅びゆくのだ」というのも間違ってるし、逆に「アメコミはポリコレにハマりすぎて衰退している」というのも正しくない。敵vs味方で罵り合ってないで冷静に事実を見ましょうということですね。(続
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台湾は今左翼政権だが習近平中国からの圧迫をリアルに受け続けてるので国防や外交関係の議論が物凄くリアルで、リベラル的理想とリアリズムが合致している。日本の左翼は、例えば沖縄の海を守りたいとかはわかるけどそれを現状米軍の存在を前提とした国際安全保障をどうするかという話が全然ない。(続
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欧米はそこが過剰に潔癖主義的だからこそ、過去に性的少数者を弾圧しまくった歴史がある一方今度はまた逆の過剰を全世界に押し付けているんじゃないかという批判は当然あるべきで、「今の”国際社会”ではこれが当然でそれ以外は野蛮」という目線自体の背後に宗教的独善性がないか検討されるべき。(続
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今の日本経済の大きな謎は、企業物価指数が8%台後半もインフレしてるのに消費者物価指数は2%台で(米国はこんな差はなさそう)、でも小売業の業績が大崩壊という話も聞かない。この「差」はどこが吸収しているのか?という問題。グループ内にtoBもtoCもあるクライアントと話していて出た仮説は(続
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月末恒例記事ラッシュ一本目『外資コンサルは儲かりまくってるのに日本経済はイマイチなままなのはなぜか?』を考える記事を書きました。これと表裏一体の課題なんですが知床遊覧船の事故の背景にあると言われる「中小企業コンサル(の一部)」の文化の問題について連ツイで思うことを書きます。1/n twitter.com/Pre_Online/sta…
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「なぜリベラルは負け続けるのか」とは挑戦的なタイトルですがこれは岡田氏の本のタイトルなんですね。教条主義的になりがちな左派が選挙で勝てずにいる事に関して色々と理由があるでしょうけど私は結局「日本社会側の事情」を対等に見ずに理想を押し込んでいる所があるんじゃないかと考えています。続
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今の共産党がカルトとは言わないが例えば統一協会と自民が反共で結託してた頃の共産主義ってマジでテロしようとするし実際に東側諸国で起きた大量餓死や粛清の嵐やなんかを考えると『壺を高額で売りつける』とかいうのが可愛いレベルのカルトなわけで。いまだその夢追ってる団体だって日本にいるが 続
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一部の日本漫画ファンはアメコミとの比較で「日本漫画は終わってる」と常時ディスられていると感じアメコミを敵視しがちだが、日本漫画をディスってるのは「ポリコレ原理主義」の人たちであってアメコミファンではない。結果としてアメコミファンは身に覚えのない憎悪を向けられていると感じている。続
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見るからにバカバカしい風習的なものも日本で廃止できない理由は、実は「変えたい」人が日本社会のその部分を憎悪するあまり「そこにそれがあった理由」を理解する気がない事が多いからだ、という話をしたインタビューが公開されました。連続三回のインタビューの中編です。続minnanokaigo.com/news/special/k…
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もっと根本的には、宗教右派が保守政党と結託する傾向が欧米でも普通にある事で、むしろ米国の場合の方が深刻ですらある。この時にちゃんと『なぜその人々が宗教右派に頼るのか』と向き合って、リベラルとして彼らのニーズに寄り添い、『自分達を選んで貰う努力』こそが必要とされてるはずなのでは?続
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続)社会の義理の連鎖を崩壊から守るための『ダメなもんはダメ!』をちゃんと共有できるようになれば、意識高い系の理想に対するアレルギー反応も初めて収まってくるはず。とにかく堂々と『押し返して』いかんといけないね。単なる反動でなく、人類社会の分断を超える新しい理想としてね。
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「日本社会に改革を迫る側」が「日本社会側の事情」を丁寧に読み解く資質に欠けていて過剰に理想化した欧米の事例を持ってきて思考停止で日本をディスるしかしないから余計に現実担当者を保守的な方向に追いやってしまう。だからむしろ保守派側が『良い左翼』を自ら作るべき情勢なのだと思う。(続
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年末記事finders.me/articles.php?i…更新です。今年の漢字は『戦』だとかタモリが『新しい戦前』と言ったとか話題ですがそれを本当に戦争にしないためには
『憲法9条を尊重しない野蛮で邪悪な自民党政府が全ての元凶なのだ』
というような前世紀の遺物の思考停止を超えるリアルな議論が必要です。(続
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今回記事finders.me/articles.php?i…後半では細谷雄一@Yuichi_Hosoya 慶大教授による「NATOの東方不拡大の約束を米国が破ったのが原因で露は悪くないというのは嘘」という論考も紹介しています。アメリカ的秩序がムカつくからといって今回のロシアの暴虐の肩を持つような事を言うのは最悪。だから↓ 11/n
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『わかってる左派』は地道に理解を広げ、以下記事の政治学者岡田憲治氏のPTA改革のように成果も出している人も出てきている。最先端の正しさで誰かを殴りまくれば社会が良くなると考える傲慢さを、こういう対話で置き換えていかねばならない時が来ている。
twitter.com/keizokuramoto/…
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これは企業の改革でもそうで、「GAFAじゃこうなのに日本の会社って駄目だよね」と言っていても日本はGAFAじゃないので同じ事は決してできない。改革派に「その社会の実情」を向き合う気が全然ないと、実現可能な代替案が見えてこないので過剰に「昔のまま」にしがみついてしまう結果になる。続
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今後とも「欧米的な理想」と「日本社会の実質」をどちらも否定せず完全に対等に扱い、相互に敬意を持って具体的な変化を積み重ねていく姿勢を広げていけば、欧米社会のように知的エリートがゴリ押ししたあげくバックラッシュに怯え続ける形ではない日本的調和を維持したままの変革が可能になるはず。続
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欧米という人類社会の2割もいない特権階級の論理をあまりに無批判にそれ以外に押し付け、ローカル社会の特有の課題解決に向き合おうとしないムーブメントに力を与えすぎているから逆に過剰に強権的な政治で埋め合わせをする勢力も出てくる。そこに新しい”双方向性”を打ち立てるのが日本の役割。(続