976
「痛いときは「痛い」と言って下さいな…
例え人類最後のますたぁだとしても、「痛い」と言ってよいのですから
だからお願い、わたくしに嘘は言わないで…」
「うん、わかった、めっちゃくちゃ痛い
いっそ気絶したいくらい」
「それでよろしいのです、もうすぐ援護が来ますからね」
977
「拙僧が、拙僧が地獄にお供いたしまするぞ〜!!」
「いいえ私と一緒に冥界にくるのだわ!」
「戦士なら大歓迎だ」
「ええいせっかくのしんみりムードが台無しではないか!まったく
この者の周りは死んでからも騒がしい!
余は独りであったからな
どこへいくにも賑やかが一番良い
後は、頼んだぞ」
979
「………来年はチョコも新しくなるの
毎年毎年同じものでは ね
嘘じゃないわ うそじゃないの
私は魔女じゃないから嘘はつかないわ
とてもがんばりました
見た目はよくないけど すごいの
なんどもなんども失敗したの
きっとおいしいはずだわ
だから食べて
食べて
食べてくださいな
おねがいよ… 」
980
「たすけて、たすけてぇ!」
「ほらほら、逃げ」
グシャ
「ひいっくそっなんで」
「そら、鬼やもん」
グチ グチュ
「本当の鬼も知らんで、よおあの子らに石投げよったねえ、
たっぷりおしえたるさかい、うふふ、アハッ、アハハハ!」
981
その日は日曜日
だが水面化の聖杯戦争による
緊急事態で休校が続き、臨時登校と
教室に入った頼光の目に飛び込んだのは
「おかあさんいつもありがとう」
の文字
子供達が作ったのだ
「…令呪を使われなくて良かった、ふふ、
でも本当は貴方達を守ってあげたかった
ごめんなさい」
バーサーカー、脱落
982
ある日レイシフトから戻ると
カルデアの様子が少しだけ違っていた
配置も、職員の様子も、サーヴァントたちも、そして待機していたマシュも
信じられるのは共にレイシフトしていた五騎のみ
何があったのか?そもそもここはカルデアなのか?みんなはどこだ?お前は誰だ?
「亜種特異点 カルデア」
983
「緊急隔離だ」
「本当に風邪のような症状だ、命に別状は全くないだろう」
「しかしおかしい、あのシュメル熱すら罹らなかったマスターが、しかもマスターだけが発症するなんて」
「原因をつきとめ直ちに滅菌しなければ
大丈夫です、貴女の命を奪ってでも、救ってみせる」
「……あ、ありがとう…」
984
「アステリオス行くわよ!女神を待たせる気?」
「アステリオスあそぼー」
「一緒にお茶会に来てくださらない?」
…
「アステリオス!召喚に応じてくれてありがと!」
「流石バーサーカー強い!」
「肩車たかーい、わーい!!」
…
「おもいだせないけど、これでよかった
むねのなかが、あったかい」
985
「でもマシュの姿をしてたのに躊躇わず撃てるなんて、流石だねナイチンゲール」
「…目も治療した方がよろしいのでしょうか、『アレ』がマシュに見えたのですか?」
『バーサーカーの目にうつるもの』
(本当は何だったんだろう…でも真実が怖くて聞けない!)
986
戦闘中口の中を切った
生臭さに耐えられず溢れた血を吐き出した
「ゲホッ」
「マスターどうしたんだ!?」
高杉晋作が血相をかえて駆け寄る
「口の中切っただけ、大したことないよ」
「…そうか、そうかそうだな!ははは!じゃあさっさと行くぞ!」
(はあ、そういえば…僕はサーヴァントだったな)
987
ゲオルギウスが召喚
「さて、何を触媒に召喚を…」
幼い少女が持っていたのは、一枚の写真
そこにはゲオルギウスは写っていない
カルデアの皆と藤丸立香が写った集合写真
「おばあちゃんの若い頃の、友達との写真だって」
「ああ…懐かしい
これは私が撮ったものです、どおりで召喚されたわけです」
988
「俺の宝具も本当に切り札でしか使わないしな」
「打ち出す側の私も謝られますね、マスターは本当に『命の価値に区別なく』なのですなあ」
「あー面倒くさ!第3スキル使うだけで声震わすのうざっ!」
「…なんだかんだであなたマスターを1番心配してますよね」
「は ぁ ?」
989
「その忠誠、騎士として称賛いたします
しかし戦いは戦い!ここで倒させていただく!」
「なんの!生き汚なさこそ拙僧の真骨頂、相性不利?
呪と呪厄で削り切ってしんぜよう!
さあさあ道満の大一番、マスターとくとご覧あれ!」
「令呪を持って命ずる、道満!勝って!!」
「はい、マイマスター」
990
その後カルデアでは
毎月その日にパンケーキを焼いて部屋を飾り
顔も影も見えない異界の主人を招くようになった
サーヴァントにも好評のお祭りのようになったが、1つだけ厳格な決まりがあった
「もし声が聞こえてたら
内容に関わらず
いまはまだ行けませんと
必ずその場で声に出して断わること」
991
「だめだったね」
「だめでしたね」
「攻め込んだけど皆全滅 立て直しも不可能」
「令呪のあった腕は千切られて」
「私も決戦の損傷で」
「あと一日もたないね、私達」
「はい」
「…無責任だよね、皆ごめん」
「マシュ、手 握ってくれる?」
「はい」
「じゃあ行きますか」
「はい、先輩」
992
「髭が無いとお若く見えますね」
探偵がにこやかに話しかける
「見える?本当に若いんだ!ピチピチの20代だぞ!?」
「それにやつらのほうが…まるでっ
子供のようではないか!」
新所長は言葉を詰まらせて、ぷいと顔を背けた
マシュとぐだこちゃんはお互いの髪をいじりあっている
ある穏やかな日の話
993
「…なんで普通に言わないんですか」
キャスターアルトリアは問う
他のサーヴァントに折檻されたオベロン
「フンッ
アイツの怪我を我慢したヘラヘラ顔も、
気づかず呑気してる馬鹿共も、
アイツの言葉を全部信じる愚か者共も、全部癪に触っただけだ
あー気持ち悪っ」
そういってペッと血を吐き捨てた
994
「ええ、母ですよ?」
そう笑う頼光はあまりにもあの人に似ていて
……
「娘に手をあげるなんてっ!」
ズシャ
「私の娘をよくも!」
グシャ
「はぁっ、はあっ、あの子は私が守ります
絶対カルデアに来られるように
邪魔な者は、いりません
…父親に疎まれ追いやられるのは私だけで充分」
995
「「「キアラ様!キアラ様!キアラ様!」」」
「うふふ、あははは、これで魔力には困りません、全て私のために!」
……
「全くもって言葉も出ん、あんなに巨大に膨れ上がるとはな!
そして俺はやる気は全くない」
「そう言わずになんとか頑張ろう、アンデルセン」
「フン、変わらないな藤丸立香」
996
「緊急治療!この熱は非常に危険な状態です!はやく!!」
「酷い嘔吐と痙攣だ!すぐに〇〇を投与!」
「先輩!先輩!」
しかし、治療のかいなく目は覚めなかった
「…〇〇という病気だろう
彼が以前命を落としかけ奇跡的に回復したという」
「今になって何故…彼の話と関係があるだろうが」
997
しかも倒れず消えたという
カルデアベースに戻ると
坂本さんの隣にはいつものお竜さんがいた
不機嫌そうにくるくる回っていた
「お竜さんじゃないお竜さんがリョーマとお前を助けた 」
「いや お竜さんなのは形だけだ 変なやつだ」
ひとしきり回り終わった後俺に向かって
「お前気をつけろ 生臭いぞ」
998
マシュ以外全滅
マシュも限界、盾も振れない
そんな時ムシュフシュが
今彼女が毒を喰らえば、そう思ったら体が動いた
迫る角を令呪の無い方の腕で
「先輩!」
「毒は効かない!マシュ、今!」
なんとか倒した 止血すればカルデアまでは持つ
「泣かないでマシュ
これが2人で生き残る1番の方法だった」
999
カルデアに来た頃は腹が裂け
手足がもげてもなんとも思わない戦いぶりを見せていたサーヴァントたちが
徐々に出来るだけ怪我をしないような戦法に変わっていった
「うちらはかまへんのやけどねぇ」
「サーヴァントだしな」
「でもなぁ、あの子らが」
「あんな顔するなら、まあ、気をつけましょう」
1000
「以蔵!酒ばっか飲んでると思ってたけどやるじゃん!」
「うるさいのう小癪なガキ!」
「お弁当あるよ〜」
「お、ええのお!」
…
大きくなってから知ったけど
ぐうたらしてると思ってた親戚の以蔵は、実は凄腕SPだったらしい
「それにしても、親戚の中でなんで以蔵だけ土佐弁なんだろ…?」