2
5
6
@_t0da_
「マスター あれはだめなのよ
あれはね 混ざってしまったの
混ざって混ざって もう何もわからないけど、ただひたすらこっちに来たくて堪らないんだわ」
「だから絶対開けてはだめ」
7
あれの名前をよんではならない
親と 友達と 家族と思われるから
窓際に人形を置いておけばそれを連れていく
9
10
@_t0da_
そもそもこのカルデアはセイレムに行っていない
エクストラクラス自体が一騎もいなかったはずだ
それなのに、
そもそもここは本当にカルデアなのか?
居なくなったのはフジマルリツカだったか?
私は誰だ?
11
@_t0da_
「違うっ 違う違う違う!!
私はっ 私は先輩を探しにきたんです!
先輩っここは特異点 カルデアなんかじゃないんですっ!そこにいるのは先輩の家族じゃないんですっ!!
どうして忘れていたんだろう
先輩っ 先輩っ!!」
「本当に悪い人 あなたは家族にはなれないわ」
12
13
14
15
@_t0da_
「…一瞬で制圧された
マーカスとシルビアは目の前で…ああ思い出したくもない!
マシュが食い止めてくれたおかげで食料庫に隠れられたが…
ここはしばらくは持つだろう…
さっきまでうるさいくらいだったサーヴァントとの交戦の音がしなくなった
もうカルデアは終わりだ」
16
@_t0da_
「1月10日
外は相変わらず静かだ
たまに何かを引きずる音と、変な歌が聞こえる
まったくあのガキ!なんてもんを呼び出しやがったんだ!
あいつがアビゲイルの姿をしている以上、正気喪失のスキルを保有している可能性がある
歌を聞かないようにしなければ…」
17
@_t0da_
「1月11日
外は静か たまに歌
食料は心もとない
通信は繋がらない
あたまがおかしくなりそうだ…!
ドンッ!ドンッ!
!?
だれだ?あいつじゃない
変な歌をうたってる
ここはもうあぶない
奥の格納庫にいく」
18
@_t0da_
「1月12日
外は歌
ここは寒い
外はたのしそうだ…
あの歌…きいたことあるってずっとおもってた…
歌ったんだよ
小さい頃
歌はみんながうたってる
マシュやフジマルの声も聞こえるぞ
ぶじだったのか
よかった
…ここはさむい…
さみしい…
外はたのしそうだ」
19
@_t0da_
「1月13日
外はにぎやか!
ぼくもはやくいかなくちゃ
ガタガタッ
ガチャ
ひろげよーおーぼくらのゆーめーを
とどけよーおーぼくらのこーえーを
さかせよーおーぼくらのはーなーを
せかいにーにじをかけよー
ララララーラ ラーララララーラー
ララララー
20
@_t0da_
1月14日
カルデアからの通信を受けた部隊が到着したが
建物内にはただの1人もおらず
このテープが格納庫にあるばかりであった
カルデア内は成分不明の黒い液体で汚染されており、酷く劣化していた
特に洗面所は
推定300年以上経ったような状態だった
21
22
23
@_t0da_
職員がカルデアのデータベースで調べたところ、該当のサーヴァントはすぐに見つかった
フォーリナー
アビゲイル・ウィリアムズである
しかしながらその後まもなくあった彼女のピックアップに、マスターは一言だけぽつりと零し、全く興味を示さなかった
「この子じゃない」
24
@_t0da_
「悪魔の最大の芸術とは、
自身を悪魔だと悟られないことである」
職員は次第に事の重大さに気づいたが
人理修復をし始めたばかりのカルデアには、
洗礼詠唱を扱えるサーヴァントはおろか、聖人のサーヴァントすらもいなかったのである
事態は緩やかに進行していった
25
@_t0da_
時が過ぎ、人理修復の最中にジャンヌダルクを召喚し、取り急ぎ洗礼詠唱を行なったものの
終わった後、彼女は職員らに首を振り、こう告げた
「あれは我らの主の御手の内にはありません。信じたくありませんがあれは異形の、異界の
悪魔であり、また神そのものなのです」