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ふと思ったが、最近の英語論文がやけに平明なのは、外国語話者が英語で書いているのみならず、校正ツール導入による規格化もあるのかもしれない。ヒュームからポーコックまで、英語の文章はフランス語以上に長く複雑で(こちらの読解の技量はさておき)、本来決して平明ではなかったはずなんだが。 twitter.com/yktlavie/statu…
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木村敏死去。ベルクソンを読んでいた学部生の頃、木村敏と中井久夫の分裂病論はとてもリアリティがあった。京都に着いた頃、東一条辺りのカフェで何度か見かけたことがある。人目を引くほどエレガントな老人で、何かこちらの背筋がすっと伸びるようだった。
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女性の哲学者が普通にいるフランスでも、女性の哲学者は美学・道徳哲学・政治哲学・フェミニズムに集中していて、認識論・科学哲学・形而上学となると、がくんと数が減る。逆に、圧倒的に女性が多いのが文学と精神分析。あれはどういうことなのかね。 twitter.com/gubibibi/statu…
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しかしなあ、大江健三郎は、たしか小林秀雄伝来の、ある作家を読むときには全部読め、という教えも忠実に守っていたのだから、そこいらの下手な専門家などとても立ち打ちできないくらいたくさん本を読んでいるんだよな。 twitter.com/kunitachiman/s…
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フランスの学者は日本の学者ほど本を買わない。共和国の大学教師は薄給だし、図書館が充実していて、もっぱら図書館を使う。日本では図書館が貧弱で、学者がずっと「舶来もの」を参照してきたので、必要になりそうな本を買い集める習慣ができたのだと思うが、いまやフランス人より薄給だからな。
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大体万策尽きると「兵隊」の根性のせいにするのが、われらが大日本国の伝統である。この「労働者のスキル」って、ほとんど、もっとよく働け、程度の意味だろう。何が経済学者だか。 twitter.com/NTR66802653/st…
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英語中心主義で国民の資産が減少する典型例でしょう。
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ブルガリアで学卒のタクシー運転手が、社会主義時代は自由がなくて外国に行けなかったが、今は自由はあってもカネがないので外国に行けないと嘆いていた。自由主義はカネが回っているときには機能するが、ひとたびカネが回らなくなると、自由=富から排除された者たちの激しい異義申し立てに曝される。
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フランスの友人から、近年のフランスにおける大学の授業料値上げ、とりわけEU外の学生を狙ったそれは、もっぱらマグレブやフランス語圏のアフリカ諸国からの留学名義での事実上の移民を制限するという、半ば露骨な移民排外政策であると聞く。
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浅田彰が、自分がウクライナにいたら、学生には逃げろと言うと思う、と言っていた(浅田が言うのは橋下のような議論とはちょっと違う)。自分も同じような立場に立ったら、学生には逃げろ、と言うだろうなと思う。他人に命懸けるのを強制したりできない。教師の分際であればなおさらである。
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日本の旧国立大学にはラフカディオ・ハーンやケーベル先生の昔から御雇外国人の制度があり、90sまで残っていた。独立法人化後消滅。その結果、語学文学系に残る外国人教師は、日本人並(以下)の賃金・雇用条件に切り下げられた。長い「文明開化」の終わりで、それ自体はよしとしよう。
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いい文章だった。
大学の文学教師にできることなど、知的なすれっからしたちが生き延びていくために、つかのま同伴者になることでしかないのだから、こうして鈴木涼美に感謝されたら、教師としてはもう言うことないんじゃないかな。
@gendai_biz gendai.media/articles/-/109… #現代ビジネス
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指定国立大学の審査にあたった外国人委員(アメリカ人学者)から、日本の大学は、財政規模に関していえば、欧米ほか世界標準の5分の一程度で、よくやっている、という声が上がったらしい。泣けてくる話である。
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モンテスキューとルソーを中心に、立法者の形象に焦点を当て、政治論と歴史論の核心を取り出そうとした書物です。
「気鋭」は「労作」など書かないのではないかという疑いが拭えませんが、『法の精神』、『不平等起源論』、『社会契約論』を読み直すきっかけとなれば幸いです。 twitter.com/UN_Press/statu…
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大学まで行った人間には日本語と英語以外にもう一つくらい言語を身につけておけ、というのは、中長期的に見て「国益」に適っているはずだけどな。日本語と英語だけで済む世界に住んでいる植民地エリートの言うことだけ聞いていたって、その世界がいつまでもつかは分からない。保険みたいなものである。
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ここで、三船敏郎が一人「快哉を叫んだ」と書いているのが、いかにも三船敏郎らしく突出しているなと思ったら、三船は玉音放送を熊本の特攻隊基地で聞かされたらしかった。 twitter.com/maGuremono/sta…
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安倍退陣、twの白熱ぶりを見ると—自分もだが—、つくづくみんな安倍晋三が「好き」だったのだなと思う。というより、「安倍晋三」は<現実>の裂け目を塞ぐ対象aのようなものであり、それを弄ぶことで皆が<政治っぽい>ゲームを演じている気になれた特権的記号だったのだ。困難はむしろこれからだ。
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フランス暴動、人種や郊外の問題として語られるが、問題はまず、マクロン政権下の警察力行使による死者の飛躍的増大だ。2017年以来86人、この2年に44人。同期間、日本の死刑執行数が各26、4であるのを思えば、フランスの警察の弾圧がどれほどひどいか分かる。
politis.fr/articles/2023/…
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昔は毛嫌いしていたのだが、京都の街は好きになった。古都の伝統や住人気質ではない。この街にはサラリーマン然とした人がいたって少ないのだ。自営業者と学生が多い街。そこから独特の自主独立の風が来るのだと思う。たしか20代人口比は全国一。日本では数少なくなった老若男女の住む街である。
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坂本龍一没。
文学や哲学・思想とポップカルチャーが重なりあっていることがなんの不思議でもない、ポスト68年的風土を一人で体現しているような人だった。しかし、我が心の文化英雄たち、消え去るの早すぎる。 twitter.com/ryuichisakamot…
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百万遍にこたつ出す京大生は立件されても、公文書を偽造する官僚は立件されないとは、まったく世も末だな。
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このニュースで、東京芸大の現学長が日比野克彦であることを知って驚く。
この藝大の惨状にせよ、国立大学法人の卓越大学構想にせよ、「帝大解体」はいまや国家と資本の主導で加速度的に進行している。
news.yahoo.co.jp/articles/47c2a…
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「若者が先達の営為を知ろうが知るまいが、それでも、若者は、いかなる人文知よりも思想史研究よりも文学が大切なものであることを銘記しておくべきである。学問も政治も、人生に寄生するものにすぎない。学問も政治も、人生の前に跪くべきものなのだ。・・・
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ゴーン逮捕、日産社内の権力闘争はもとより、外資排除の政治劇じゃないかと思ったが、ゴーンはルノー筆頭株主のフランス共和国にとっても厄介者だったらしく(役員報酬、首切り)、どうやら日本の税務が「国家」を代表して多国籍企業トップを追い落とすの図、に見えてきた。
lemonde.fr/economie/artic…
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バブル時代の子は、乱痴気騒ぎを拒否していた者も、なんらかの恩恵を被っている。何よりカネがあったから、面白いもの(映画・芝居・展覧会etc.)はたくさん見れた。先々の展望もないのに大学院にも進めた。いまや、学費の値上がりと貧困化の下、若い人は真面目であればあるほど大学院進学を躊躇する。