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今日の東京都の感染者数は220人、検査数は5200人程度だ。状況はまったく改善していない。東京都を含むGO TO トラベルが今日から始まる。それだけでなく、いろんなところで規制が緩和される。その理由を知りたい。
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エンデの『モモ』(大島かおり訳・岩波少年文庫)をめぐって小さなメッセージを寄せることができました。本当に光栄です。私の部屋にある『モモ』の大判は、度重なる引っ越しのなかで色あせて、でも、とても風格のある本になっています。よろしければお読みください。⇒iwanami.co.jp/news/n35725.ht…
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少し寒くなってきました。心身とも準備が必要な季節です。特に今年は。身体の糧はともかく、心の糧となる「言葉の薬箱」や「言葉の備蓄」が必要なのかもしれません。この言葉にふれることができれば、心を流れるものを止めることができ、心の渇きを癒せる、そんな言葉を蓄え、自分の近くに置くのです。
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何かを学んでみたところで、すぐに世界を変えることはできない。しかし、学んだその日から「わたし」は少しずつ変わり始める。世界との関係も世界の姿も、他者との関係も他者の姿も変わってくる。真の意味で「学ぶ」とは「わたし」のなかでの起こる精神の革命を準備することにほかならない。
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最近、時間が惜しく感じられる。何かにせき立てられているわけではないのだが、意味が希薄なことを耐えがたく感じるようになった。同時に、かつてよりこの世界をずっと愛しく感じるようにもなった。哲学者の九鬼周造が「惜(お)し」という感情は「愛(お)し」でもある、と書いていたが本当だ。
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人は、誰かが望む「人材」になるために学ぶのではない。その人自身になるために学ぶのだ。世にただ一人の「人間」になるために学ぶのだ。私は「人間」と「人材」を区別できない者を怖れる。よき「人材」の基準は時代状況によって決まるに過ぎない。若者よ、「人材」になってはならない。「人間」たれ。
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「幅広い視野をもった優秀な人材を育てる」、こうした表現がはびこる場所ではすでに、個々の「人間」は見失われ、有用な「人材」の数だけが数え上げられる。「視座」を変えようとせず「視野」を広げてみたところで「弱い」人の姿は映るまい。声をあげずに苦しむ者の呻きにも気がつくことはないだろう。
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【お知らせ】NHK長野制作の「知るしん『モモ』特集」「“本当の豊かさ”とは?~児童文学『モモ』~」が、大変なご好評をいただき、NHK・BS1で全国放送されることになりました。放映日は、12月16日(水)深夜0時~0時25分、すなわち17日(木)深夜です。本当に良い番組でした。ぜひ、ご覧ください。
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念のために歴史を復習しておきましょう。 twitter.com/news24ntv/stat…
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コロナ経験者の言葉、大事なことが書いてあった。「体調が悪い中、どうでもいいような連絡が会社から入った時に、今回は軽症で済んだものの、人生いつなにが起きてどうなるかわからない、なによりも自分を大事にする事が大切だと悟りました。」news.yahoo.co.jp/articles/ccb0d…
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自分を慰めてくれる言葉を見つけられないなら、自分を励ましてくれる言葉を必要としているのなら、自分の、ほんとうの居場所を照らす一語にまだ、出会っていない、そう感じているなら、もうどこかを探すのは止めて、自分で書けばよい。人は誰も自分を救う言葉を、自分のなかに宿しているのである。
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「書けない」という人は少なくない。だがその多くはまだ、何も真剣に書いていないか、「うまい」文章を書きたいと思っているかのどちらかであることが多い。「書く」のは難しくない。まず、書いてみる。そして、「うまく」書こうなどと思わないことだ。「うまい」文章はいつも、誰かの言葉に似ている。
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年末年始、住まいを失う方をサポートするクラウドファンディングのご案内です。寒さが厳しい中、屋外で暮らしている人たちがいます。多くは人の眼に隠れた所で日々を生きています。そんな方々に「あたたかな居所と支援の手を届けたい」という活動です。ぜひ、ご支援下さい。
camp-fire.jp/projects/view/…
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教皇フランシスコが教皇庁で行ったメッセージでハンナ・アーレントの『人間の条件』の一節を引用した。「人間は死なねばならない。だが、死ぬために生まれたのではない。(何かを)始めるために生まれたのだ」。こうした日がくるような気がしていた。romereports.com/en/2020/12/21/…
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誰かと自分を比べれば、自分の特性が見えにくくなるのは当然だ。私たちはある年齢まで、人よりも秀でることを求められてきた。だが、それだけが人生ではないことに気がつく。そのとき、人生の後半が始まる。年齢は関係がない。ある人は10歳になる前に、一方、人生の晩節になるまで始まらない人もいる。
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今年出版された本で、今年を振り返るような習慣は、そろそろやめた方がよい。今年私が熟読し、強く動かされた本は皆、20年ほど前から書架にあるものだ。読書にはそういう一面がある。年齢を重ね、おのれの内なる衝動に忠実なる読書は、よりいっそうそうした傾向を強めると思う。
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3月、「100分de名著」に出ます。今回のテーマは「災害を考える」。寺田寅彦『天災と日本人』柳田國男『先祖の話』セネカ『生の短さについて』池田晶子『14歳からの哲学』を取り上げます。東日本大震災から10年ですが、それだけでなく、災害と「いのち」をめぐって考えます。hanmoto.com/bd/isbn/978414…
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『ビッグイシュー』は、たぶん、毎号、買っていると思うのですが、何といっても誌面そのものがよいのです。内容がしっかりとしているのです。その国の書き手の熱意だけでなく、世界各地のちからが結集しているからでもあります。ぜひ、一度、買ってみてください。雑誌の可能性を感じると思います。 twitter.com/BIG_ISSUE_Japa…
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朝日新聞の記事から、尾身会長の言葉。《「確かに1カ月未満に、ステージ3に近づけるということは簡単ではありません」と認めた上で、「しっかりと頑張れば、1カ月以内でもステージ3にいくことは可能だと思っています」と述べた。》もはや、科学の面影すらない。
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本を読めないときは「書く」ときです。誰かのではなく、己れの心にある、まだ言葉の姿をしていない、未知なるコトバを見出すときです。少しの間、私達は試練の日々を過ごさねばなりません。それを落胆の日々ではなく、意味ある日々に変容させるのは、誰かのではなく、自らの生に裏打ちされた言葉です。
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考えた事を書くよりも「書く」事によって考えるのです。考えた事を書くとき、働いているのは頭(あたま)です。しかし、「書く」事よって考えるとき「頭」だけでなく手も胸も、心すらも動き始めます。誰もが頭だけでは見通せない出来事があるのを知っている。それならそう生きるのがよいと思います。
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私たちは今、険しい山道を登っています。一人ではなく、皆で。その事を国や地方自治体にも忘れずにいてほしいのです。為政者が「自助」や「自己責任」をあまりに強調する事で、静寂のうちに世に分断が生まれている現状に気がついてほしいのです。そして、苦しんでいる人は、苦しいと言えないことにも。
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カントを読んでいたら、ルソーに流れ着いた。ルソーは、いわゆる「学校」なるものと、とにかく相性が悪かった。その人物が、教育をめぐって書いた『エミール』が今も読まれ続けている。ルソーの哲学は素朴で力強い。現代の言葉でいえば有用な「人材」ではなく、「人間」になれということなのだ。
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バイデンの大統領就任式で、若き詩人アマンダ・ゴーマンが自作を朗読した。本当に素晴らしかった。こうした場で詩が読まれるのは伝統的なことだが、この困難な時期に詩が、これほどのちからを持つことに改めて驚かされた。アメリカは困難も大きい。だが、それを潜り抜けてくる言葉もあるのだ。
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人前で話す機会がある人は、見てみるとよいと思います。天才の誕生の秘密が、じつに素朴なところにあることが分かります。素晴らしい人は、いろんなところにいる。 twitter.com/brutjapan/stat…