1026
マシュ以外全滅
マシュも限界、盾も振れない
そんな時ムシュフシュが
今彼女が毒を喰らえば、そう思ったら体が動いた
迫る角を令呪の無い方の腕で
「先輩!」
「毒は効かない!マシュ、今!」
なんとか倒した 止血すればカルデアまでは持つ
「泣かないでマシュ
これが2人で生き残る1番の方法だった」
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「各自詠唱は?」
「〇〇〇による福音書第△節までです!」
「こっちは〇〇経半分くらいまで!」
「聖水は!」「塩と酒!」
結局追い出された
寂しい 寂しい
「あ」
あそこのカルデアはマスターの魂がからっぽだ
もう一年はかえってないみたい
「あそこなら、きっと」
「私のカルデアになってくれる」
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戦闘で腹に穴が空きしんでしまった
はずが
気づくとベッド
「助かったのか…?」
腹を触るとなんと!穴は空きっぱなし
それ以上に驚いた
体中に鎖が巻き付いている
「先輩!成功しましたね!」
成功?
「愚者の鎖で魂を繋ぎとめました!後は腐敗の進行を止めれば」
微笑むマシュの体も鎖だらけだった
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マシュと離れて歩く
喧嘩じゃない
数日の行軍で垢まみれ
臭いと思われたくない
マシュは腕を掻いている
ツン、と鼻をつく
ナイチンゲールが腕に消毒液を塗ったのだ
「掻いてはだめ 雑菌が入ります」
そして私たちを見つめて
「どうか恥じないで
貴女達が生きている証です」
私はマシュの隣に並んだ
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ある日サーヴァントが真っ青な顔で帰還した
フレンド外にサポで呼ばれクリアした後
しつこくうちのサーヴァントにならないかと言われと断ると
「じゃあかえさない」
と一斉にゲラゲラ笑い出し体が動かなくなったが
持っていた絆礼装が光り気づくと戻って来たという
「あそこはこの世じゃなかった」
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皆が言い争ってる
私の髪、ショートかロングどっちがいいかって
照れちゃうな 気になるけど
マシュは「聞かない方がいい」って!
部屋に戻ろ
「短いと身代わりに足りない」
「長いと後ろ髪を引かれる」
「短くして切った毛を保管」
「ダメだ鮮度が落ちる」
「…先輩が思ってる様な話ではないのです」
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優しい職員がいた
私やマシュを寝ずに看病し見舞いにも頻繁に
私達の怪我を撫で目を伏せる癖があった
ある日その人はしんだ
サーヴァントにころされた
「なんで!」
「あの部屋を見れば誰でもそうする
お前達は見ない方がいいが」
部屋は写真だらけだったらしい
横たわる私達の白い顔と、怪我のアップ
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完全に破壊されていた筈の動力システムは何故か復旧し
すぐにレイシフトが可能な状態になった
「だって
だってそれがないと皆さんこの家に来られないんでしょう?そんなの許さないわ
許せないわ
絶対にここに来るの
待つわ 待ちます
大丈夫
2人とも夢で言ってくれたわ
また来ます
って」
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大奥で所長がカーマにパンチした時
あ、この人はもう家族なんだ
と決定的に思った
苦しみカーマを睨む主人公をみて
これがこの子供を苦しめてる敵だと
それに本人は強いと思ってるけどほぼ効かないパンチ
結局彼らを、自分を救った
あの向こう見ずなパンチは
家族を守るためのもの
理不尽で美しかった
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@_t0da_
「…一瞬で制圧された
マーカスとシルビアは目の前で…ああ思い出したくもない!
マシュが食い止めてくれたおかげで食料庫に隠れられたが…
ここはしばらくは持つだろう…
さっきまでうるさいくらいだったサーヴァントとの交戦の音がしなくなった
もうカルデアは終わりだ」
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その日から、毎夜来た
ベッドに座りこちらをみている
息苦しくて目が醒めると
首に髪の毛が巻きついているのだ
「うーん、とりころされかけてるねぇ!」
「しかし不思議だ、なぜライダーの方に行かずマスターに?」
「じゃあ話を聞いてみるといい、どうやら彼には彼女が違う風にみえたようだからさ」
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7日目の夜が明けた時
「もう大丈夫です」
天草は微笑んだ
レイシフト先で厄介なものに目をつけられていたらしい
「皆が手こずるって相当だよね」
「はい、我々の信仰の外のものでした故
説得に時間が」
「しかし謝らなくてはなりません」
頭を触ると髪が半分の長さに
「それでようやく手打ちでした」
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そういう
背筋が強張る程の違和感を感じる場面はそれから時々あった
「アナスタシアの村はずれ
礼装がなきゃ耐えられない猛吹雪の中
スーパーの袋をもって歩く女の人を見た」
「スカート膝丈だったんだよ?
幻覚かと思ったけど サーヴァントの皆も見たし足跡もあった
…あれは何だったんだろうね」
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カルデア七不思議「おばけ扉」
誰もいない部屋から音
「しんだ職員の霊だ」
近づくのは禁止
ガン、ガンという音を聞いて震えてた
襲撃の際逃げる時も音はして
こっちに来たら無くなった
違った
おばけなんかじゃない
人理修復の妨げになる人を、病死だった事にし閉じ込めてた
私とマシュにだけ内緒で
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「どうやら俺達は城の内側にいるようだ」
「…アヴェンジャー?」
「マシュ、あの娘の宝具
あらゆる災厄を通さぬ鉄壁の城
今はそれが、燃え盛る外界を一切遮断する白亜の檻となっている」
「だが…共犯者!よりにもよって俺を連れたな!
シャトー・ディフを脱したこの俺を!
手はある、行くぞ」
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それきり出てこなかったが
時折マシュの酷い怪我が戻る頃には治っていた
「代わってくれているのでしょうか」
敵の宝具の熱線
盾を構えたが耐えられない!
横から一緒に支えてくれた人がいて
気づくと熱は消えていた
「きっとあれが最後だと思います」
「安心して下さい 守りぬきます
先輩も、私も」
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「それよりホームズ、なにパイプなんぞふかしてる!」
「あなたなら簡単に倒せると分かっていたのですよ、ミスター!」
「…本当は結界もあるしあそこで戦わなくてもきっと平気だった」
「でも飛び出しちゃうんだね、彼はさ!」
こっそり話すダヴィンチちゃんの後ろで
所長は一際大きなくしゃみをした
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マスターの髪と爪から毒物反応が出て大騒ぎに
調べると彼女の歯ブラシ、化粧水や枕にまで
あらゆるところに塗布され混入していた
犯人は職員だった
「効かないんだから!どうせ効かないんだからいいじゃないか!」
お気に入りのサーヴァントとマスターが親しくするのを妬んでの憂さ晴らしだったらしい
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「アレについて調べてみようぜ!」
お前さっきまでビビってた癖に…と思ったが、2人で女将さんや従業員に話を聞いた
「ここら辺は地毛が金髪の女の子は住んでないねぇ…お客さんにもいないし」
「え?曰く?無いよなーんも」
「あ、ただ
数ヶ月前にあそこの辺りで女子大生が行方不明になったねぇ」
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「利休様!駒は駅ナカとやらにありまする
盆栽抹茶タピオカミルクティーなるものが飲みとうございます」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
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「わあ、ここにはこどもがたくさんいるんだね!」
ジャックはそう笑った
勿論生きてる子供ではない
マシュ以外の被験体のことだ
「でもわたしたちとは違う
かなしいも、くるしいも、かえりたいも
なにもないんだね」
それを聞いたマシュは泣き崩れた
「みんな【人間】になる前にしんだんだね」
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朝から晩まで周回
「先輩!休まないと!」
「そーだよマスター」
「でも折角のボックス、皆のスキルあげたいし…」
頑張ってたマスターだが、次の朝マイルームを覗くと背を向け寝ていた
「もう少し寝かせとこう」
彼が冷たくなっているのに気付いたのは昼
喉に戻した金のリンゴが詰まり、窒息していた
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@_t0da_
「マスター あれはだめなのよ
あれはね 混ざってしまったの
混ざって混ざって もう何もわからないけど、ただひたすらこっちに来たくて堪らないんだわ」
「だから絶対開けてはだめ」
1050
「君が…君が心配よ」
よく気にかけてくれる人だった
北米で大怪我した時も自分のことのように悲しみ、怒る
優しい人
心身共に病みついて、細くなって
「君を…残してしぬのが心配
それが一番の心残り」
そうしてしんでいった
夜中の影が言っていたのを思い出した
「もう置いていかないから…」