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日経がしびれを切らしたか。グーグルの量子コンピュータが世界トップのスパコン超えを実証した件(量子スプレマシー)。査読中の論文が1か月前にネットに流出し、世界中で報じられた。日本のメディア大手はこれまで静観していた。
nikkei.com/article/DGXMZO…
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ただし有用性でスパコンに勝ったわけでは全然ない(そもそも有用な計算はしていない)。今後は、量子でスパコンに勝てる有用な問題を誰がいち早く探し出すかという競争になる。海外ではすでに始まっている。
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Googleの量子コンピュータがランダム量子回路計算でスパコン「サミット」を超えた件、ようやく論文が出た。
論文:nature.com/articles/s4158…
Googleの発表:ai.googleblog.com/2019/10/quantu…
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量子コンピュータの実験が始まって25年だが、日本の遅れが目立ち始めたのは「量子コンピュータは実現できない」って悲観論が台頭し国プロがいったん途切れた2014年以降のこと。この分野はそれほど甘くなく、まだゴールまで20~30年はかかるんで、間に合わないってことはない。
twitter.com/Historyoflife/…
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藤井啓祐「驚異の量子コンピューター」(岩波書店),この分野を取材している記者に薦めたい。薄い,正確,数式がない,そして情報が新しい。この分野はここ数年の変化が速く,「今の」量子コンピュータの一般向け解説書は他にほとんどない。うちから出せなかったのが悔しい。
iwanami.co.jp/book/b482331.h…
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掛け算の順序強制は,小学生に掛け算の概念を教えるための一時的な方法だという段階を超えており,本当に「正しい順序がある」と信じている大人が少なからずいる。教えた通りでない順序にバツをつけ,間違っているとして点を引き続ければ,そうなるのが自然だと思う。
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これはまずいよ。本当にまずい。
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「IBMと東大が量子コンピュータの研究開発で提携」の件,記者会見に行ってきた。IBMは2020年,日本に量子コンピューターの実機2台を持ってくる。1台は東大の本郷に置いてハードの改良実験に,もう1台はIBMのサイトに置いて量子ソフトのRUNに使う。
nikkei.com/article/DGXMZO…
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グーグルの量子コンピュータが世界最速のスパコンを超えた「量子超越」,明日12月25日発売の日経サイエンス2月号で特集します。nikkei-science.com/202002_029.hml
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2月25日発売の日経サイエンス4月号の特集は「時間結晶」です。時間結晶って何でしょうか。時間が凍り付いたように止まった物体? そうではありません。
nikkei-science.com/202004_027.html
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興奮する私につられて興味を持った彼女(妻)は「それで何と呼んでいるの?」と聞いてきた。「時間並進対称性の自発的破れだよ」と答えると,彼女は「そんなのダメよ」と返した。「時間結晶と呼びましょう」(F. ウィルチェック,日経サイエンス4月号より)
twitter.com/ayafuruta/stat…
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なぜ日本の感染症のプロ集団が無症候あるいは軽症の患者を発見・隔離しようとしないで、クラスターの発見に躍起になっているのかがよくわかる解説。素晴らしくわかりやすい。
note.com/kyoshimine/n/n…
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日本が感染爆発の直前でギリ踏みとどまっている今、ハイリスクの高齢者にまで長距離移動や外食、イベント参加を促す意味がわからない。必要なのは消費振興ではなく、消費が一時減っても業界の人が生きられるための所得補償では。もし感染爆発を起きたら社会活動は完全に止まる
nikkei.com/article/DGXMZO…
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政府で経済対策を議論している方々、ぜひ専門家会議の意見を聞いてほしい。経済対策は極めて重要だが、感染症対策と整合していなくては、私たちは頑張るべき方向を見失う。
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新型コロナ対策について声を枯らして呼びかけを続けてきた医療者らが,完全に臨戦モードである>RT。我々が手を洗い,感染3条件を徹底して避け,感染爆発を抑えることができれば,自分や家族が感染したときに,現代医療で可能なところまで助けてもらうことができる。
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でも,もし爆発的に感染者が増えてキャパを超えてしまったら,そういう医療は望めなくなる。「閉鎖環境」に「密集」して「近距離で会話・発声」するのを避け,クラスターを作らないようにすることが,自分と家族の身を守る。
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望月新一・京大教授が宇宙際タイヒミューラー理論によってABC予想を証明した論文、京大数研の学術誌PRIMSが査読を終えて掲載決定
digital.asahi.com/articles/ASN41…
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2012年に論文が発表されたとき、まったく新しい理論なので、論文を読み始めることができる人は「世界で数人」と言われた。この論文を査読するのは、この理論に数学者としてのキャリアを賭けることにもなる。評価が定まるには「2~5年かかる見通し」と書いた。nikkei-science.com/?p=30998
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予想を大幅に上回る7年半を経て、ついに論文の掲載が決まった。だが、これで評価が定まったとは言いにくい。論文は何度も修正され、海外の数学者から異論も出て、膠着状態に陥っていた。同じ分野の数学者すらも「我々にわかるように説明できる人が出てこないとどうにもならない」と言っていた。
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「医療機関向けの防護具がぜんぜん足りません。世界中で防護具の取り合いがあり数が足りないだけでなくこれまでの5倍から10倍の価格です。ぜひとも皆さんの力で防護具の確保をご支援ください」(和田耕治)。新型コロナウイルス感染症:拡大防止活動基金
readyfor.jp/projects/covid…
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個人的には、自分がマスクが買えないことより、医療機関にマスクがないほうがずっと恐いよ。動いているのが岡部信彦、高山義浩、西浦博、和田耕治先生らで、これなら一番効果が高い方法で使ってもらえそうな気がする。微力ながら参加した。
readyfor.jp/projects/covid…
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数学者ジョン・コンウェイ,新型コロナウイルスによる肺炎で死去
twitter.com/grahamfarmelo/…
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先日,東工大の大学院の授業でSTAP細胞について講義した。あの事件は不正の発覚が早かったので,小保方氏の研究室に「STAP細胞」が残っていた。そのゲノムが網羅的に調査され,新規な細胞ではなく,既存のES細胞だったことが確認された。作られていなかったことが科学的に立証された珍しい例。
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科学的には完全に決着している話なのだが,その後も「STAP細胞が再現された」というデマが飛ぶたびに,信じてしまう人が大量に出た。生命科学系ではさすがに見ないが,ほかの分野だと研究者にもいた。「あれは本当だった」と思いたい人が世の中にたくさんいると,デマは何度でも再燃する。
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とっくに終わった話なので,経緯を知る人はもう話題にしない。そのため新たに発信される情報は,デマのほうが目につきやすい。今の大学院1年生は当時まだ高校生。授業後のアンケートで「STAPってどんな話なのか知らなかった」との声が寄せられた。なので改めて貼っておこう。nikkei-science.com/201503_034.html