1
チャールズは76才で王位に就くのか。ご苦労なことである。日本でも今の天皇が即位する前、学習院大学院の同窓会か何かで、みなが退職後の希望について話すのに、「私はこれからです」と言ったという話を聞いたときには、天皇制反対論者の私も、さすがに少しかわいそうだと思った。
2
大分・高崎山で近年メスのボスザルが出て来たという。サルがジェンダー平等に配慮したのではなく、エサをイモから穀物に代えたのが決定的だったらしい。イモの取り合いには腕力が物を言うが、穀物を拾うのには単に手間がかかる。こうして生存のために性差が無意味になったのが大きかったのだとか。
3
たぶん、もう日本で全く新たに仏和辞典が編纂されることはない。第二外国語教育縮小の結果、辞書の需要が減って採算が取れない。じきに、ちょっと高等な調べ物をするには、仏仏か仏英の辞典を引かなくてはいけない日が来るかもしれない。現に、中等以上のフランス語教本の類はすでにほとんど絶版。 twitter.com/isnki/status/1…
4
都会の進学校で、制服もなく、自由でのびのびしているとか評される学校、生徒がデキがいいからだの均質だの言われるが、肝心なことが忘れられている(隠蔽されている)。制服廃止はほとんどの学校で、高校全共闘以後の「学園紛争」で「勝ちとられた」のだ。
5
ノートルダムの修復に、大金持ちたちが次々と10億ユーロ(milliard)単位で寄付を申し出ているらしい。あるところにはあるもんだな、と思うが、教会の修復にカネは出せても、毎週デモを繰り返してる黄色ヴェストどもにはおこぼれは回せないってことか、と鼻白む。
6
話題のサイゼリヤ、第1号店跡看板に「経済民主主義」「社会貢献企業」とあったので、「ペガサス理論」だな、と思ったらやはりそうだった。チェーンストア大手が軒並み影響を受けたこの理論、70sには非営利の生協の運動理論として使われたはずで、現に各地の生協が「クラブ」に参加している。
7
性差の不平等問題について、自然人類学的にはなかなか含蓄のある話だと思う。ヒトでも、男性優位は多分に軍事の重要性ゆえであり、近代ではここに工場労働が加わる。完全に人に餌付けされて、さかんに小麦の粒を拾っているサルたちの姿はそれなりに切ないものでもあったが、面白い話だった。
8
日本語は、キャンベルさんがいう言文一致のみならず、WWII後の国語改革でも分断されていて、江戸時代はおろか、いまやWWII前の日本語を読むことも難しい。それが「貧しさ」であることさえ、今の日本語読者には感じることが難しい。
ibm.com/blogs/think/jp…
9
首切り経営者として鳴らしてきたゴーンがいまさら「人権」などと言うのには失笑を禁じ得ない。フランスの報道では、ちょくちょく労働者の声が聞かれ、日本での報道よりよほどゴーンには辛辣だが、日本では日産で首を切られた労働者の声がまったく聞こえてこないのはどうしたことか。
10
若者が政治参加しないと政治学者たちは嘆くのだが、大学のキャンパスでタテカンも立てられない、ビラも配れないような政治の弾圧を行っておいて、民主主義的熟議にはお行儀良く参加しましょうなんて、そんな都合いい話はない。
mita-hyoron.keio.ac.jp/features/2021/…
11
古井由吉が東大文学部でやった講演。なにか深くすさまじい印象を残すものだった。
講演「翻訳と創作と」 | UTokyo TV todai.tv/contents-list/…
12
昔に比べて学生の知識の幅が狭いなと思うことはある。だから大学院行って勉強した方がいい、という意見も分かるが、専門家と学校秀才ばかり増えてもな、とも思う。今の若い人に決定的に欠けているのは、失敗してもやり直せるチャンスであり、その失敗を経験にすることを許す社会じゃないか。
13
図書館に勤める人にとって、本が誰に貸し出されているかを第三者に伝えることは堅く御法度らしく、どれほど親しい司書も、たとえ貸出先が同僚でも教えてはくれない。そういう目立たない努力で思想・信条の自由は守られてきたのだが、今やデータベースにアクセスされれば、簡単にその砦は破られる。 twitter.com/yajipoi0810/st…
14
日本史学者の友人によると、日本で感染症が大問題になるのは開国以降(コレラ、スペイン風邪)らしい。彼に言わせると、インバウンドで景気浮揚だとか吹き上げといて、伝染病対策も予期していないのは、多寡くくりすぎ、とのこと。なるほどね、と思った。
15
ノートルダム大聖堂、炎を上げて尖塔が崩れ落ちてゆく映像には、思わず「美しい」と思ったが、これは『金閣寺』の国の感受性なんだろう。当然、パリでは司祭が「アポカリプス的」と口走り、群衆は讃美歌を口ずさみもするー終末論的な「劫火」のイメージ。
16
73才だった。
17
個人に対するネット上の書き込みで拘禁刑というのはちょっと考えられない重刑である。法律は常に弱者保護の大義名分で作られ、支配の道具となる。
ネット中傷抑止へ侮辱罪厳罰化 懲役・禁錮、「拘禁刑」に―刑法改正案を閣議決定:時事ドットコム jiji.com/jc/article?k=2… @jijicomより
18
真鍋淑郎が地球温暖化メカニズムの解明でノーベル賞を取ったというので、60sからそんな問題に興味を持つなんて科学者って面白いな、と思っていたら、受賞コメントで、冷戦時代の合衆国は科学技術振興に積極的で恩恵を受けた旨の発言があり、一種の軍事研究でもあったのだな、と納得する。
19
昔、酒場で遭遇した西部邁が「同性愛者が隣に引っ越してきたら俺は引っ越す」と言った端からプラトンを云々するので、カチンときて、「プラトンも同性愛者ですけどね」と半畳入れて席を立たせたことがあった。褒められたもんじゃないが「俺は引っ越す」というのは、西部さんなりの慎みでもあったな。
20
フランスが特殊なのだろうが、ウクライナ侵攻のような時事的な政治問題について、すぐに「哲学者」がコメントを求められる。共和主義の下、政策論の理論的正当化が常に要求されるからなのか。この点、哲学者が政治について語るのを回避するか、語ってしくじる(笑)日本の伝統とははっきり異なる。
21
フランスがハイチ独立に際して、失われた奴隷の保証のためと称して巨額の賠償金を求め、この「返済」が20世紀初頭まで続いて、最初の黒人共和国を徹底的に弱体化したのは有名な話。この件に関しては、フランスはハイチの返還請求に応じろ、と思っている(昔、ジジェクもどこかで奉公していた)。
22
身分制社会の解体後、近代社会で人間は「何者かになる」ことを強制される。若い人が感じるプレッシャーは大抵そこから来る。カントの教えにもかかわらず、「大人」になることは「世界市民」になることどころか、分業体制の一齣になることであり、「社会」に出ることは「会社」に入ることと同義なのだ。
23
フランス語、読める人はまだいるのだが、どんどん文学、哲学中心になっていて、歴史学含め、社会科学系はもうほとんど絶滅危惧種だろう。デュルケムとかモースとか、フランス語で読める社会学者が今どれほどいるのか。
24
論文を何語で書くべきか、とかいう話を真剣に研究者がしているのをみると、いつも少し鼻白む。英語で書くとオーディエンスが飛躍的に増えるというのも多分に幻想で、論文って基本的に専門的になればなるほど、大体世界中で20人くらいの人しか読んでわからないものだと蓮實重彦先生も言っておられた。
25
宇都宮けんじという人は、いつも、正直者がバカを見るというか、真面目にだけやっていても決して報われない、現代日本の宿痾を体現するような役を演じさせられていてる。・・・彼を見る度、かつてあんなに待望されていたポスト工業化社会は、蓋を開けてみたら、哀れ、こんな世界だったのよ、と思う。