1001
英米仏EUなどの市民革命を経た国々では、どんなに保守反動であっても市民革命以前に戻れという主張は現れない。しかし市民革命を経ていない国々では容易にそれ以前に戻れてしまう。ロシア、中国はその代表だが、日本も後者の側だろう。今そうした国々に必要なのは国民の「心の市民革命」だ。
1002
学問は普遍的真理に寄与するのであって、普遍的でも真理でもない時々の政府が批判の対象となるのは当然のこと。学問と政府のどちらが上位かといえば、言うまでもなく学問に決まっている。
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1003
日本が日本的なやり方でうまく行ったのは高度成長までで、バブル以降はそのやり方では生き残れなくなったのだ。しかし、そこに権力の根拠を持つ権力者たち(政官財)は、たとえ日本が没落し国民生活が破綻しようとそのやり方を変えることができない。本当の近代へ脱皮する以外に活路はないのだが。
1004
日本社会は本音を隠して建前で回っている社会である。自民党政治はその典型だが、政治とは関係ない世界でも本音は隠され、建前を繕うことで互いに納得してしまう社会である。だから一方で建前を引き剥がし、本音をぶちまけたいという衝動が起こる。日本社会が隠蔽しているどす黒い本音を暴くことで
1005
クレジットカード、プリペイドカード、交通系ICカード、キャッシュカード、デビッドカード、ポイントカード等々、全部一枚になれば便利だな、とは話が違うのだ。マイナカードの発行主体は政府。政府が国民の出生から死亡までの全私生活を管理できるようになることの問題性にどうしてかくも鈍感なのか。
1006
なんとか第三次世界大戦が避けられたとしても、世界は米欧を中心とする自由・民主主義体制と、中ロを中心とする権威主義・独裁体制の冷戦となるだろう。さて、日本はどちらにつくのか。
1007
「もし封建時代から継承された他力本願的な気持を清算できないならば、……明治憲法に比し飛躍的な近代的性格を持つ新憲法を時の経過と共に空文に葬り去ってしまうことが、決してないとは言えない」
これは75年前、憲法学者芦部信喜が23歳の時に書き、つい最近発見された遺稿(『世界』5月号所収)の
1008
世界は米・西欧を中心とする自由民主主義社会と中・露を中心とする反西欧的権威主義社会に分断されようとしているが、日本は国内は明らかに後者でありながら、国外に向けては前者であるかのような振る舞いをする奇妙な二重基準国家だ。この矛盾はいずれ自らを苦しめることになるだろう。
1009
医療資源を守るために感染しても治療の必要がない人は必要のある人に譲れと言うけれど、治療の必要があるかないかを決めるのが医療ではないのか。他の病気であれば「素人判断は危険、おかしいと思ったらすぐ医師に相談を」というけれど、それはコロナだって同じだろうに。
1010
人として自然に生まれ、生き、そして死んでいくことが守られる社会が最も正しい社会だろうと思う。人としての自然を抑圧し、変形し、否定することは、教育であれ、宗教であれ、思想であれ、政治であれ、経済であれ、全て間違っている。だからこの「自然」とは何かが問われることになる。
1011
日本で本当のことを言うと叩かれるか干されるか馬鹿にされるかしかないから、賢い人は本当のことは言わない。だから専門家の言うことは信用できない。
1012
日本の経営者や経済人て政権から距離を取ろうという考えはないのか。真のブルジョワなら政権に尻尾を振って仕事をもらうなんてことは屈辱だろうに。
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斎藤幸平氏の「脱成長コミュニズム」には本当に共鳴、共感するし、それ以外に人類が救われる道はないと思うけれど、そこに至る道程は明らかでない。結局はそこへ向かう持続する意志を持つしかないのだろうか。
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「戦後民主主義」を第二の「大正デモクラシー」にしてはならない。
1015
経済制裁というのも一種の戦争だから、すでに第三次世界大戦は始まっていると言ってよいのかもしれない。中国も参戦の意思があるようだし。本当に皆で止めないと、人類滅亡も絵空事ではなくなってきた。日本政府はどうするのだ。
1016
平和を望む日本国民が行わなければならないのは、ロシア・ウクライナの一方に立って戦争を煽ることではなく、双方とも即時停戦し、2022年2月24日以前の状態にいったん戻して、ロシア・ウクライナ双方の言い分を聞き、全ては話し合いで問題を解決せよ、という主張をすることだ。
1017
「戦争を起こさないように努力するべきだ」という言説も一見全うではあるが、いったん戦争が始まってしまえば、主戦論に転じない保証はない。いかなる戦争にも反対するという姿勢を貫ける日本人はいったいどれほどいるだろうか。しっかり見届けていたい。
1018
今のロシアを見ているとソ連とは何であったのかということを考えるヒントになるような気がする。共産主義という普遍的理想を掲げながら、結局は権威主義的独裁体制にならざるを得なかったのは、大ロシア主義というロシア・イデオロギーの存在抜きには考えられないように思う。
1019
世界で一番人を殺してきたのは共産主義だと吹聴している人がいるけれど、重要なのは誰が一番殺したかではなく、人を殺しやすい歴史的文脈に注目することであって、そういう文脈を再び作り出してしまったら、共産主義であろうとなかろうと、多くの人が殺される事態が生じることは避けられない。
1020
「余命投票」のような文字通りの「姑息」で非本質的な議論をするのではなく、遠回りでもきちんとした主権者教育と日常で政治的議論をすることを忌避しない政治風土を作る努力をしていくべきだ。これは自民党政権下では望むべくもない。野党や市民団体、メディア、教育者が率先して取り組むべき課題だ。
1021
口だけは威勢がいいけれど、先進国の中でネオリベ・グローバル競争経済で一番遅れを取っているのは日本ではないか。
1022
ぼく自身は自然死であれば、死はさほど恐ろしいとは思わない。寿命が尽きて死ぬことは誰も免れ得ないのだから。ただ自然死の前に外からの力で命を奪われることは苦痛と恐怖であるに違いない。病気、怪我、捕食、そして人、戦争。こうした死には全力を挙げて抵抗しなければならないと思う。
1023
いったいどういう社会が「よりよい社会」なのか、その根本に立ち返ってしっかり議論し直す必要があるのではないか。価値相対主義が定番化する中で、何がよく何が悪いのかを決めることにためらう風潮が生まれてしまった。そうしている間に、悪がどんどんはびこってしまったのだ。
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先進国の要件というのは経済的豊かさだけではない。全ての人権が保障され、教育のレベルが高く、文化や芸術も充実し、知的で穏やかで平和的な人々が秩序を守って暮らしている国。まあ、これはユートピアに違いない。しかし、そういう国を目指さずしてどうして本当の先進国になれるだろうか。
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「選択的」という意味が分からないのか、意図的に無視しているのか、あいも変わらずため息しか出ない。自分の家族は正々堂々断固として同姓を貫けばいいのだし、それを誰も止めろとは言っていないのだし。