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『#全裸監督』賛否両論あるようだが、自分は終始表情を変えず、死んだ目をした山田孝之の演技に瞠目した。実際の村西とおるはもっと表情豊かだったと思うが、あのサイコパス的な解釈をほどこした役作りは、氏の本質に迫っているのではないだろうか。
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ビデオのない時代、地方にいた自分は深夜の『ウルトラQ』再放送を観るため、小型テレビを抱えて標高1000mの山でテントを張り、隣県の電波を受信してノイズまみれのペギラと遭遇した。後年、この話を縁あって桜井浩子さんに報告し、その労をねぎらってもらったとき「我が人生に悔いなし」を実感したよ。
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『クロコダイル・ダンディ2』を観ていない友人に「ダンディ、最後は死ぬんだよ」と公開当時ウソを教えたら、昨日すごい剣幕で「騙しやがったな貴様!」と怒られた。31年間もウソをつき通した俺も俺だが、31年目にしてようやく『ダンディ2』を観るオマエの初動の遅さは、はたしてどっちが罪深いのか?
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意外な収穫の仏版『シティハンター』。原作のライトな下ネタが『パンツの穴』領域にまで拡大し、忘れて久しい漫画実写化の理想ともいうべき鈴木則文テイストなアプローチ。山寺&沢城コンビも神谷&伊倉リスペクトが効いていて、芸達者な吹替が作品の旨味を引き立たせる好例だ。cityhunter-themovie.com
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映画『龍三と七人の子分たち』の取材時「僕の親があなたのファンで、くれぐれも失礼のないよう念を押されました」と言うと「失礼を承知で訊くのがあなたの仕事だ。顔色をうかがう必要はないよ。ご両親によろしく」と答えた藤竜也さんの言葉が、今の自分の職業意識とダンディズムの基準になっている。
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ウイルス蔓延による世界的パニックは小松左京の描く世界だと思っていたが、政府がすったもんだのあげくマスク2枚で事態を収拾しようとか、だんだんと筒井康隆な様相を呈してきた。
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いまNetflixで観られるヒッチコックの『めまい』(58)は、ロバート・A・ハリスとジェームズ・C・カッツによる1996年の修復版ではなく、2013年にカンヌ映画祭クラシック部門で披露され、「午前十時の映画祭」でも上映された4Kデジタル復元版。この機会にぜひご覧を。netflix.com/title/1089727
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三池崇史監督がブリュッセルのファンタスティック映画祭に『殺し屋1』で参加したとき、垣原アニキの口裂けメイク姿で作品を観に来た「ものすごいバカ」(監督談)がいたそうで、それがイーライ・ロスだったというのは猛暑を吹き飛ばす感動的な話。
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シネコンがどんなにガラ空きでも、なぜか隣に座るヤツ。自分も経験あるんですが、最初は痴漢目的かと思ったら、どんなに隣に人がいようとオレ(わたし)はココ!という、死守すべきポジションを持っている人がいるんですよ。むしろ向こう側からすれば「なんでお前がオレの横にくるのか」なんですよ。
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こうして歴史は捏造されていく。というか酷評する同業者ってそんなにいたか? 自分語りと衒学めいた論説に陶酔してた奴はそれなりに見かけたが。 twitter.com/rairai345/stat…
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現在大ヒット上映中の『ようこそ映画音響の世界へ』、監督のミッジ・コスティンに尾崎が取材しました。自身が音響編集者でもある彼女から、シネマサウンド史における重要な証言の数々をいただいております。テキストが長大ではありますが、ぜひ一読を。 cinemore.jp/jp/news-featur…
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『ワンダーウーマン 1984』国内試写鑑賞者のレビューがチラホラと散見されるが、配給元と宣伝側の意向により、同作はレビューの明確な解禁日が設けられていたはず。なにフライングしているのか。守秘義務の誓約書にサインしているのだから、最低限の約束事は守るべきでは?
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最近SNSで悪目立ちする、95~96年放送の『新世紀エヴァンゲリオン』を「アニメ版」と称する風潮に自分も歯止めをかけておきたい。後年に発表された複数の映画版も総じてジャンル・表現手法は“アニメーション”なのだから、区分するときは「テレビ版」もしくは「TVアニメ版」とするのが適切かと。
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緊急の告知にて失礼します。わたくし映画評論家&ライターを営んでいる尾崎一男ですが、現在所沢公立昭和病院に搬送され、緊急治療入院しております。さいわい快方には向かってはおりますが、仕事上の関係者様には追って連絡差し上げので、情報拡散していたたけますとありがたいです。
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7年前、アレハンドロ・ホドロフスキーに「『デューン』が企画倒れになり、さぞ無念なのでは?」と訊いたら「いや、おかげで伝説になったし、形がないから批判も受けない。しかも設定等を「メタ・バロンの一族」に流用しているから、ちゃんと昇華されているしね」と、さっぱりした口調で言われました。
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我々マスコミが新作映画に酷評を呈するとき、公開から2週間は控えるのが業界促進の観点から半ば義務だったはず。なのにパブリシティから画像素材まて借りておいて口汚く罵るのが今のやり方なのか? 本人はさぞ「忖度せずに物申してやった」といい湯加減だろうが、そこにあるのは不快感だけだ。
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ミラ・ジョヴォヴィッチの長女が流暢な日本語を披露したことが話題となっているが、その背後には、
「子育て優先の生活で、近年は大好きなゴジラ映画を観ることもままならないんだよ」
というパパさん(ポール・W・S・アンダーソン監督)の献身や影響があることも忘れないであげてください。