もちろん連戦連勝ばかりじゃ映画にならない。愛情込めて育てて調教師に託して声を枯らして応援して…という日々の中で人にも馬にもレースにも沢山のドラマが生まれます。勝敗以上にそんなドラマを村人たちと共に体験することで、あなたも胸の高鳴り、ゲール語で言うところの【ホウィル】を感じるはず。
昔々あるところにマリアという娘と2匹の子ブタがいたけどマリアは"集団"を脱走した"悪い子"なので森の家に住んでいるけど"オオカミ"がじわりじわりと迫ってきて精神限界でイエの床も壁もマリアも万物が変容して溶け混じるしブタが途中からニンゲンな映画を上映します。吐きそう。速攻2回観ました。
この清潔で、理知的で、官僚的で、そして何より凡庸な映画は、他のどんな映画にも似ていません。ただ私たちの生きる現実に似ています。吐き気がするほど酷似しています。『ヒトラーのための虐殺会議』今冬上映です。
精霊信仰が根付くタイ東北部の祈祷師の中年女性を取材したドキュメンタリーでカメラが彼女の姪の無意識の奇行を捉えて、祈祷師家系の血の継承ではと撮影続けたら奇行が狂気に狂気が怪異に怪異が…に変質して撮影クルーも呑み込まれドキュメンタリーが別の何かに変質していく史上最怖の映画を上映します
ロシアが支配するチェチェンで今、何が起きているのか。『チェチェンへようこそ』本日公開、静岡シネ・ギャラリーでは4/1(金)から上映です。 インタビュアー「ゲイに対する拉致や疑惑についてお聞きしたい」 首相「ありえないね(笑顔) チェチェンにゲイは存在しない(真顔)」
今年いちばん上映リクエストの多かった映画、まだ配信/レンタルされていない映画を年末年始に上映します。物語の舞台は75歳になったら「逝くこと」を選べるようになった日本。つまり75歳以上の人は自分からも他人からも「逝く仕組みがあるのにまだ逝かないでいる人」として見られるようになった日本。
1830年の冬の日に陸軍士官学校で心臓がくり抜かれた変死体が発見されて、醜聞を恐れた学校幹部から内密捜査を依頼された引退刑事がひとりの士官候補生を助手に真相解明に挑む映画を上映します。この、今はまだ無名の士官候補生らしからぬ性格をした士官候補生、名をエドガー・アラン・ポーといいます。
まずこの映画、映像がひたすら眼福。豊かな森に射す自然光も極上の食材を引き立てる陰影も、本当に18世紀でロケしたよう。"代金を払って食を愉しむ"という概念がない時代に、旅人のための休息所がちょっとした創意工夫や親切心や抜群の料理でレストランに《なっていく》過程を、過剰演なしで描きます。
初代ジェームズ・ボンド役でダンディを極めてしまったショーン・コネリーがおもむろに赤ふんどし&胸毛&弁髪という320年ほど時代を先取った着こなしで2293年の撲滅戦士をひどく生真面目に演じた1974年の映画を上映します。SF映画史に残りそうで残らない、少し残ったカルトSF映画。癖になる味わい。
この世界に居場所なんてない発光少女や蟲使いや磁界人間らイタリアの異能者たちが身を寄せ合って、異能を芸ということにして小さなサーカスを営んでいたのだけど、仕事を得るためドイツの人気サーカス団に行ったらそこがナチスのためにガチで異能者を探してるヤバいサーカス団だった映画を上映します。
瓶から自由になるために人間の願いを叶えたい魔人が、願うと不幸になるオチを疑う物語論学者を説得するため、封印と解放を繰り返してきた3000年の身の上話、ソロモン王の治世から続く万華鏡の如き驚異の物語の数々を(CVイドリス・エルバで)語って聞かせる、想像力が極彩色に花開く幻想映画を上映します
ウェールズの小さな村からの大きな贈り物『ドリーム・ホース』は今冬上映です。主演は『へレディタリー/継承』のトニ・コレット。今回は嬉しそうに絶叫してます。
意味わかんないと思うでしょうがちゃんとこっちも意味わかんないです。とにかくあなたはMCUより遥かにマルチバースなこの映画で呆れと感動と涙と笑いとドン引きと熱中を、あらゆる感情を、多元宇宙的に【同時に】抱くことになります。10の別ジャンルの映画を同時に脳に流し込まれるような体験をします
ストップと言うまでイクラを掛け続けてくれるタイプのイクラ丼で179分にわたって誰一人ストップと言わなかった感じの映画『RRR』は3/10(fri)より上映です。上映時間179分ですが、恐ろしいことにこの映画、180分後におかわりしたくなる。
そう、関係を壊した側が主人公です。 永遠って壊れるんですね。小さな子がきれいな蝶を握り潰してしまうように、あっけなく。13歳にとってはあまりにも残酷な幼年期の終わりを、喪失と絶望と再生を、繊細に繊細にフィルムに定着させた『CLOSE/クロース』は7/21(金)公開です。
ワインが作られても飲まれてもいないジンバブエ出身の難民4人が南アフリカでレストランの職を得た結果ワインの魅力にドハマりして、世界23か国の"神の舌"の持ち主が集う聖地ブルゴーニュのブラインド・テイスティング大会に参加することになるドキュメンタリー映画を上映します。クール・ランニンッ!
憧れの映画業界で働き始めた新人ちゃんの映画を上映します。『プラダを着た悪魔』みたいな映画かな? 無機質なオフィス、コピー機、給湯室、電話、メール、電話、メール、目の細かい紙ヤスリのようにメンタルを1mmずつ削る小さな日常的ハラスメント。そしてその日、彼女は【あること】に気付く。
喧嘩も人気も学校内最強の男が不祥事で少年院に行ってそこでも無双するインド映画を上映します。ちなみに学校といっても高校じゃなくて名門大学だし、学内最強の男は生徒じゃなくて教授だし、少年院では悪ガキを更生させまくるし、紆余曲折の末に地元ギャングと徹底抗争するし、ポスターのポーズがこれ
喋るキツネ、大地をさまよう巨人たち、"獲物の交換"を持ちかける領主、そして草木の如くに生い茂る緑の騎士…信じがたい事柄の全てがこの旅に存在し、この旅に存在する全てが信じがたく変容を遂げた何かの暗喩。指輪物語の作者トールキンを魅了した中世文学の最高傑作、純正にして異形の映画化です。
サールナートゥホール
『落下の王国』好き必見の、この蠱惑の映画は『マッドマックス』ジョージ・ミラー監督からの贈り物。ホテル内で封印が解かれたので学者のティルダ・スウィントン様に加えてイドリス・エルバ魔人までバスローブ姿な『アラビアンナイト 三千年の願い』は3/31(金)から上映です。
カメラが彼女を、中絶が違法だった60年代フランスで望まぬ妊娠をしたのに相手の男含め誰からも助けてもらえない大学生の彼女だけを、撮り続けるので、次第次第に自分が彼女であるような感覚になって、刻々と時が進む12週間、恐怖を、怒りを、そして未来への情熱を、自ら体感していく映画を上映します。
それでもバイト暮らしのラッパー君とオペラに人生をかけてきた先生との出会いと、そこから始まる秘密のオペラレッスンは、やがて2人だけでなく周囲の人々の人生にも変化をもたらしていくことになります。ガルニエ宮が美しい『テノール!人生はハーモニー』は7/7(金)より上映。
ヤバい奴Aから大金借りてその金でヤバい奴Bからドラッグ仕入れてヤバい奴Cに倍額で売る、という計画なのに弟分がドラッグ紛失してヤバい奴AとCをキレさせた男がベルファストの闇夜を車で奔走しながらハンズフリー通話だけで事態収束に努める様を94分間ノンストップ撮影した超面白い映画を上映します。
クリスマスイブに楽しいパーティを開催したのに次第に不穏な空気になってきて友人間や夫婦間の不満や軋轢や考え方の違いが噴出する、ありがちなクリスマス映画を上映します。ここまではありがち。この映画の独自要素として、登場人物全員が知ってます。明日人類が滅亡することを。メリークリスマス!