676
「獣のマスターとして、戦え!」
「えっえっえっマシュは?ここはどこ?戦うって何で?」
「しっかりせよ!」
「だってわかんないもん!冬木とか言うとこの奴やっと解決して
それで!オルガマリー所長が!だから何のことだかわかんないよ!
何人類悪って!ねえ!助けて!」
『新米マスター』
677
「なんでシャドウサーヴァントがあんなにいるの!なんで私たちを攻撃するの?
うああああああん!!」
「まったく…これがいずれビーストを倒す藤丸立香とは思えんな…」
「だって献血してたらいきなり連れてこられて!分かんないよ!もう!」
678
初召喚が道満
冬木のスケルトンは即死
「道満最強!道満いれば大丈夫!」
不利なクエストも皆勤賞
……
キャメロット
ガッツを使い切り血塗れの道満がガウェインと相対
「相性も悪い、勝ち目は無い
何故向かってくるのです?」
「…マスターが拙僧を信じているからです」
『最強のサーヴァント』
679
「その忠誠、騎士として称賛いたします
しかし戦いは戦い!ここで倒させていただく!」
「なんの!生き汚なさこそ拙僧の真骨頂、相性不利?
呪と呪厄で削り切ってしんぜよう!
さあさあ道満の大一番、マスターとくとご覧あれ!」
「令呪を持って命ずる、道満!勝って!!」
「はい、マイマスター」
680
「道満怖い」
霊基保管庫に封印したマスター、カルデア襲撃で致命傷
血塗れで這う前方に道満
「緊急事態故出て参りました!どうなされました?」
「助けて…」
「しかし種火も貰っていない身
敵1人倒せませぬ…
悲しいですがここでマスターを看取らせて下さいませ、ヨヨヨ」
『貰った分しか返さない』
681
誰もが召喚された道満を疑った
「監視が必要」
「リソースをあげるのは待て」
でもマスターは
「召喚に応じてくれたから大丈夫!」
聖杯まであげた
マスターが負傷
「ンフフ、哀れなマスター…
必ずカルデアに生きて帰還させますぞ!
この愛されし道満が必ずや!」
『愛してくれてありがとう』
682
「この呪殺、やはり道満殿が…」
「おおおそろしや!やはり晴明殿に嫉妬して」
「そうに違いない!」
……
「道満、いくよ!」
「頼りにしてるからね!」
「…牙を抜かれたと思われましたかな?
いいえ、いいえ、牙は研いでおりまする
マスターの敵を屠るために!!」
683
その道満は聖杯を上限まで貰った
「行くよ道満!」
「はいマスター」
……
強敵と戦闘
マスターが重傷
道満も満身創痍
「…かつてリンボというモノがおりました
愛を知らず無様に敗北致しました
しかし拙僧は違う!マスターから多くの愛を受け取った!
負ける道理はございませぬ!」
『愛を知る獣』
684
「なに?今ならビーストになれるのでは、と?
獣は単独で降り立つ者
拙僧生憎独りで進むつもりはございません
この心は、マスターに差し上げました
何故って?
あの方が全てくださったからです
拙僧が知らなかったものを全て
だから拙僧も全て差し上げるのです
…当然でございましょう?」
685
何かあると道満が疑われる
「アイツに違いない」
「前科もある」
…
「道満真犯人分かってるんでしょ?」
「拙僧が被れば全て収まります故」
「それやめて」
「なら道化衣装は脱ぎ捨て全裸になりましょう!」
「それもやめて」
道満は、藤丸が懐いていた真犯人の職員を庇ってた
『マスターの為なら』
686
ナイチンゲールに病室へ監禁された
『失意の庭』の事が知れたからだ
「戦わなきゃだから出してくれないかなあ」
「いけません!貴方は精神を酷く負傷しています、それに貴方の周りもそうです」
「1人に世界の命運を託していられるなど正気ではありません、治療が必要です!」
『正常なバーサーカー』
687
新米の頃
以蔵さんが好きじゃなかった
柄悪いし
戦闘でもダラダラしてるだけに見えた
「連れてくのやめようかな」
お竜さんが言う
「イゾーはムカつくが
夜中の不寝番も、戦闘時のお前の安全確保もイゾーがやってる
アイツいなきゃお前何度も首飛んでるぞ?」
『しくじらない故、気づかれない護衛』
688
「お酒は相手を油断させるため
敵を騙すなら味方からって
以蔵さん、不器用だけど
早くからここに来たサーヴァントだから
君のこと、いつも気にかけてるよ」
「イゾーが酒飲むのは趣味も入ってるけどな!」
「そこは置いといてね、でも
以蔵さんを編成から外すのはオススメしない」
「死ぬぞ、お前」
689
マスターが致命傷
痛みにのたうち回る
酒呑童子が側に来て
「旦那はん、うちに任せ」
そう言いマスターの喉笛を噛み切った
「消える前にちゃんとやるさかい、安心してな」
肉と骨をバリバリ食らい
血の一滴まで飲み干した
「これで旦那はんは独りじゃあらへん、今までお疲れさん」
『鬼の看取り』
690
子供の頃お祭りで道に迷った
「おかーさんどこー?」
「迷子ですな?」
背の高い男の人
「…怖い」
「藤丸立香ちゃん?
拙僧お母様の友達にて!」
なら、と手を引かれ無事に戻った
(今思うと…絶対道満だったな)
「何でいたの?」
「リンボに会わず倒さず
マスターが幼くして死ぬは嫌でしたので」
691
小学生の時、不審者に
「可愛いね遊ぼうよ」
「たすけて!」
不審者が動きを止めた
「ええねえ、うちと遊ばへん?」
「…コスプレ?可愛いね、いいよ」
不審者のおじさんは角の生えたお姉さんとどこかに行った
……
「あれ酒呑童子だったよね?」
「さあ?でも何だか、不味い肉を食べた覚えはあるわ」
692
「ひぃ助け、助けて!」
「あの子も助けていうとったけど、あんたはん聞き入れたかえ?
うちを食うつもりやったんやろ?
あは!おっかし
食われるんはあんたはんや!」
バリ、ゴキッ、ブチブチ
「血まで脂っこくて不味いわあ
まあ2度と悪さできへんようにしたるさかい
安心しいや 未来の旦那はん」
693
世界を救った藤丸立香は実験台にされた
「何故平凡な人間が」
「理由がある筈だ」
「解剖しよう」
(助けて…!)
腹を切られる
血が流れ出し、タイルを滑ると召喚陣の形に広がった
瞬間、研究員は全員化け物となった
道満が笑う
「呼び声に応え参上いたしました!
マイ、マスター」
『最高の触媒』
694
「傷を塞ぎ、この建物の者を皆殺しにしてどこへなりとも行きましょう!」
「私との契約は終わったのに、どうして来てくれたの?」
「拙僧は忠臣ですからな、令呪?契約?必要ございません」
「そうだよマスター」
「そうですわ」
「来たぜマスター」
サーヴァントが集う
「また旅の始まりですな!」
695
全て終わり世界は元通り
普通の社会人になった藤丸
「藤丸、この無能!」
怒鳴った上司は肝臓を悪くし入院
「藤丸さんって媚びてますよね〜」
嫌味な同僚は病で退職
「53点かな」
手料理に点数をつける交際者は失踪
理由は分かってる
私が悪い?違うよね
道満、ありがとう
『処分してない道満の符』
696
「藤丸あんた何か憑かれてんじゃないの?」
「…確かにね、でもいいんだ」
これでいい
そう思ってた
前と違い何一つ不足なく、結婚しようとしてた婚約者が倒れるまでは
「私を独占したかったんだね…分かったよ道満」
それでも藤丸は符を捨てなかった
「沢山貰ったあなたに、私の全部をあげる」
697
天寿を全うした藤丸立香
「…これで終わり…どこに行くのかな私」
「お迎えに参りましたぞ」
道満が笑う
「私のことわかる?しわくちゃになっちゃったのに」
「間違える筈もありませぬ!
さあ行きますぞ」
「地獄に?」
「どこでしょうなあ、まあ拙僧におぶさってくだされ」
「あはは、ありがと道満」
698
「軽くなりましたなぁ」
「うふふ、そうかもねえ」
「戦闘で負傷されておぶった時を思い出しますなあ」
「今思えば懐かしいな」
光が見える
「さあ、ここまでです
少し歩くだけでございますよ」
「道満は?」
「拙僧はここまで、それではごきげんよう、マイマスター」
『あなたは安らかにいて』
699
全て終わり退去の時
道満が髪を切り渡した
「形見です」
なぜか髪は消えずに残り
なぜか藤丸はそれを肌身離さず持ち歩いた
ある夜
帰り道藤丸は男に襲われた
「むぐぅーー!」
その時鞄から髪の毛が飛び出し、相手の首を絞め殺した
……
「これを拙僧と思ってくだされ
必ず御身を守りますから」
700
「何で髪の毛を持ち歩いてたか、ですか?
はい、大切な人、存在、の髪だったので」
指紋も無く監視カメラに映像が写っていたため、奇妙な事件として不問に終わった
道満の髪の毛は警察に押収されたが、その日のうちに鞄に戻ってきた
「…おかえり」
そういうと、嬉しそうに髪は藤丸の指に巻き付いた