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考えた事を書くよりも「書く」事によって考えるのです。考えた事を書くとき、働いているのは頭(あたま)です。しかし、「書く」事よって考えるとき「頭」だけでなく手も胸も、心すらも動き始めます。誰もが頭だけでは見通せない出来事があるのを知っている。それならそう生きるのがよいと思います。
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本を読めないときは「書く」ときです。誰かのではなく、己れの心にある、まだ言葉の姿をしていない、未知なるコトバを見出すときです。少しの間、私達は試練の日々を過ごさねばなりません。それを落胆の日々ではなく、意味ある日々に変容させるのは、誰かのではなく、自らの生に裏打ちされた言葉です。
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朝日新聞の記事から、尾身会長の言葉。《「確かに1カ月未満に、ステージ3に近づけるということは簡単ではありません」と認めた上で、「しっかりと頑張れば、1カ月以内でもステージ3にいくことは可能だと思っています」と述べた。》もはや、科学の面影すらない。
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『ビッグイシュー』は、たぶん、毎号、買っていると思うのですが、何といっても誌面そのものがよいのです。内容がしっかりとしているのです。その国の書き手の熱意だけでなく、世界各地のちからが結集しているからでもあります。ぜひ、一度、買ってみてください。雑誌の可能性を感じると思います。 twitter.com/BIG_ISSUE_Japa…
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3月、「100分de名著」に出ます。今回のテーマは「災害を考える」。寺田寅彦『天災と日本人』柳田國男『先祖の話』セネカ『生の短さについて』池田晶子『14歳からの哲学』を取り上げます。東日本大震災から10年ですが、それだけでなく、災害と「いのち」をめぐって考えます。hanmoto.com/bd/isbn/978414…
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今年出版された本で、今年を振り返るような習慣は、そろそろやめた方がよい。今年私が熟読し、強く動かされた本は皆、20年ほど前から書架にあるものだ。読書にはそういう一面がある。年齢を重ね、おのれの内なる衝動に忠実なる読書は、よりいっそうそうした傾向を強めると思う。
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誰かと自分を比べれば、自分の特性が見えにくくなるのは当然だ。私たちはある年齢まで、人よりも秀でることを求められてきた。だが、それだけが人生ではないことに気がつく。そのとき、人生の後半が始まる。年齢は関係がない。ある人は10歳になる前に、一方、人生の晩節になるまで始まらない人もいる。
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教皇フランシスコが教皇庁で行ったメッセージでハンナ・アーレントの『人間の条件』の一節を引用した。「人間は死なねばならない。だが、死ぬために生まれたのではない。(何かを)始めるために生まれたのだ」。こうした日がくるような気がしていた。romereports.com/en/2020/12/21/…
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年末年始、住まいを失う方をサポートするクラウドファンディングのご案内です。寒さが厳しい中、屋外で暮らしている人たちがいます。多くは人の眼に隠れた所で日々を生きています。そんな方々に「あたたかな居所と支援の手を届けたい」という活動です。ぜひ、ご支援下さい。
camp-fire.jp/projects/view/…
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「書けない」という人は少なくない。だがその多くはまだ、何も真剣に書いていないか、「うまい」文章を書きたいと思っているかのどちらかであることが多い。「書く」のは難しくない。まず、書いてみる。そして、「うまく」書こうなどと思わないことだ。「うまい」文章はいつも、誰かの言葉に似ている。
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自分を慰めてくれる言葉を見つけられないなら、自分を励ましてくれる言葉を必要としているのなら、自分の、ほんとうの居場所を照らす一語にまだ、出会っていない、そう感じているなら、もうどこかを探すのは止めて、自分で書けばよい。人は誰も自分を救う言葉を、自分のなかに宿しているのである。
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コロナ経験者の言葉、大事なことが書いてあった。「体調が悪い中、どうでもいいような連絡が会社から入った時に、今回は軽症で済んだものの、人生いつなにが起きてどうなるかわからない、なによりも自分を大事にする事が大切だと悟りました。」news.yahoo.co.jp/articles/ccb0d…
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念のために歴史を復習しておきましょう。 twitter.com/news24ntv/stat…
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【お知らせ】NHK長野制作の「知るしん『モモ』特集」「“本当の豊かさ”とは?~児童文学『モモ』~」が、大変なご好評をいただき、NHK・BS1で全国放送されることになりました。放映日は、12月16日(水)深夜0時~0時25分、すなわち17日(木)深夜です。本当に良い番組でした。ぜひ、ご覧ください。
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「幅広い視野をもった優秀な人材を育てる」、こうした表現がはびこる場所ではすでに、個々の「人間」は見失われ、有用な「人材」の数だけが数え上げられる。「視座」を変えようとせず「視野」を広げてみたところで「弱い」人の姿は映るまい。声をあげずに苦しむ者の呻きにも気がつくことはないだろう。
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人は、誰かが望む「人材」になるために学ぶのではない。その人自身になるために学ぶのだ。世にただ一人の「人間」になるために学ぶのだ。私は「人間」と「人材」を区別できない者を怖れる。よき「人材」の基準は時代状況によって決まるに過ぎない。若者よ、「人材」になってはならない。「人間」たれ。
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最近、時間が惜しく感じられる。何かにせき立てられているわけではないのだが、意味が希薄なことを耐えがたく感じるようになった。同時に、かつてよりこの世界をずっと愛しく感じるようにもなった。哲学者の九鬼周造が「惜(お)し」という感情は「愛(お)し」でもある、と書いていたが本当だ。
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何かを学んでみたところで、すぐに世界を変えることはできない。しかし、学んだその日から「わたし」は少しずつ変わり始める。世界との関係も世界の姿も、他者との関係も他者の姿も変わってくる。真の意味で「学ぶ」とは「わたし」のなかでの起こる精神の革命を準備することにほかならない。
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少し寒くなってきました。心身とも準備が必要な季節です。特に今年は。身体の糧はともかく、心の糧となる「言葉の薬箱」や「言葉の備蓄」が必要なのかもしれません。この言葉にふれることができれば、心を流れるものを止めることができ、心の渇きを癒せる、そんな言葉を蓄え、自分の近くに置くのです。
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エンデの『モモ』(大島かおり訳・岩波少年文庫)をめぐって小さなメッセージを寄せることができました。本当に光栄です。私の部屋にある『モモ』の大判は、度重なる引っ越しのなかで色あせて、でも、とても風格のある本になっています。よろしければお読みください。⇒iwanami.co.jp/news/n35725.ht…
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今日の東京都の感染者数は220人、検査数は5200人程度だ。状況はまったく改善していない。東京都を含むGO TO トラベルが今日から始まる。それだけでなく、いろんなところで規制が緩和される。その理由を知りたい。
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大坂なおみさんは、語るべきことを語るべき場所で語り、期待されている以上の実績を残した。正義はいつも、ある勇気を必要とすることを改めて教えられた。亡き者たちに護られているかのような姿でもあった。
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どうしてこうした基本的な情報が、日本のメディアから流れてこないのか。そちらの方が心配になる。 twitter.com/bbcnewsjapan/s…
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アルフォンス・デーケン神父が亡くなった。日本における死生学、グリーフケアは彼の存在なくして語れない。第二次大戦中、彼の家族はすでに明確な反ファシズム運動を実践していた。それにもかかわらず、無防備だった祖父を偶発的に連合軍に銃撃される。これが彼にとっての「死」の最初の経験だった。
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当たり前だが人は、毎日、着実に年を取る。今52歳だ。40代と50代が、これほど違うとは思わなかった。60代はまた違うのだろうか。かつては見えなかった何かが見えてくる。もちろん、かつては見えた文字は見えにくくなるのだが。しかし、不思議なのだ。視力は弱くなるが、意味の感じる力は別なのである。