1001
ニトクリスが召喚
目の前には布を被った子供
「何故?」
「私の母は藤丸立香、私は長女
兄弟達が触媒にって連れてかれた!母が貰ったサーヴァントの贈り物も全部
でも母が、布を被ったサーヴァントがいたって、だからその縁で」
「不敬な…しかし私と違い兄弟はまだ間に合う、早く救いにいきませい!」
1002
「サーヴァントを喚べ!」
「そんなの無理だよ、お姉ちゃん〜!」
「スネフェル•イオテル•ナイル!!」
…
「お姉ちゃん!うわーん!!」
「私のように兄弟の復讐者にならずよかった、仲良く過ごしませい」
「耳のお姉ちゃんはなんで布かぶってるの?」
「メジェド神ノケシンデス フケイデスヨ」
1003
藤丸立香は孤独死
市町村で火葬にする筈だった
ところが
「実は母がいました」
「もう1人母が」
「むすめたちが」
「姉」
「おばあちゃま」
結局お寺での葬式に
…
「今までほったらかしなんて酷い家族ですね住職」
「お前ホント…視る目ないな…今回の葬式、半端にやったら首飛ぶからな」
「えっ」
1004
「この葬式、誰が参列しても絶対驚くなよ」
「はい…?」
…
ポクポク
(住職、角や尾がはえてるモノが!!)
(だから驚くなって言っただろ未熟者!)
ポクポク
(住職、殆ど裸の者や水着の者達が!!)
(だーかーらーいちいちうろたえるな!)
(住職、ロボットが!!)
(お前ホント…)
1005
「あの和尚さん、私が死んだ時なんですが」
(お金の相談かな)
「裸に火燃えてるだけとかマイクロビキニの女の人沢山くるけど驚かないで」
「…なんて?」
「あと私天涯孤独ですが伴侶や家族を主張するものも来ますが大丈夫なので」
「大丈夫なの?」
「あと動物やロボも来ます」
「大丈夫なの!?」
1006
「あと、十字架つけてたり明らかに異教徒の人も来るんですけど大丈夫ですか?」
「それは向こうさんが大丈夫ならいいけど」
「あと神様も来ます」
「いやそれこそだいじょばなくない?」
「仏教関係者も来ますので」
「なら平気か」
「具体的には三蔵法師も来ます」
「いや全然平気じゃなかった!!」
1007
「今回の葬式、お前は来るな」
「何故です」
「未熟者故、発狂するだろう」
「いえ、私も行きます!」
…
ポクポク
「いあ、いあマスター、ふふ、来たわ」
「ふんぐるいむぐるうなふ、ああ天子様」
「ふんぐるいふんぐるい、ますたあ殿来たぜ!」
…
「縺弱c縺ゅ≠縺九≠」
「で、弟子ーー!」
1008
「むしろあなたが無事な方が不思議なんですけどぉ」
「藤丸さんから色々聞いておりましたからな」
「あなたを発狂させたくなってきました…ウフフ」
ガバッ
「やめなさーい!!」
「わーーー!?藤丸さん生き返った!
逕溘″霑斐▲縺滂シ」
「あ…」
「マスターが最後の一押ししてどうするんですか」
1009
藤丸立香には3人の子供が
2人は実の子 1人はドラコー
立香が老衰で死ぬのを子供とドラコーは見届けた
…
子は結婚し子供が
ドラコーは少女のまま彼らとも遊び、また看取った
…
百年たっても子孫は続き、全てを獣は看取り
肖像画にはいつも少女も描かれた
『藤丸一族の側にいる金髪赤目の獣の少女』
1010
「おぎゃあ、うぎゃあ」
「ドラコー遊ぼう!」
「ドラコー宿題見てよ!」
「ドラコーあっちいって」
「就職で悩んでて」
「好きな人ができたんだ」
「子供が出来ない」
「楽しいわ!」
「夫が死んだの…」
「…私が藤丸家最後の1人、これで絶える…ごめんねドラコー」
「何を謝る、余は幸福であった」
1011
藤丸立香は石のペンダントを
「ただの石だけど大切な贈り物なの」
ママ友は
「あんだけ大切にしてるのは高い物の証拠」
こっそり盗んだ
…
「かえさないのか」
「私の!」
「かえさないのか」
「嫌」
「なら悪は…裁かれなくては」
…
「あれ〇〇ちゃんママは?」
「そんな人幼稚園にはいないわよ?」
1012
墓で酒盛りする女性を発見
「流石に注意するか」
近づき気づいた
(迂闊…人ではない)
「和尚はんもどない?般若湯」
「僧侶ですので」
「いけずやなあ」
「藤丸家の墓で何を?」
「最近ここに入った立香、下戸やったんや
死んだら下戸もなおるやろ?」
鬼の盃は立香の頭蓋骨だった
『鬼の献杯』
1013
藤丸立香は非道な実験で死亡、遺骨は触媒として世界中に
召喚されたサーヴァントは怒り狂い、その度遺骨を墓のある寺に納めた
「この間は角と尾のある少女、去年は着物の大男
住職、藤丸立香さんとは何者なのです?」
「詮索するな、ただ墓守をせよ
彼らはただあの方の死後の安穏を願うだけなのだ」
1014
「賽銭泥棒が来なくなりましたね」
「…ハア、当たり前だ
なぜここから藤丸さんの遺骨が盗まれぬと思う?
ここ自体が段々と聖域となりかけている
見張りがいるのだ
遺骨を盗む不届き者と、我らが墓守をきちんとしてるか、を
これからも毎日絶やさず経と香をあげる
少しでも怠ければ我らの首が飛ぶぞ」
1015
「バーヴァン•シーへ種火を与えるのをやめなさい」
「…娘が可愛すぎて過保護になってしまうのお!戦場出したくないぜよ」
「でも…!うう」
「…強なってお母ちゃんの隣並びたいんじゃ!」
「…わかりました、先程の発言
撤回します」
…
「またイゾー翻訳機にされてるぞ」
「大人気だね以蔵さん」
1016
「以蔵、ハベトロットの所に行きなさい」
「何じゃあ?」
…
「ほら!今度はスーツじゃない洋装にしてみたんだぜ!クレーンとの自信作さ!」
「まっこと洒落とるのお!じゃが金が…」
「QPならモルガンさまが払われました」
…
「以蔵さん、いいねその格好」
「マゴにもイショー、いやイゾーだな」
1017
母の遺言は奇妙だった
「紙や石はガラクタと思っても捨てるな」
「高価そうに見えてもピアスやブレスレットは売るな」
「ぬいぐるみはお焚き上げするな」
「丸い粒のチョコは食べるな」
…
ぬいぐるみは子供にあげた
たまに視線を感じるし、子供が誰もいないのに喋ってる
母さん、アレは何なんだ?
1018
ぬいぐるみ、なんだか不気味なのでお焚き上げに寺へ
数日後電話
「あのぬいぐるみ…
まず一体、熊のですが
女性の霊、しかも神霊が憑いております
羊のも神気が強い…残りは互いに戦い合い、お堂がボロボロです
申し訳ありませんが引き取ってください」
母さん、アレは何なんだ!!?
1019
藤丸立香は
「世界を救ったヒーロー!?」
と一躍時の人
しかし相次ぐ誹謗中傷
挙句の果てに捏造スキャンダル
誰かの為じゃない苦痛に藤丸立香は耐えられず、ポッキリ折れた
飛び降りたその時
「君は消費され尽くされる運命なのか?」
王子様が抱き止めた
「着地任せたって言えよ、クソッタレ」
1020
藤丸立香は、消えた
世間はあっという間に忘れ去った
「命まで捨てようとしたのに哀れなもんだな」
「一緒にいてくれるんだね」
…
どこかの国のどこかの場所
1人の日本人が銀髪の男と暮らしていた
「う〜ん、のどかだ
オベロンありがと
ご飯にめっちゃ蠅たかる以外は感謝してる」
「一言多いんだよ」
1021
「八尺様って知ってる?でっけー女なんだって!」
小学校で流行ってる噂
ある日遊んでると上から声
「もし、水を飲まないと熱中症になりますよ」
「ない」
「未開封です」
飲み物を貰った
「ありがと…」
その人は、塀よりもずっと大きかった
「八尺様…」
「はて、拙僧約6.5尺ですが」
『6.5尺様』
1022
「ぽぽぽって鳴くの!?」
「ンンンンン〜?」
「…なんか違うや
子供を連れ去るって本当?」
「いいえ、まあ、将来的に連れ去られますがあなた」
「?」
…
カルデアで召喚された道満
「あー!6.5尺様だー!」
「相変わらず変わったお方だ
ポポポポポ〜!!あれ、なんか混じってます?」
1023
金が惜しく母の葬式に坊さん呼ぶ気なかった
のに
勝手に来た
「懇意でしたので」
めちゃくちゃデカくてムキムキな男
「私もご縁が深かったので…」
綺麗な尼さん
「拙僧も」
普通の坊さん来たと思ったら槍持ってた
「私もー!!」
水着着た女の人じゃん
「え、何者?」
「「「「僧侶ですが?」」」」
1024
「金ならねーぞ!」
「布施なら生前藤丸さんから頂いておりまする」
「絆ってやつでね!」
…怪しすぎる
蔑ろにしたバチが当たったのかも
今からでもマトモな坊さんを呼ぼう
「無理です」
「何で無理なの!?」
「いやそこにいる方々と一緒に読むの畏れ多すぎます」
こいつら一体何なんだよ母さん!
1025
「友達から寄木細工の箱貰った!」
「コトリバコですな」
…
「友達と地方にバイトに行くんだ!」
「リゾートバイトだけはやめなされ」
…
「無理矢理誘われて立ち入り禁止の所いったら腕6本あるのいた」
「姦姦蛇螺ですな、話つけておきますから」
…
『怪談に巻き込まれる藤丸立香と、頭の痛い道満』