1026
ある異聞帯で村を訪れると人々が自分達を知っていた
【カルデアの者】とは違う自分とマシュそっくりの二人が村に来て去って行ったという
「後から来る同じのは悪い人なのでころして下さい」と言い残し
何故しなかったのか聞くと
「奴ら影が無かった 化け物じゃ」
去った後村から子供が1人消えたらしい
1027
ある日サーヴァントが真っ青な顔で帰還した
フレンド外にサポで呼ばれクリアした後
しつこくうちのサーヴァントにならないかと言われと断ると
「じゃあかえさない」
と一斉にゲラゲラ笑い出し体が動かなくなったが
持っていた絆礼装が光り気づくと戻って来たという
「あそこはこの世じゃなかった」
1028
カルデアに幽霊が出た
血まみれで床を這う
詠唱は効かず何故かマシュの足元に来て消える
「変だね、マシュ気をつけて」
数日後に襲撃された
動力を断たれサーヴァントもいなく、自身も腹と脚を撃たれ瀕死
マシュも負傷してた
探さなきゃ
冷たい床をずるずる進んだ時気付いた
「あれは俺だったんだ」
1029
「グッ…これだけじゃないぞ
生クリームたっぷりホールケーキにハンバーグ、イチゴのパフェだって作ってやろう!太った〜なんて言っても聞かんからな!」
「ほら、お前たちも食べろ!食べてこいつらを呼べ!」
その後目が覚めた2人は山ほどのご馳走責めにあい、ころころに丸くなった
1030
マシュとぐだこちゃんが昏倒
意識が戻らずムニエル達がうなだれていると
バタン!
料理たっぷりの皿を持つ所長
「はやく起きろ!さもなくばカルボナーラもパンケーキも私の胃の中だ!」
いきなり食べ始め
「何してんだ!?」
「うるさい!グスッ
うまい!最高だ!ウッ
だから…はやく起きなさいよ」
1031
サポートを借りクエストクリア
ポイントを渡して帰そうとすると
「あの 連れてって下さい」
「何を、君のマスターが待ってるだろう?」
「いえ 私のカルデアは先程滅びました 帰る所はありません」
「連れてって下さい 連れてって」
「いいえ 然るべき所に還りなさい」
「そうですか 呪いますので」
1032
ある日五騎のシャドウサーヴァントと遭遇
倒そうとするが違和感
よく見ると、それらは今の自分のパーティと全く同じなのだ
冷や汗が出る中凝視すると
彼らの奥に自分と全く同じ格好のマネキンが
倒さず帰還
報告すると
「逃げたのは正解だったね もし倒していたら君は帰って来られなかっただろう」
1033
大奥で所長がカーマにパンチした時
あ、この人はもう家族なんだ
と決定的に思った
苦しみカーマを睨む主人公をみて
これがこの子供を苦しめてる敵だと
それに本人は強いと思ってるけどほぼ効かないパンチ
結局彼らを、自分を救った
あの向こう見ずなパンチは
家族を守るためのもの
理不尽で美しかった
1034
「昨日私もマシュもしわしわのおばあちゃんになった夢みた
所長も髭の長いおじいさん」
「何ィ!」
「お餅食べたら所長の入れ歯がとれて皆大笑い」
「失敬な!歯磨きは欠かしてないぞ!」
「…マシュ泣いてるの?怒った?」
「いえ 余りに幸せな夢で 」
「そこまで皆で生きられたらどんなにいいか」
1035
主人公のサーヴァントに
「ちゃんとマスターとマシュを守ってやれよ!!」
と怒鳴りながら攻撃するも
主人公たちにとっては敵ではなく簡単に倒された
「だっておかしいじゃないか
子供2人が無理やり戦いに巻き込まれて
しんで世界は平和になりました
チャンチャンって
おかしいだろ おかしいだろ!!」
1036
どこかのもしも
マシュと主人公がしんで救われた世界
それが許せなく
滅ぼそうとした人がいた
カルデア時空にも影響が出て
正そうとした主人公たち
敵を倒し辿り着いた時
「やっとあえた 会いたかった
世界を滅ぼしてでも
どうか僕を倒して生き残ってくれ!」
泣いて笑った彼は
カルデアの職員だった
1037
サーヴァントが一騎ずつ喰われるようになった
儀式の目撃情報からアビゲイルの仕業だと断定された
「私じゃ!魔女は私じゃないの!」
潔白を訴えるも座に還された
一息ついたマスターの後ろからクチャクチャと喰う音
そこにいたのは
真っ先にアビゲイルを犯人だと主張したものだった
カルデア魔女裁判
1038
「両名共にバイタル悪化!このままでは!」
決戦で負傷
マシュは右足と内臓
リツカは両目と皮膚の半分を失った
「非人道的です!」「しかしここで彼らを失えば世界は」
目覚めた
鏡を見る
マシュでも私でも先輩でもない誰かがいた
「成功だ!」
悲鳴のような歓声
私は誰 彼女はどこ
【2人でひとり】
1039
アビーは二度と現れなかった
僕は結局中学の時にまた転校になり
あの村にはそれっきり行ってない
でも今でも鮮明に思い出す
最後の最後 夕日の中微笑んで言ったあの言葉
「いつか私の所に来て
私を倒してね
私を倒してもころさなかった優しいあなた」
「あなたの旅路に幸多からんことを」
おわり
1040
「アビー!アビー!」
いつもの場所に彼女はいた
「僕を連れてって!ここはもうやだ!」
「…ダメ 」
「なんで?山神さまなんでしょ?」
「…より長く顕現するためこの地の神の概念を借りたの
私は鍵 私はあなたの未来を知る者」
「ここで生きるの
いつか私の村にくるために
生きるのよ リツカ君」
1041
きっとアビーが「山神さま」なんだ
「山神さま」は子供を誘って攫う
だからあの道は通ってはいけない
大人たちの話
アビーは僕を攫うのかな
だったら何で助けてくれたのかな
村の皆は今は優しいけどやっぱり怖いし嫌だ
父さんと母さんは引っ越してから喧嘩ばっかり
僕
僕、アビーに攫われてもいいや
1042
結局3人とも県外に引っ越した
僕はいつのまにか「よそもん」から「村の子」になった
その間もアビーと遊んでた
皆前より【通ってはいけない道】に近づかなかったから
かくれんぼ 鬼ごっこ 川遊び
本当は気づいてた
僕が来ただけで噂になったのに
金髪青い目のアビーの話を
皆なんでしないのかなって
1043
それから変なことばかり起きた
季節外れの彼岸花が咲いたり
村はずれの廃屋が燃えたり
「あいつらのせいだ!山神さまの呪いだ!」
村中その話だった
そのうち
夏風邪が流行るのも
窓ガラスが割れたのも
誰かが鎌で怪我したのも
いじめっ子の家にカラスの死骸が置かれたのも
全部「呪い」のせいになった
1044
2週間後事件が起きた
僕を苛めてた3人が【通ってはいけない道】の分岐の先にある祠を蹴り壊した
「罰当たりが!」
村の大人は異常に信心深く口々に3人を親子共々責めたてた
いじめっ子達は泣きながら
「俺じゃない!」
「金髪の恐い女の子にやれっていわれた!」
と騒いでいたが、相手にされなかった
1045
アビーは変わってた
いつもユーゴっていうぬいぐるみを持ってた
遠い国から来たらしいけど日本語はペラペラ
「私ったらお利口さんなの!」
あと自分のことを皆に言うなって
だけど元々言うつもりなかった
どうせ「よそもん」の言うことなんか信じないし
それに、せっかくできた大切な友達だったから
1046
「苛められているの?かわいそうに…」
「殴ったりは三人だけど、他の皆もジロジロ見るだけだし
大人の人たちも…」
「どこの集落も同じなのね」
「分かったわ 私がなんとかしてあげる
だからしばらくはここに来て一緒に遊んでちょうだい?」
「ど、どうやって」
「私じつは、かみさまだから」
1047
1048
「あんた!悪霊がついておる!」
「それも大量に!色とりどりの老若男女が満面の笑みでだ!」
ガード下でいきなりおばあさんに話しかけられた
霊能者?らしいけど
「いや俺、ユーレイとか信じてないし」
「とにかく災いが迫っておる!寒い場所には近寄るな!」
藤丸立香
献血にいく1週間前のこと
1049
「ハンバーグ」
「カツ丼!」
食料も水も尽きた夜
食べたいものを言い合った
「先輩!お肉を食べる方法ありました!」
「新所長の魔術?」
「0時前に私の腕を切断してしぬ前に一画で直せば毎日お肉が手に入ります!」
冗談だと笑ったけど眠れなかった
あの目は本気だった
「あなたのためなら」
1050
もし優秀な魔術師が人理を修復したら、とか
きたのが主人公じゃなかったらマシュはどうだったとか
考えるけど
もし、は無かった
無かったんだよ
誰もいなかった
燃え盛る中マシュの手を握り一緒に死んで行こうとした子供は1人しかいなかった
誰も代わらず、代われなかった
子供にやらせるしかなかった