626
「痛い、痛い」
「寒い」
「でもあの子達が心配だ」
「大丈夫だろうか、せっかく人理を修復したのに」
「あの子達のところにいこう」
「いこう」「そうしよう」
「ああ、温かい光、ぬくもり、ありがとう、ありがとう
こんなサーヴァントがいるのなら、きっとあの子達は大丈夫だ」
「よかった…」
627
「エミヤ!ブーディカ!バーヴァン•シーとケーキ作ってほしい!あと誰かカーネーションのバスケット一緒に作って?
ナーサリーはモルガンをお茶会に招待して!
…え、これ以上嫌われたくないから何もやらない?
ちっがーーう!
これ失敗したら私八つ裂きにしていいから!」
『遅れた母の日大作戦』
628
「…よかった、あいつ、人理修復、やり遂げたんだね」
「ごめんね、マシュ
私を庇って消えちゃって、頑張ったんだけど負けちゃったよ
あいつには、あいつのマシュにはそんな思いさせたくなかったから…よかった、本当に」
そして消えかけの藤丸六香はカルデア襲撃を見てしまう
「 え ?」
629
カルデアが1日をループするように
レイシフトも不可能
原因は探したが不明
皆パニックになったが段々落ち着く
「平和だし、このままでいいかも」
藤丸立香が呟いた瞬間アナウンス
「この世界は剪定事象からこぼれ落ちました
停滞を良しとする者は、藤丸立香ではない からです」
『藤丸立香の資格』
630
ぬいぐるみ、なんだか不気味なのでお焚き上げに寺へ
数日後電話
「あのぬいぐるみ…
まず一体、熊のですが
女性の霊、しかも神霊が憑いております
羊のも神気が強い…残りは互いに戦い合い、お堂がボロボロです
申し訳ありませんが引き取ってください」
母さん、アレは何なんだ!!?
631
「拙僧はもっとミステリアスでマスターを脅かすサーヴァントである筈なのに!」
「甘いね!
カルデアに来たら皆こうなってしまうのさ!…というか、道満カルデアに馴染みすぎというか」
「拙僧絶対こうはなりませんぞ!」
「いーや、絶対こうなっちゃうから!」
藤丸立香と道満の我慢比べが始まった
633
マスターが錯乱
「うわあ来るな!」
サーヴァント達に来るなと騒ぐ
「どうしたんだ」
「敵の攻撃か?」
「近づくな!俺がおかしいのか?」
「先輩!しっかりして下さい!」
「うるさい!ここは現実世界の俺の部屋だ!なんでスマホからコイツらが…」
「やっぱり混乱してるみたいです、マスター」
634
藤丸立香には子供がいる
「きっと奥さんの連れ子なのね…」
「反抗期で大変そう…」
「さっさと服屋行くから荷物持ちで来いっつーの!」
「はいはいバーヴァン•シー」
…
「この靴似合う?」
「捻りそう」
「分かってねえなあ!!」
…
「マスター!」
「分かったアーチャー!!」
635
「道満怖い」
霊基保管庫に封印したマスター、カルデア襲撃で致命傷
血塗れで這う前方に道満
「緊急事態故出て参りました!どうなされました?」
「助けて…」
「しかし種火も貰っていない身
敵1人倒せませぬ…
悲しいですがここでマスターを看取らせて下さいませ、ヨヨヨ」
『貰った分しか返さない』
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ある日新所長の部屋に行った
「どうした藤丸?」
クマだらけの顔を向ける新所長
「ジムさんは、よく俺を気にかけてくれました、キャシーさんはクッキーを焼くのが得意で…」
「…私の毎晩を知っていたのか
彼らの人生を、未来を、うう、うわああ」
「うっ、うわああん!」
2人で抱き合って泣いた
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敵の攻撃で流血
「いったぁ…」
その血を掬い取り舐め飲む道満
「ンン〜甘露甘露」
「うげぇ〜最悪」
でも分かってる、道満も嫌がらせでそんなことしてるんじゃない
「さぁさぁ!魔力も満ちたところで」
「反撃と行きますか!行くよ道満、私の血は高いからね!」
「ええ勿論
顕光殿、お目覚めを!」
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「わああああん!えぐっ、酒呑!
吾は鬼!こんなことで泣くなどっ泣くなどっうええっ」
「はいはい、ええ子ええ子、
鬼はやりたいようにやればええ
泣きたい時には泣けばええ」
(茨木…その職員、食えずに損したいうならともかく…
ほんまに難儀な子やなあ)
639
聖杯戦争で喚ばれたオジマンディアス
「…まさかネフェルタリを!!」
彼の目には少女と一枚の写真
「ん?この写真…」
『チェイテピラミッド姫路城』
「ママがこれなら誰かしら来てくれるからって」
「…フハハ!確かにこのピラミッドは余の物、しかし誰かしらで余を喚ぶか…よい!特別に許す!」
640
藤丸立香は目が見えない
冬木で負傷した
「藤丸君頑張って!」
「マスターいくよ!」
でも道満は…怖いし連れてかない
…
マシュは知ってる
職員は死んだ
残ったのは道満のみ
式神を操るだけで、マシュ以外全て道満
「拙僧は留守番してますぞ!いってらっしゃいませ!」
今日も道満は戦闘に同行する
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バリ、バリ
「ああ、骨も脆くて味ないわあ
肉も血も、死にたてとは思えへんねえ」
パキパキ バキッ
「死んだ後骨も残らない
墓にも収まらない、それを選びはったんやね」
グチャ
「うちが座に記録持って帰るさかい
安心してな、旦那はん」
藤丸立香、触媒用に回収を試みるも忽然と消失 以後不明
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「どーまんはたさいで、おべんとうもすごくきれいだし、すごいんだもん!っていう!」
「ンンン店員殿!デラックスお子様セット1つ!」
「おなかいっぱいだからいい」
(めちゃくちゃ嬉しいんだな…)
「どーまんはさいきょーのひつじなの!」
「しつじ、ですな」
(本当にいるんだ、お嬢様と執事)
643
644
戦闘中
酒呑童子がドラゴンと対峙
大剣を弾かれ、首を刎ね飛ばされた
「酒呑!!」
「まぁ見とき、旦那はん」
飛ぶ首が嗤い、ドラゴンの喉笛に噛み付き
その瞬間
首の無い体が宝具を発動、首ごと酒に沈めた
「見惚れたやろ?」
首の無い酒呑が言う
「はい…!」
(…でもどこから声だしてるんだろ)
645
…
「道満はガッツ2回あるの凄いよね
でも痛いでしょ?なるべく使わず済むように戦えたらな」
「サーヴァントの身体などお気になさらず」
「そんなこと…気になるよ」
…
「全く、ガッツをこう使う日が来るとは
しかし魔術師とは大概こんなものですな
あの方が特別普通の価値観であっただけで」
646
「人斬りのわしは地獄でええです
極楽いこうなんて思わんき
でも立香は違う、世界を救うために戦って、なるべく人死にでんよう戦って、戦って、そんで阿鼻地獄は不憫すぎる
お願いします…」
「ならば岡田以蔵!貴様には藤丸立香極楽での護衛を命ずる!」
「でもわしは…」
「いいからはやく行け!」
647
藤丸立香はアンプルの打ちすぎで意識不明で寝たきり
マシュがずっと看病した
…
「あれ、足が、手が動く!」
「先輩お疲れ様でした!
ピクニックに行きませんか?エミヤさんがお弁当を作ってくれるようです!」
「うん行こうマシュ!」
「はい!」
…
老いた2人は寄り添うように
安らかに死んでいた
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「昨日〇〇市で男性が刃物で切られ殺害されました、男性も刃物を所持しており、警察は通り魔事件との関係を…」
(もしかして、ちゃんばらのひとが「とおりま」だったの!?)
……
「って昔思ってたなあ」
「なんじゃあ、酷いいわれようじゃ!」
「今は分かるよ、守ってくれてありがとね以蔵さん」
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「緊急隔離だ」
「本当に風邪のような症状だ、命に別状は全くないだろう」
「しかしおかしい、あのシュメル熱すら罹らなかったマスターが、しかもマスターだけが発症するなんて」
「原因をつきとめ直ちに滅菌しなければ
大丈夫です、貴女の命を奪ってでも、救ってみせる」
「……あ、ありがとう…」
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「施設入れましょうよ」
パパとママはばあちゃんはボケたって
ありもしない「カルデア」や「サーヴァント」の話する
…
ある日ばあちゃんの右手に赤い痣
「ぶつけた?」
…
強盗が家に入った
パパとママが逃げる中ばあちゃんは叫んだ
「来て道満!聖杯戦争だ!家族を守って!」
「御意にマイマスター」