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あとマシュがあえてマスターから距離を取っている気がする
マスターより先に班分けで自分の要望を出したり
出かけるときもついていかない
相談もエミヤとする
朝起こしにこない
そう、あまり藤丸立香を積極的に守ろうとしていないような
遠巻きに観察しているような
そんなかんじ
602
敵の攻撃で酒呑童子の首が飛んだ
「流石に魔性特攻は痛いわあ」
すると頼光がその首を髪ごと掴み
「さっさと倒してきなさい、蟲!」
投げた首は見事に敵の喉笛を噛み砕いた
「見せ場作ってくれたん?
牛女の癖に優しゅうて気味悪いわあ」
「勝利の為です
お前の生き汚なさは良く知っていますので」
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「この子に刃物持たせてどーすんの!!」
「いや、鍛えちゃろうと…」
「捕まるっての!!」
「おじさんは何で捕まんないの?」
「おじ…!?…色々あるんじゃ!」
「いい、この事誰にも言ったらダメだからね」
…
「母ちゃん想いのええ息子じゃのう」
「だから心配なの!私の事助けようとするから」
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「おはな、いれる」
「良いわねアステリオス、光栄に思いなさいマスター?女神が花を手向けるなんて」
…
「皆ありがと!賑やかで楽しい!」
「宗教的にははちゃめちゃですが…」
「カルデアでも皆仲良かったじゃん、同じだよ
あと、息子確かに愚息なんだけど、手出さないでね」
「「「ギクッ」」」
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「なんか私鉄乗ったら変な所ついちゃった、き、さ、ら」
「きさらぎ駅ですな!拙僧迎えに行きますから!」
…
「夜の山道でテン…ソウ…メツって聞こえるんだけど」
「急急如意令!逆にはいれた!」
…
「あなたの巻き込まれ体質は健在ですな…」
「ありがと?」
「褒めてませぬ!頭痛薬お持ちで?」
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「カルデアでは血生臭いことはご法度やったやろ?それにあんな細っこい身体、いけめんでもあらへんし食う気せんかったんやわぁ」
「でもなあ、氷漬けで死ぬくらいなら食うておけばよかった」
酒呑童子はカラカラと笑い、以後二度とその話題を口にすることはなかった
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アビゲイルが怒鳴る
「どうしてサーヴァントを、生きてるマシュさんが守るのかしら!?」
サーヴァントを庇いマシュが怪我をした
「あの…大丈夫です、アビーさん
守るのが私の大切な」
「大丈夫ですって!?いつもご自身のことは顧みないのね!」
彼女の瞳から涙が溢れる
「本当に、悪い方たち!」
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「おなかすいてたんだね」
「マスターは許すかな?」
「きっと笑って許します、母は信じます」
…
「マスターは許すかな?」
「マスターが許しても母は許しません」
「我の下賜の品、盗むとは万死に値する」
…
「だから言ったのだ!あの墓には墓守がいる!気分を損ねれば殺されるから手を出すなと!」
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「やーい、お前の母ちゃん教祖様!」
「うえーん」
…
「ごめん、俺が間違ってた、キアラ様は最高だ!」
「…」
…
「皆私の信者にして取り込んであげます」
「でも、私のママが皆のものになっちゃうの、ちょっとやだ」
「…私を獣にしない唯一の楔なのです、人を特別扱いしない私の、特別なあなた」
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「あの者以外の手に渡るのは癪ではあるが貴様なら許す!財宝をやろうか?」
「いえいいです、身を持ち崩しそうなので」
「フハハ!似てるな!許す!」
(許されなかったら死んでそうだ)
…
「チョコあの者食べなかったのか〜朕しょんぼり、そち食べる?不老不死なれるかもだぞ?」
「いえ、結構です」
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「皆ありがとう、でも俺が愛人めっちゃいるって誤解され…」
「あんなに昔バレンタインにチョコやお返し貰ったんやから、ね」
「遺言残したのにあんな揉めるとは…」
「貴方の善性は殆ど遺伝しなかったようで…でもほら、お孫さん泣いてますよ
おじいちゃん、バイバイって」
「うん、バイバイ」
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#FGO
メルトリリス
泡になって消えたりなんてしない
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「金ならねーぞ!」
「布施なら生前藤丸さんから頂いておりまする」
「絆ってやつでね!」
…怪しすぎる
蔑ろにしたバチが当たったのかも
今からでもマトモな坊さんを呼ぼう
「無理です」
「何で無理なの!?」
「いやそこにいる方々と一緒に読むの畏れ多すぎます」
こいつら一体何なんだよ母さん!
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「厄介だ」
「厄介だな」
「あんなにそっくりにしたのに」
「形だけじゃない、匂いも気配も魂の形まで何もかも!」
「まったく、バーサーカーはこれだから厄介だ
まったく常識が通用しない!」
「さあ、治療を開始します!」
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「霊も拙僧の華麗な除霊シーンもバッチリ、撮れ高撮れ高♪
しかし懸念が」
「何?」
「このままでは日本中の主要な心霊スポットを除霊し尽くします
そこで拙僧名案!
わざと化物を放ち除霊する!永久機関ですな!」
「自作自演じゃん!」
「バレやしませんぞ、これで億万長者ですなあーっはっは!」
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「何かしたな?」
「…少し悪い夢をみせてるだけ
それだけよ?」
「今すぐ起こして」
「だってマスターのこと悪く言うんですもの」
「パパとママ平気?」
「平気だよ、ごめんな」
…
「藤丸さんの所行ってきなさい」
「いいの!やったー!」
あれ以来パパとママは優しい
まるで、人が変わったみたいだ
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「晴明殿の方が」
「やはり晴明」
「晴明」
「おのれ晴明ィ!!」
……
「マスターは晴明の名を呼びませんな?」
「当たり前じゃん、確かに平安京ではお世話になったけど、カルデアで力を貸してくれてるのは道満なんだから!
わかってる?私のアルターエゴ」
「御意に、地獄の底までお供します」
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そうだ、再婚した母は若かった
働ける年の連れ子なんて、いる筈なかった
でも頼光姉ぇがいたから学校でいじめられなくなった
お父さんだってぶたなくなった
…
「霊基パターン、バーサーカー!」
「源頼光と申します、あらあら立香、可愛い立香
これでやっと姉でなく、名実ともに母になれますね」
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「離婚したんも『虫の王子様』のせい?」
「いんや、ありゃ暴力
ただ親父は離婚渋ってた
そん時位から母さんに虫が集まり始めて
しかも親父には襲い掛かったんだと
んで耐えきれず離婚、ってさ」
「じゃあずっと王子様は義母さん見守ってたんだねえ!」
(みなまで言われると恥ずかしいなクソ!)
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「お前親父の愛人か!?」
「まさか、あの方は私に手を出しませんでした…本当に…そういう方でした」
棺に彼女は一冊の本を入れた
『人魚姫』
「俺の本を燃やすか、ハハッ!」
「私の…幼い頃からの宝物です、どうか向こうまで持っていって下さいまし…」
「…フン」
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「道満!大丈夫だった!?」
「普通に致命傷でございまする!まあガッツもございますし、サーヴァントですし、平気ですがね
…御身は1つだけですので、どうか大事になさってくださいませ」
(道満だってそういうとこあるじゃん)
「なにかおっしゃいましたかな!?」
「…ゴメンナサイ」
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カルデアに戻ったら突如罵倒され叩かれた
「出てけ!」
「出てって下さい!」
マシュも泣きながら叩く
「…どうして?」
「あなたはここにいてはいけません!」
…私だって藤丸立香だったのに…
「いいえ、ここはあなたのカルデアではないです!先輩の体から、出て行って!」
『藤丸六香の乗っ取り』