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7日目の夜が明けた時
「もう大丈夫です」
天草は微笑んだ
レイシフト先で厄介なものに目をつけられていたらしい
「皆が手こずるって相当だよね」
「はい、我々の信仰の外のものでした故
説得に時間が」
「しかし謝らなくてはなりません」
頭を触ると髪が半分の長さに
「それでようやく手打ちでした」
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「ひさしぶり!」
「頑張ったなあ」
「さあこちらへ!」
「いえこちらへ」
「私達と共に」
「こっちです!」
「いやこっちだろ!」
「「「「ムキーーーー!」」」」
「みんな、喧嘩しないでねえ〜」
…
「ばーちゃんどこ連れてくかでケンカしとる、あはは!
…友達沢山でよかったな、ばーちゃん」
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「あなたのご家族、殺しても?」
「いやダメだよ!道満は極端!
施設も入れてくれたし、面倒見て貰ったよ」
「財産狙いでございます」
「それでもだめ!」
「ムムッ、こんなことならさっさと殺してマスターの後見人になっておけばよかった」
「また悪い事考えてる!でもありがと
手出さないでくれて」
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聖杯種火種火種火聖杯種火種火種火聖杯種火種火聖
「ぬあ〜〜〜!食べきれませんぞ!!!」
「必要量が多くてさー胸焼けしてない?」
「なんの!平気ですぞいくらでも!
これでもっとお役に立てますな!」
「いつもありがとうね!」
「まあ、拙僧多才で有能ですからな
あーっはっはっは!!」
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病室には髪の毛一本残っておらず
結局『病死』と報告書に記載した
その後彼女は今まで通り自由奔放に過ごしている
しかし違うのは、彼女のコレクションが1つ増えたこと
雅さも希少性も無い、凶骨にも劣るような薄い骨
たまに彼女はそれに酒を注ぐらしい
「死んだら下戸もなおったやろ?」
おわり
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マスターの髪と爪から毒物反応が出て大騒ぎに
調べると彼女の歯ブラシ、化粧水や枕にまで
あらゆるところに塗布され混入していた
犯人は職員だった
「効かないんだから!どうせ効かないんだからいいじゃないか!」
お気に入りのサーヴァントとマスターが親しくするのを妬んでの憂さ晴らしだったらしい
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「皆ありがとう、でも俺が愛人めっちゃいるって誤解され…」
「あんなに昔バレンタインにチョコやお返し貰ったんやから、ね」
「遺言残したのにあんな揉めるとは…」
「貴方の善性は殆ど遺伝しなかったようで…でもほら、お孫さん泣いてますよ
おじいちゃん、バイバイって」
「うん、バイバイ」
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「おいヘビ女!おまんも同じ考えか!!」
「…お竜さんは乗り気しないぞ
なあお前、白い鱗まだもってるか?」
「うん」
「それ使え、そしたらお竜さんは一度だけ世界の敵になってやる
約束したからな」
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「道満がついてくるって言った時はビックリしたけど、悪さしないし良い子じゃん!」
「当たり前です!それにせっそ、私のショートカット、似合ってございましょう?」
「うん!イケメン」
……
「次のニュースです〇〇大学の教授が…
……
「△に勤める〇〇さんが変死で発見…
『あなたを守ります』
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「いや無理無理無理!!」
「そんなあ、ちゃんと持って参りましたよ?魔術師の令呪がある方の腕」
ボロン
「ギャーーーーー!!」
「それに聖杯戦争ですから、遅かれ早かれ藤丸立香であるあなたさまは巻き込まれますぞ?
さあいますぐ契約!契約を!」
「押し売りだあ〜〜!!」
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まずい、まずいといいながら彼女は骨と肉を食べ続ける
「や、やめろ!」
あまりの事にマスターが止めようとする
すると
「旦那はん、邪魔したら
あんたはんでも手加減できへんよ
いねや!!!」
普段ならありえない彼女の語気に肝をつぶし、全員部屋を飛び出した
誰も彼女を止められなかった
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@_t0da_
「1月11日
外は静か たまに歌
食料は心もとない
通信は繋がらない
あたまがおかしくなりそうだ…!
ドンッ!ドンッ!
!?
だれだ?あいつじゃない
変な歌をうたってる
ここはもうあぶない
奥の格納庫にいく」
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「あ、いま閻魔大王様がついに地獄追放を命じられました」
「そんなリアルタイムで!?」
「これ以上地獄を荒らされては困ると」
「それでその男と母は天界に?」
「いや、その男は残るようですな
お母様は説得なされてるが聞かぬ様子」
……
「だーかーら拙僧は行けませぬ!」
「道満のわからずや!」
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「傷を塞ぎ、この建物の者を皆殺しにしてどこへなりとも行きましょう!」
「私との契約は終わったのに、どうして来てくれたの?」
「拙僧は忠臣ですからな、令呪?契約?必要ございません」
「そうだよマスター」
「そうですわ」
「来たぜマスター」
サーヴァントが集う
「また旅の始まりですな!」
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「婆ちゃん!やるねえ!…でも何故かアンタの事は嬢ちゃんと呼びたくなるな」
「クー・フーリンさん!色々お世話になりましたが真剣勝負です!」
(ゲッ、真名バレてら)
…
「あたた、腰が」
「先輩!抱えます」
「お姫様抱っこ…申し訳ない」
…
「犠牲は最小限に、この戦争を止める!」
「はい!」
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「ごめん、ごめんね、痛いよね」
(なんでサーヴァントに謝るんだ?このマスターは、変なの)
…………
「私の指示が悪いせいで、ごめんね」
(こんな顔、見たくない
いや、私がさせない
マスターには笑顔が似合うんだから)
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「サーヴァントを喚べ!」
「そんなの無理だよ、お姉ちゃん〜!」
「スネフェル•イオテル•ナイル!!」
…
「お姉ちゃん!うわーん!!」
「私のように兄弟の復讐者にならずよかった、仲良く過ごしませい」
「耳のお姉ちゃんはなんで布かぶってるの?」
「メジェド神ノケシンデス フケイデスヨ」
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「ほら、クロワッサンが焼けたしカルボナーラは出来たぞ!食べるだ!」
「凍ってたから熱々がしみるなあ〜」
「…罪悪感が凄い」
「あっ、撃たれた穴から出てきた」
「うう…」
…
「さあ、行こうぜ新所長!」
「君達と同じ所には行けん」
「いや、来て毎日料理を作るんだ!」
「…フフ、仕方ない」
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オベロンと周回
お陰で絆が急上昇
「戦闘でしか絆が上がらないなんて最高だね!もう古参の皆を追い抜いた!
どんなにカルデアベースで仲良しこよしでも、関係ないって訳か、アハハ」
「……」
「泣きそうな顔するなよ気持ち悪い
『サーヴァント』に肩入れしすぎなんだよ、お前」
『戦う為のもの』
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「来てくれるのは嬉しいけれど、多すぎるのだわ!」
エレシュキガルはお疲れ
「こらお前さま方早すぎるでち!とにかく実況ばかりしてないで、朝餉をたべるのでち!」
紅閻魔は大忙し
「座れよ、疲れているんだろう?
いや、多いな
戦士は良いが、流石に多すぎるだろ」
思わずツッコむテスカトリポカ
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「わあ、ここにはこどもがたくさんいるんだね!」
ジャックはそう笑った
勿論生きてる子供ではない
マシュ以外の被験体のことだ
「でもわたしたちとは違う
かなしいも、くるしいも、かえりたいも
なにもないんだね」
それを聞いたマシュは泣き崩れた
「みんな【人間】になる前にしんだんだね」
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サポートを借りクエストクリア
ポイントを渡して帰そうとすると
「あの 連れてって下さい」
「何を、君のマスターが待ってるだろう?」
「いえ 私のカルデアは先程滅びました 帰る所はありません」
「連れてって下さい 連れてって」
「いいえ 然るべき所に還りなさい」
「そうですか 呪いますので」
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藤丸立香は、消えた
世間はあっという間に忘れ去った
「命まで捨てようとしたのに哀れなもんだな」
「一緒にいてくれるんだね」
…
どこかの国のどこかの場所
1人の日本人が銀髪の男と暮らしていた
「う〜ん、のどかだ
オベロンありがと
ご飯にめっちゃ蠅たかる以外は感謝してる」
「一言多いんだよ」
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藤丸立香には子供がいる
「きっと奥さんの連れ子なのね…」
「反抗期で大変そう…」
「さっさと服屋行くから荷物持ちで来いっつーの!」
「はいはいバーヴァン•シー」
…
「この靴似合う?」
「捻りそう」
「分かってねえなあ!!」
…
「マスター!」
「分かったアーチャー!!」
900
「子供から金取るほどせこうないわ!」
「おちゃかい、いぞうさんもきてよ」
「わたしたちもいくんだ!いぞーもお菓子たべよ?」
「たのしそうだわ!色々お話し聞かせてちょうだい?」
…
「おかしとらないで!」
「こらケンカすな!…なーんか昔を思い出すのう
人斬りよりももっと前の…子供ん頃…」