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「稼げる大学」という政治圧力に対し、いかにして「稼げない学問」を守っていくかは、大学人だけでなく、我々市民の責任でもある。
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無政府状態というのを実際に体験するとは思わなかった。感染者は増えるに任され、自宅が「病床」となり、その一方でオリンピックは熱中症と日本選手のメダルラッシュで盛り上がる。この現実感のなさ、ちぐはぐさのカオス状態。もう社会全体が完全に正気を失っている。
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一貫して政府が改憲派という国は珍しい。しかも、部分改正ではなく、原理の改正を目指している国などまずないだろう。それ自体、憲法違反なのだが。
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これから色々な動きが出てくると思うけれど、我々の普通の日常を変えてはならないと思う。選挙中でもあるし、政府に対する批判を萎縮させてはならない。
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マイナンバーカードと保険証の合体の真の狙いは、国民皆保険制度の廃止だろうと思う。
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死者1万人のうち7割は12月以降だそうだ。これからどこまで増えていくのか分からない。死はもう他人事ではないのだ。それでもオリンピックをやるのか、検査・隔離はしないのか。それでも政府か。
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日本の問題は個人が自立しないこと。誰にも依存しない、誰の支配も指図も受けないという誇り高い生き方ができないということだ。よりよい依存先(偏差値の高い学校、給料のよい会社、条件のよい配偶者等々)獲得レースが人生で唯一の関心事なのだ。政治への期待も当然どの党が一番依存できるかになる。
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どうして日本には深い教養を持ち、冷静で論理的な思考と判断ができ、人を説得する言葉の力を持った政治家が現れないのだ。国会はそういう人の集まりでなければいけないだろうに。
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高校に必修科目として「憲法」を置くべきなのだ。憲法史や比較憲法も含めて、日本国憲法の内容、意義、そして課題についてもしっかり教え、考えさせる。それだけで現在の公民系科目よりはるかに深く実践的に現代社会を学ぶことができるだろう。憲法改正の議論はそうした国民の憲法教養の上で行うべき。
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もちろん批判と悪口は違うけれど、政府や政治家に対しては悪口でも構わないと思う(程度の問題はあるが)。それが嫌なら政治家になどなるべきではない。かつ、悪口とテロは全く関係ない。悪口と暴力の間には千里の径庭がある。
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コロナ放置で高齢者から死んでもらう、福祉縮小で弱者から死んでもらう、困窮女性を叩いて困窮女性から死んでもらう。不作為の「集団自決」はすでに始まっているのだ。そうして健康な男女はいつでも首を切れる低賃金奴隷として富裕層の生活を支える。こういう国に未来がないのは火を見るより明らか。
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相変わらず9条の重要性を言うと、9条では日本を守れないという反応があるが、9条で日本を守れないなんて当たり前で、日本を守るのは理性的な外交とそれを支える国民の意志と、必要最小限の防衛力であり、その精神を明文化しているのが9条だということだ。
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妻の病院の面会が禁止になってからもう5か月になる。時々病院には行っているが直接顔を見られないので今どういう様子なのか分からない。感染者がますます拡大する状況では面会禁止の解除も見通しが立たなくなった。これでもコロナはただの風邪などと言われるとやはり腹が立つ。
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あらゆるスキャンダルを凝縮したようなオリンピックだが、これが現在の日本の姿なのだろう。金の亡者が金になりそうなアイテムを寄せ集め、かき集めただけの醜悪なイベント。規範、倫理、論理の欠片もない。それでもコロナがなければ盛況のうちに終了していたはずだ。コロナが本質を暴いてくれた。
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IOCの委員たちがここまで低俗な拝金主義者であるということが明らかになると、招致に際してもどれ程汚い金が流れたか、想像に難くない。
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ぼくは教育畑の人間だからどうしても教育から社会を見てしまうのだが、今のような教育を続ける限り日本の衰退は必定だと言わざるを得ない。既存の秩序に従うことを強要するばかりでは社会は縮小再生産されるだけである。どうして教師は生徒よ私たちを乗り越えて行けと言えないのだろうか。
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古市憲寿氏もそうだけれど、取りあえず左派やリベラルの言うことには反対するということをしていると、正しいことであっても左派やリベラルが言っているからやめておこうとなって、結果として間違ったことを選ばざるを得なくなる。
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もうちょっと世界に目を向ければ日本の異様さと、国力衰退の現実と、これから先の危うさに気づくはずなのだが、全く気づいていないか、あるいは薄々気づいてはいても、コロナと同じように自分だけは大丈夫だと思っている人が大半なのだろう。
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コロナでひとつ見えてきたことは、目先の金金金にこだわる政府は対応に失敗し、経済回復にも時間がかかるが、金より国民の命や生活を優先した政府はダメージも小さく、回復も早いということだ。金を産み出すのは国民の働きなのだから当然と言えば当然なのだが。
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高齢者や障害者が増えると持続できない社会というのは社会そのものの敗北だろう。人は何のために社会を作っているのか。
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いつも不思議に思うのは、日本にも優れた哲学、倫理学、社会学、政治学等の研究者がおり、日々活発な研究や議論、出版も行われているのに、それが実社会に何ら影響を与えないことだ。まるで全く無関係の2つの世界が同じ空間の中に同居しているような奇妙な感覚を覚える。
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すべての人の医療費は国家が最優先して支出するべき必要経費だろう。防衛費など優先順位はずっと下だ。
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米山氏とひろゆき氏の「論争」を見ていれば明らかなように、ひろゆき氏の万能感を支えているのはおそらくは金の力であり、少なくとも論理の力ではない。まさに現代の日本では論理より金の方が強いのだということを、落胆とともに実感させられる光景だ。
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政府が統計の数字までごまかしてGDPを高く見せようとしていたとするならば、この国の経済状況はそこまで悪いのだと考える方が自然だろう。本当はもう回復不能な状態まで悪化しているのではないか。まるでガン告知がまだタブーだった時代のように。
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憲法は絶対変えてはならないなどとは言わない。必要があれば改憲はためらうべきではない。しかし、改憲を議論するためには国民の憲法に対する深い知識と理解が絶対に必要であって、それなしに政治力で改憲などしてしまったら、それこそ取り返しのつかないことになる。現状はその条件を満たしていない。