お馬さんあるある。若馬に乱暴な乗り方をするスタッフ。勿論、騎乗停止。この馬が産まれてから今まで。関わった人達が積み重ねた信頼。それを貴方は今壊したんだよと説明。腐らず反省して一からやり直して欲しい。けど覚悟もいる。信頼を取り戻すには今迄の倍以上の時間がかかるから。そこは人も馬も。
お馬さんあるある。春は移動。初めての長距離輸送に挑む若駒達。熱発程度で済めば良いけど、怖いのは輸送性肺炎。出発前に抗生物質を打つ事も多い。発症すれば長期休養。今までの努力が水の泡に。デビューするってそれだけでも簡単なことじゃない。で、やっぱりこの一言に尽きる。「まずは無事に」
お馬さんあるある。春は抜け毛。手入れ中は抜けた冬毛がフワフワ漂う。マスク必須なくらい馬房が冬毛で充満する。空気乾燥して静電気もスゴい。服にビッチリとまとわり付く。冬毛にまみれ「全身毛だらけになっちゃった」と嘆く私。「惜しかったですね」とスタッフ。貴方の視線の先が気になるんですけど
お馬さんあるある。ヒンッ!と鳴くのは普通。発情激しい牝馬は一回り大きな声でパオオンッ!って吠える。その後に思い切り壁を蹴るまでがセット。触れるたびにパオオンッ!ドカン!の繰り返し。だから手入れ中はホントに騒々しい。担当者は大変。「ゾウじゃないんだから・・」呟く愚痴が虚しく響く。
お馬さんあるある。立ち姿の写真。全世界共通で決まってるポージング。まず四肢の位置を合わせる。次は左前方に視線が欲しい。見てもらいたい方向では皆で怪しい動き。帽子振ったり手を叩いたり。スマホで馬の鳴き声再生したり。だからあの写真、ウマ的には「キリッ!」じゃなくて「ん?」の表情なの。
お馬さんあるある。いよいよGW。馬は習慣の動物。非日常は苦手。サラブレッドは特に。知らない人が変な位置で覗いてたら緊張しちゃう。悪意なくても恐怖なの。その可愛いお馬さんの一生を台無しにする?みんなの夢をふいにする?だから撮影見学は必ず許可を取ってから。ふるさと案内所へTELしてね。
お馬さんあるある。30年馬に携わって一度も大怪我しなかった私が「死ぬかも」と思った瞬間3選。①発情した牝馬の手入れ中、壁に挟まれた時。②発情した牝馬のウラ掘り中、全体重を任された時。③発情した牝馬の体温測定中、フルスイングの蹴りが顔を掠めた時。つまり恋する乙女は人生狂わすという話。
お馬さんあるある。同時期入社の2人。超器用と激不器用。器用くんはみるみる上達。いつの間にか教えていない小手先の楽する乗り方も習得。成長もそこでストップした。不器用くんは叱られながらも愚直に基本的な乗り方を身に染み込ませた。今では馬を作れる乗り役として信頼厚い。つまりそういう事。
お馬さんあるある。春は恋の季節。普段可愛い牝馬も豹変。発情期は肉食系。積極的な受け入れアピール。新人スタッフは戸惑い照れる。おもわず視線をそらす人もいる。いやちゃんと見ておかないと。だからそういう意味じゃない。視線切らすと自分の身が危険なの。身体押し付けられたら圧死。ホントの昇天
お馬さんあるある。馬も犬や猫のように甘えてくる。顔を押し付けてきたり、もっと撫でてと顎で引き寄せてきたり。けど基本的マッスルが違いすぎる。結果として吹っ飛ばされたり血を見たりする事もある。勿論悪意がある場合もある。判断には経験が必要。私?某夫人が甘えてくるのでアザだらけですが何か
お馬さんあるある。ダートのレースで聞く「(馬が)砂を被るのを嫌がる」。少しだらしない様に聞こえる。けどコレは言い方が悪い。実際は「被る」なんて愛嬌があるものじゃ無い。何故平気な馬がいるのが不思議なくらい。大谷翔平が砂を握り至近距離から顔面に叩きつけた時と同じ衝撃と痛みよ(当社比)
もうCMずっとこれで良いよ。 「そろそろ走りまーす」って呼ばれて、なんとなく勿体ぶって、一番最後に休憩室へ入って行った、あの頃を思い出す。 twitter.com/jrafun_officia…
お馬さんあるある。ファンの方が垂涎の眼差しで見つめる関係者エリア。憧れの調教師、イケメン騎手がすぐそこに。実はここに堂々と入る方法がある。それは学生馬術部に入部する事。なんと公認バイト先が競馬場。この春学生になる貴方。馬術部おすすめ。因みにバイト代は馬の飼葉代として吸い取られます
お馬さんあるある。人を落とすというスキルが異常に高い馬がいる。重心をズラした瞬間に尻っ跳ね。空中で背中をクイっと丸めてダメ押しのプッシュ。綺麗に空へ弾き飛ばす。落とした後はその場に仁王立ち。また跨るまではジッと待ってる。そして再び奥義炸裂。そんな馬に上手い人が乗ると。何もしない。
お馬さんあるある。馬に出会えた人はラッキー。こんなにデカくて筋肉隆々でラオウ並みの破壊力あるのに、あんなに優しくて受け入れてくれてトトロ並みの包容力もある。しかも非日常感強め。仕事で携わっている人ですら。だから依存しちゃって良いし、自慢しまくって良いし、人に教えてあげても良いよ。
お馬さんあるある。労使問題。それぞれ立場がある。一概には言えない。当事者が発信するのはいい。けど当事者だからこそ発信できない立場の人もいる事を忘れちゃいけない。競馬を愛する気持ちは一緒だろう。見える情報に苛立ち誰かを叩くより、信じて推移を見守ろう。そして今日も推し馬を愛でに行こう
お馬さんあるある。「理不尽」が許せない人。正しいのかもしれない。でも結局ストレスも溜まる。そこで馬がお勧め。だって自分で飼い葉桶ひっくり返して怒るし、水桶にウンチして飲めねぇって怒るし、壁を蹴っ飛ばして音にビックリして怒るし、行動がほぼ理不尽。でも全然許せる。寛容性が爆上がりなの
お馬さんあるある。パドック。皆んなの批評が聞こえてくる。悪意のある言葉を使う人は嫌。適切な診断してる人はオヌシナカナカと思う。けど一番「ですよねー!」って思うのは「可愛いー!」とか「綺麗ー!」とか「愛に溢れた言葉」なの。いつでもパドックが愛に包まれた優しい空間でありますように。
お馬さんあるある。馬のいるところに遊びに行くんですけどお勧めの格好ってありますか?との質問。別に無いけど、逆にお勧めしない格好はある。フード付きのパーカー。馬にとって遊びやすい位置。何より咥えやすい。咥えたらブンブン振ってみたい。リアルてるてる坊主したい方はどうぞ。昇天できます。
お馬さんあるある。屈腱炎。治療法はあるし休ませれば炎症はいつか治る。怖いのは調教を再開してから。細心のケア。それでも毎日祈るような気持ちで脚元に触れる。キャンターまで進めた時の高揚感。強目を再開する恐怖感。レース後1週間は再発しない事をひたすら願う。それがずーっと続くのが屈腱炎。
お馬さんあるある。競走馬の蹄鉄は3週で打ち替える。たまに2週の馬もいる。一般的に古鉄は普通に破棄してリサイクル。以前チャリティーオークションでアーモンドアイの蹄鉄がなんと850万超え。3週毎に世に出る物が、と思うと煩悩暴発。このニュース見た某夫人「エルコンとフェスタの蹄鉄・・」コラコラ
お馬さんあるある。騎手。身体の成長期に食事制限という苦行を完遂。アブミ履かなくてもモンキーできる脚力。手綱切れてもキャンターできる体幹。でもモデルより足が細い。握手が痛い。酔うと腕相撲したがる。ご飯奢ってくれる。骨折多いが復帰も凄く早い。バランボールに立ってキャッチボールできる。
お馬さんあるある。獣医。どんな時も慌てない。うるさい馬にもビビらない。あまり寝てない。結構気さくな人が多い。英語の文献を普通に読めちゃうスキルが似合わない。補液中、身の上話をするので人間関係詳しい。緊急時に現れると後光がさしてるように見える。ホントに残念ながら馬に嫌われやすい。
お馬さんあるある。馬の担当が変わって注意事項引継ぎ。「すげー回してきますよ」え、何?羽生結弦?平野歩夢?ひょっとしてDJ?ふざけたコト言ってると大怪我する。答えは「回し蹴り」。横への攻撃範囲がとてつもなく広い。安全な位置にいても刈り取られる。グラップラーなお馬さんがたまにいるのよ。
以前、馬への恩返しって具体的に何をしてるの?のご質問をいただきました。 その時には書かなかったのですが、ひとつ取り組んでいることがあります。ツイートやウマ関連のニュースで訃報を目にした時、当方で勝手にお経をあげて御弔いをさせていただいております。 ほぼ自己満足の行為であり(続く)