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ジョブスがソニー好きってエピソードは色んな所で聞くし、アップルは80年代からソニー製の3.5インチFDDを使ってたし、何ならMacBook出す前の時期、VAIOにMacOSインストールしてたって逸話も残ってるぐらいである。gizmodo.jp/2014/02/t_23.h…
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IT系で言うと、IBMみたいな会社(日立とか富士通とか)やfacebookみたいな会社(mixiとかGREEとか)も、インテルみたいな会社(ビジコン社や一時期のNEC)すら、少なくとも「生まれない」ことはないのに、逆にオラクルやSAPみたいなグローバルに成功するソフトウェア会社が生まれてないのは気になる。
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「アップルみたいな会社がなぜ日本に生まれないか」みたいなこと言う人たまに見ますけど、音楽やゲーム楽しむコンパクトな機械作って、それらが流通するメディア握って、世界に先駆けて合金製薄型ボディのパソコンも作ってたソニーという会社が「なぜ今アップルじゃないか」を考えた方がいいのでは。
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長めの文章を書くのに必要なコツは「ボケとツッコミ」みたいな感じで「語る側と質問する側」を脳内に併存させることである。1時間一方的に話し続けられる人はいないけど、1時間インタビューに応じられる人がいるのと同様で、「手短な一言での回答」と「読者が一番疑問を持つところ」を往復させるのだ。
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同様に「近々子どもが生まれるんですが何かアドバイスを」と言われた時には、「子どもはすぐお腹壊したり、肌荒らしたりするんで、整腸と保湿の準備は怠らない方がいい」って具体的な対策グッズのamazonページを毎回伝えてるんだけど、この重要な情報の価値も多くの新米パパどもがスルーしがちである。
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別の若者から以前、「ウィスキーの美味しい飲み方を教えて下さい」と言われたので、「マメに水分取りながら、大好きな人たちとガハハって笑いながら飲むと美味しいよ」って返した際にも微妙な表情になられた。水の比率とかグラスの形状より絶対こっちの条件の方が大事だろうに。
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以前若者から「近々結婚するので何かアドバイスを頂けませんか?」と言われたので、「とにかく食洗機とかルンバとかとか、家事の手間を節約する投資をお互い惜しまないとよいよ」と返した際、微妙な表情を浮かべて帰られたことに対して未だに納得できていない。このへんマジ大事なんだって。
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自分が知る限り一番大規模な双子研究のメタアナリシスだと、「高い知能を持つか」に対する遺伝率(遺伝による個体差の説明力)が54%、家庭環境の説明力が17%って結果だったので今twitterで出回ってる「知能の7~8割は生まれつき」説はデータ古くないですか?ってなってる。nature.com/articles/ng.32…
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「最近の若者はキレやすい」みたいな直感に反して、少年犯罪の統計見ると1960年代半ばは(人口10万人あたりで)現代の4倍ぐらい暴行で検挙された少年がいるし、1981年もなかなかの値である。店員にキレてる年長者たち、「この当時高校生ぐらいだった人」と考えると合点がいく。kangaeru.s59.xrea.com/toukei.html#hi…
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何かを「知ってる」と「理解してる」の大きな違いはその柔軟性である。「知ってる」だけの人はそれを説明する際にコピペのような正しい記述を繰り返すのに対して、「理解してる」人は相手の前提知識や好みに合わせて何通りでも説明の仕方が思いつくし、逆に何と説明すると間違いかの判断もつく。
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欲求段階説で有名なマズローは「ハンマーを持つ人は全てが釘に見える」という警句を残してるそうなんですが、一般的に人間が何かしらのスキルを身につけることは素晴らしい一方で、どんな課題を前にしても「有効性問わず覚えたスキルを使うこと自体が目的化してくる」という人は一定数存在してる。
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データ分析の仕事について自分が「一休さん」と呼んでる症状なんですけど、
分析屋さん「なるほど!ではまず、明確な経営課題の指示と整理済みのデータを下さい!」
クライアント「それらが揃ってたらわざわざ君を呼ばん!」
みたいな対立を色んなところで聞く。
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より正確に言うとSPIみたいな認知能力テスト単体での予測精度と、(「何となく志望動機を聞く」みたいな)非構造化面接と認知能力テストを組み合わせた場合の予測精度は「ほぼ一緒」というレベルである。それより「仕事の一部切り出して試しにやらせてみる」ことを組み合わせた方がいいそうだ。
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「何となく志望動機を聞く」系の非構造化面接の非効率さが常識になって、応募者が面接官のどうでもいい質問に対して「一応答えますけどそれ聞いて何になるんですか?」「そんな非効率な採用活動している御社ヤバくないですか?」とか堂々と逆に質問できるような世の中になってほしい。
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Googleの人事責任者の本でも引用されてたし彼らも実際その方針取ってるらしいんだけど、過去85年分の研究整理した結果「何となく志望動機を聞く」みたいな構造化されてない面接って大して採用後のパフォーマンスを予測できないというエビデンスはもっと世に知られるべきだ。citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/downlo…
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意外に初等教育でプログラミング覚えさせるベストプラクティスは学校におけるITへのアクセシビリティだけ整備した上で全く学校でプログラミング教えず、「宿題をIT駆使してズルく解いた子を賞賛する」ことではないかと。怠惰で短気な子ほどズルいソリューションに到達してどんどん宿題を効率化しそう。
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あとPerl開発したラリー・ウォールも言うようにプログラマーの美徳は「怠惰・短気・傲慢」なので、初等教育の思想的なプロトコルをこっちサイドに寄せてこないと、最悪の場合「本来向いてたはずの子がプログラミングを嫌いになる」という結果にもなりそう。
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「子どもたちがプログラミング学ぶとよい」という話には同意するけど、「だから学校で先生が教えよう」という考え方はITの良さに真っ向から対立するような気がしてる。これだけ国内外に無料でプログラミング学べる良いWebサービスがあるのに、なんで専門外の人間に教えたり評価させたりするの?と。
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エンジニアが「めちゃくちゃ難しいし面倒だけど理論上不可能ではない事」を「技術的には可能」と答えると「じゃあやって」てマネージャーや顧客に返されてしまう問題、自分は代わりに「無制限にリソースつっこめば可能ですよ」て答えてる。こういう相手は大抵HowじゃなくHow muchを考える立場なので。
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多くの人はそう言われると断念するけど、逆に大抵の人類が思いつく製品は理論上「無制限にリソースつっこめば可能」というところに勇気がわきませんか。そういういくつものアイディアの中からたまたま技術の進歩によって「あ!今なら案外現実的なリソースで!」っていうのが新事業のネタになると思う。
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アメリカの経営学者が書いた本の中で、「優秀な人を引き抜いたのに期待ほどの成果をあげない」という現象が紹介されており、理由は「前職場でサポートする人たちあっての好成績だったから」だったそうだ。我々が「すごい個人」と認識してる人もただ「すごいチームのフロントマン」である可能性がある。
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OECDのレポートに目も通さずに少子化問題に対して「女性の社会進出が~」とか、「若者が草食系だから~」とか、「アニメやマンガの影響で~」とか言ってる「有識者」は、一体何を識ってるんでしょうねー。
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なお「公的保育サービスの定員が今の倍」も「子供の有無で可処分所得が変わらない」も何ら非現実的な目標などではなく「OECD諸国のいくつかは既に達成済み」という水準である。
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10年前ぐらいのOECDのレポートで既に、日本が取るべき少子化対策は「公的保育サービスの定員数を今の倍ぐらいにあげる」「現金給付や税控除を通して子供がいようがいまいが可処分所得が変わらないようにする」という二点で、これ実現できれば出生率2.0になりうるという推計がなされてる。
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詳しい話は『経済政策で人は死ぬか』という本読んで欲しいんですけど、世の「貧しくても心豊かに」みたいな話は幻想であり、貧困やそれもたらす経済崩壊はリアルに人の死亡率や精神疾患の発症率を増やしうる。産業政策もましてや保健政策も「ちゃんとしないと人が死ぬ」って危機感持って決めてほしい。