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職員が藤丸立香宛のチョコを盗んだ
始皇帝からの仙丹
「…これで!」
それを飲んだ
「馬鹿な事を!」
他の職員に詰られてもこれで不老不死と笑う
「えーそなたが飲んじゃったの?」
と、始皇帝
「対象が違うと効力がなぁ
毒耐性もないし」
苦しみ出した職員
「やはり有害だったようだな!はっはっは」
777
たびたび墓は不思議な事に
ある時は墨まみれ
ある時は酒でベタベタ
ある時は蝶がびっしり
…
同時に墓には供物が沢山
ある時はヒマワリ
ある時はメロン
ある時は溶けないアイス
「立香さんが入ってからだ…狙われてるし守られてるのお…」
…
「きょうもまじゅつしきた!」
「ええいしつこい!」
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怖い女に追われる夢を見て目覚める
体が動かない
金縛りだ
胸が苦しい
暗闇に目を凝らすとジャックが乗っていた
「重いよ…」
彼女達はニッと笑って
「おやすみ、おかあさん」
と残して去った
目の端で追うと彼女の刃から血が、ぽたりと落ちた
「やっつけてくれたのか…」
悪夢も見ずに朝まで眠った
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「霊も拙僧の華麗な除霊シーンもバッチリ、撮れ高撮れ高♪
しかし懸念が」
「何?」
「このままでは日本中の主要な心霊スポットを除霊し尽くします
そこで拙僧名案!
わざと化物を放ち除霊する!永久機関ですな!」
「自作自演じゃん!」
「バレやしませんぞ、これで億万長者ですなあーっはっは!」
780
ぬいぐるみ、なんだか不気味なのでお焚き上げに寺へ
数日後電話
「あのぬいぐるみ…
まず一体、熊のですが
女性の霊、しかも神霊が憑いております
羊のも神気が強い…残りは互いに戦い合い、お堂がボロボロです
申し訳ありませんが引き取ってください」
母さん、アレは何なんだ!!?
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「わああああん!えぐっ、酒呑!
吾は鬼!こんなことで泣くなどっ泣くなどっうええっ」
「はいはい、ええ子ええ子、
鬼はやりたいようにやればええ
泣きたい時には泣けばええ」
(茨木…その職員、食えずに損したいうならともかく…
ほんまに難儀な子やなあ)
782
「私はランサーのマスター 藤丸立香のクローン」
「私はセイバーのマスター 藤丸立香の…」
「…藤丸立香のクローンだけで聖杯戦争をさせ、高みの見物ということですか
皆様も考えは同じですな?」
「あったりまえだ!仕組んだ奴全員ころす!」
「あの方を侮辱した者に死を!」
英霊達は団結した
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「いっつもさあ、
ニコニコしながらお菓子持ってきてくれて
私が食べるのをじーーっと見てたんだよね
美味しかった、本当に美味しかったんだよ……
いつかマシュとも食べたよね」
「はい、とても、美味しかった、です、グスッ、どうして…」
「私のこと、ずっと嫌いだったんだろうなあ」
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酒呑童子が敵の宝具で吹っ飛ぶ
しかし
「戦闘続行」
敵は倒れた
「大丈夫?ありがとう」
彼女の方を向こうとすると
「ええから前だけ見よし、振り向いたらあかん」
結局帰還するまで振り返らず戦闘した
後に映像を見ていた職員に聞いた話
彼女は胸から腹が裂け、自分の首を抱えて歩いていたそうな
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「しかしおどろいたよ
一年後のおれはアビゲイルを引いているのか?」
「ええ!ええ!勿論!
今から半年後にピックアップがあるの!そこで何人も何人も私をよぶの!」
そりゃすごい
それで悲しんでる過去のマスターにチョコを渡しにきたのか
でも、友達がいっていた
アビゲイルのチョコと
形が違うな
786
「かわいそうに 食わせてもろてないんやねぇ」
「…」
「お母はんと2人なんやろ?甲斐性なしやねぇ」
難しい言葉、でも母さんをバカにされた気がして言い返した
「あらぁ 立派やわぁ偉いなあ」
「偉い子にはご褒美や」
出されたのは血の光る生肉だった
「ぼんは刀使えへんから、先に切ったったわぁ」
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@_t0da_
「1月10日
外は相変わらず静かだ
たまに何かを引きずる音と、変な歌が聞こえる
まったくあのガキ!なんてもんを呼び出しやがったんだ!
あいつがアビゲイルの姿をしている以上、正気喪失のスキルを保有している可能性がある
歌を聞かないようにしなければ…」
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「帰りたいよ会いたいよ…うう」
(やはりマスターといえど辛く、親が恋しいか…そして他のサーヴァント、特にマシュ殿には悟られたくないよう)
「…よし、ありがとう、まだ頑張れる」
(虚像と分かっていても縋らないと折れそうとは、全く)
「いつでもどうぞ、あなたのサーヴァントですからな」
789
「道満!大丈夫だった!?」
「普通に致命傷でございまする!まあガッツもございますし、サーヴァントですし、平気ですがね
…御身は1つだけですので、どうか大事になさってくださいませ」
(道満だってそういうとこあるじゃん)
「なにかおっしゃいましたかな!?」
「…ゴメンナサイ」
790
2週間後事件が起きた
僕を苛めてた3人が【通ってはいけない道】の分岐の先にある祠を蹴り壊した
「罰当たりが!」
村の大人は異常に信心深く口々に3人を親子共々責めたてた
いじめっ子達は泣きながら
「俺じゃない!」
「金髪の恐い女の子にやれっていわれた!」
と騒いでいたが、相手にされなかった
791
先輩は私を自由にしようとしてくれたんですね
私、囚われてなんかなかったんですよ?
この先どんな人生を歩むかは私にもわかりません
でも確かなのは
本来私が死んでたあの時、手を握ってくれたのは先輩でした
「冷たくなりましたね」
あの時はあんなに温かかったのに
「私、ちゃんと生きますから」
792
「先輩!お久しぶりです!」
「マシュ、元気そうだね」
「はい!」
「おっほん!」
「あ、ゴルドルフ所長!」
「もう所長はやめたまえよ
普通ならたかが夢と一蹴する所だが、藤丸の夢は洒落にならん!早速…」
「ゴッフ、なんか体積増えた?」
「こら!そういうこと安易に人に言ってはいけません!」
793
下総がトラウマで酒呑童子を召喚しない藤丸
苛立った酒呑好きの職員
石を盗み見事召喚した
「あら?あんたはんがうちのマスター?」
「そうだ、俺が呼んだんだ!」
「あっそう」
酒呑は職員の首を刎ねた
「うち、あんたはんの妾になるんやのうて、人理守るために来たんや
鬼にも鬼の道理があるんよ」
794
「肉も焼かないと…」
「生で平気や
あんの牛女、バクバク食べてピンピンしとったさかい」
口に入れた肉は生臭かった
肉を食わせられる日が何日か続いた頃
「まぁそろそろ頃合いやね」
「ぼん ほなまた」
気がつくと見知らぬ道路にいた
交番に駆け込む
3日しか経っていないつもりが1ヶ月経っていた
795
幸い後遺症もなく回復した2人は
口を揃えてこういった
「夢をみた」 「夢を見ました」
見知らぬ古い家屋で
焼きたてのパンケーキを3人で食べるそれは楽しい夢だったという
3人?
「はい、私たちの他に1人女の子がいたのです」
「でもどうしても、その子の顔だけは2人とも思い出せないんだ」
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茨木童子を可愛がってた職員
わざとではなかったが、彼女に怪我を負わされた
「ふ、ふはは!」
笑うも唇は震え目は白黒
「吾は鬼!人なぞふ、踏みにじるものよ!」
酒呑童子が目を見据える
「しゅ、酒呑」
「奪うのも殺すのもええ
せやけど、自分に嘘はついたらあかんで?」
茨木童子はワッと泣いた
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「各自詠唱は?」
「〇〇〇による福音書第△節までです!」
「こっちは〇〇経半分くらいまで!」
「聖水は!」「塩と酒!」
結局追い出された
寂しい 寂しい
「あ」
あそこのカルデアはマスターの魂がからっぽだ
もう一年はかえってないみたい
「あそこなら、きっと」
「私のカルデアになってくれる」
798
「厄介だ」
「厄介だな」
「あんなにそっくりにしたのに」
「形だけじゃない、匂いも気配も魂の形まで何もかも!」
「まったく、バーサーカーはこれだから厄介だ
まったく常識が通用しない!」
「さあ、治療を開始します!」
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「もしもし道満?なんか私鉄乗ったら変な所ついちゃった、き、さ、ら」
「きさらぎ駅ですな!拙僧迎えに行きますから!」
…
「夜の山道でテン…メツ…ソウ…って聞こえるんだけど」
「急急如意令!!逆にはいれた!」
…
「あなたの巻き込まれ体質は健在ですな…」
「ありがと?」
「褒めてませぬ!」
800
頼光が暴走した
「私は!母なのです!!」
誰も手をつけられない
そんな時茶々が前に
「危ない!」
「うんうん、そなたは良き母じゃ」
そう言い背を伸ばし抱きしめた
「そうなのです、私は母なのです、なのに」
「わかっておる、そう泣くな」
(いい子、しかしなんと、なんと酷く哀れな)