926
母が亡くなった
「お金もないし坊さんとかいっか」
葬儀の日誰も呼んでない筈なのに騒がしい
「拙僧法師陰陽師なので!」
「槍ばかりであったが拙僧が!」
「あたしがやる!み仏パワー全開で!」
「祈りましょう、ジャンヌ、マルタ、ゲオルギウス様!」
「はいヨハンナ猊下!」
『盛大に送りたい』
927
「おはな、いれる」
「良いわねアステリオス、光栄に思いなさいマスター?女神が花を手向けるなんて」
…
「皆ありがと!賑やかで楽しい!」
「宗教的にははちゃめちゃですが…」
「カルデアでも皆仲良かったじゃん、同じだよ
あと、息子確かに愚息なんだけど、手出さないでね」
「「「ギクッ」」」
928
「しにたい」が口癖
出来もしない癖にと虐められた
嫌になる、本当「しにたい」
…
目の前でガス爆発
人が折り重なり血がスカートに染みる
いやだ、「しにたくない」
「…喚ばれてしまいましたか」
御伽噺から来た様な女の人は、私を見つめそう言った
『しにたい女子高生とシェヘラザードの聖杯戦争』
929
彼女の故郷に遊びに来た藤丸
大歓迎
食事も沢山
「おいしい!」
何故か不思議がる村人
「いいや、やっちまえ!」
縛られ地下牢に
「縄緩いな…よいしょ」
「贄が逃げたぞ追え!」
「慣れてるからなあ」
「生捕りにしろ!」
「礼装持ってきて良かった、ガンド!」
「ぎゃあ」
『藤丸立香因習村破壊編』
930
「彼女を助けないと!」
「来ないで!生贄連れてきたら優遇されんのに台無しよ!」
「そんなあ〜」
…
「あれ、何で酒呑童子の像が?」
「ご本尊に触るな!祟られろ!」
「祟るの?」
「祟らへん、というかうちの名つかって生贄とか、癪にさわるわあ」
「誰だ!?」
「あんたはんらの『ご本尊様』や」
931
日常に戻った藤丸
これからどうしよう
「拙僧にいい手が!」
…
YouTube
『心霊スポット除霊企画!』
「ムリムリ」
「胡散臭」
「てか先生イケメン」
「と、いうわけで今から〇〇病院の除霊をしますぞ〜助手の藤丸くん、よろしく!」
「はい、蘆屋先生!」
『YouTuberで生計を立てる藤丸と道満の話』
932
「霊も拙僧の華麗な除霊シーンもバッチリ、撮れ高撮れ高♪
しかし懸念が」
「何?」
「このままでは日本中の主要な心霊スポットを除霊し尽くします
そこで拙僧名案!
わざと化物を放ち除霊する!永久機関ですな!」
「自作自演じゃん!」
「バレやしませんぞ、これで億万長者ですなあーっはっは!」
933
YouTuberの藤丸と道満
炎上して謝罪動画
「やっぱインチキだったか」
「嘘臭いと思った」
「実は拙僧の最近の除霊は召喚した悪霊を自分で祓っておりました…」
「は?」
「そっちの謝罪?」
「あと助手の藤丸君が霊媒体質なのも嘘で拙僧が取り憑かせてました…」
「藤丸君逃げて」
「ヤバすぎて草」
934
「このままだと日本の悪霊いなくなる
自演しようって…嘘ついてごめんなさい」
「日本制圧」
「伝説だろこれ」
「俺も悪霊とか色々憑いてんだけど、それは祓っちゃダメだから違うの憑けて貰って」
「祓っちゃダメな悪霊って!?」
「コイツも一般人のフリしてやべー」
「この先生あってこの助手だな」
935
藤丸立香が危篤
親族はカルデアからの財産の相続で大揉め
訪問者が
美しい男女子供が沢山
「愛人家族と子供か?」
「お金など、私は主人の最期を看取りに」
「うちもや」
「わたしたちも」
「葬式代惜しいならあたし達が出すよ」
「知ってます?聴覚は最期まで残るのです」
『お疲れ様、マスター』
936
「皆ありがとう、でも俺が愛人めっちゃいるって誤解され…」
「あんなに昔バレンタインにチョコやお返し貰ったんやから、ね」
「遺言残したのにあんな揉めるとは…」
「貴方の善性は殆ど遺伝しなかったようで…でもほら、お孫さん泣いてますよ
おじいちゃん、バイバイって」
「うん、バイバイ」
937
平和になりケーキ屋を始めたマシュと藤丸
時折不思議な客
「お酒入ったけぇき、あらへん?」
(酒呑童子だな)
…
「うむ、腕を上げたな」
「エミヤに言われると嬉しい」
「なっ!?バレて!」
(バレバレ…)
…
「ン〜美しき菓子!蹂躙の時が待ち遠しい!」
「道満でしょ」
「変装しましたのに!」
938
「でも皆さん変装してまで買いに来てくれるの、嬉しいですね!」
「どうやって買いに来てるのかは謎だけどね…」
チリン
「いらっしゃいませ!」
「けーき、ください、ぼくと、エウリュアレと、ステンノと、メドゥーサふたりのふたつ、あれ、おかね、たりない?」
「おまけするから持ってって!」
939
慎ましやかに2人でケーキ屋をやっていたマシュと藤丸
「いらっしゃいま「来たぞ雑種!!!!」
「「王様!?」」
「ケーキとやら、庶民の食物であろうが良い!献上を許す!」
「はい、どうぞ…」
「うむ!店ごと買い上げだ!ウルクに早速一号店、次々展開するぞ急げ雑種!」
「「えーーーー!?」」
940
「フハハ!これで完璧よ!」
「私達としては小さなお店で良いのですが…」
ボカンッ
「あーゴメンナサイ、こいつ徹夜続きでハイになってるみたい、駄女神だなんだいって…って
キラキラ宝石みたい!これぜーんぶ寄越しなさい!」
「はい、お買い上げありがとうございますイシュタルさま…」
941
霊能者になった藤丸立香
(悪霊が、払いますぞ)
「悪霊退散!」
「体が軽い!」
…
(生霊に取り憑かれてますな)
「生霊退散!」
「頭痛が直った!」
…
(…この方、霊ではなく内臓の病ですな)
「病院に行きなさい」
「ありがとうございます?」
…
「おかげで治りました藤丸様!」
「…よかった」
942
「こいつが憎い、呪ってください、殺してください藤丸様!」
「…それだけはできません」
…
(拙僧の力ならすぐ呪殺出来ますのに)
「分かってる、それでも道満には人を呪って欲しくない、人を救う陰陽師として一緒にいてほしい」
「…承知いたしました、マイマスター」
943
戦闘中
「下がりなさいバーヴァン•シー
邪魔です
マスター、彼女に待機命令を」
「…ごめんなさいお母様」
「あームズムズする!言葉が足らん!赤い嬢ちゃん脚怪我しとんの隠しとるき、マスター治療させ!敵はこっちが宝具でやる
危ないから下がりや!これでえいがよ」
「以蔵さん翻訳ありがとう!」
944
「アホのわしでもわかる!お互い想い合っとる!ええから言葉にせんか!」
「なっ」
「お母様に無礼な口聞くなコラ!」
「なんじゃあ!?」
…
「言葉を…多く…
バーヴァン•シー、いつもありがとうございます、私は幸せです、愛してます」
「おおおおかあさ
バターン
「バーヴァン•シーが倒れた!」
945
父の遺体は検体となり帰って来ず
理由は不明
50年後
ある夜血塗れの若者が
書類と父の遺体を抱え来た
「荼毘に伏しなされ」
さっそく寺に連絡
和尚は遺体と若者を見て
「…死してなんと残酷な運命
よくぞ連れ帰った、人ならざるお方」
「中々の目をお持ちで
貴方に弔われるマスターは幸運ですな」
946
「貴方程の法力を持つお方を見過ごすほど耄碌してはおりません
どうか不肖私と共に弔ってくだされ」
「承知を」
男はボロボロの着物から右肩を出した着物姿に
…
「あの男は何者だったのです?」
「お父様はな、人ならざるものと縁を結ばれ
死後も使われておった
それを救おうとされたのだ、あの方は」
947
サラリーマンの藤丸
「今日も契約取れなかった…」
「明日凄い社長が来るらしいよ!」
(平社員の俺には関係ないか)
…
「やあ藤丸君!つまらなそうな顔だなあ!」
「高杉さん!?」
「会社ごと買収したぞ!今日から君は高杉重工の社員、おっと社長秘書に引き抜きだ!楽しんでくれ!」
「えーー!?」
948
「何でいるんですか!?」
「君のあまりにつまらない人生を見てたら居ても立っても居られなくてな、来た!」
「そんな無茶苦茶な…」
「無茶苦茶で結構!
ちなみに阿国君もいるから秘書は2人だな」
「はあ、引っ張られて来てしまいました最悪でごぜぇます…」
「ザァン…」
「た、大変だね」
949
藤丸立香は普段はうだつの上がらないヒラ警官
「藤丸鈍臭いな〜」
「…ごめん」
…
「藤丸君、来たまえ」
「はい」
「変死死体が出た、体中に謎の札と噛み跡、君の分野だ」
「分かりました」
(頼むね、道満)
(勿論!呪ならお任せあれ!)
『警視庁特別捜査官(機密:超常現象担当)の藤丸立香』
950
(杜撰、札の字も乱れておりまする、おそらく見よう見まねで行った素人、痕跡からすぐ辿れますぞ)
(わかった、こっちはちゃんと繋がるように証拠を集める)
…
「人を呪い殺した!俺は特別なんだ!」
「逮捕する!」
(愚かな…呪殺など素人でもできる
呪い返しや救う方が何倍も難しいですのに)