クビにされた失望を「公爵様のされたことだ…」と押し殺す料理人が、まもなく到来するフランス革命ドンピシャ世代で価値観が新しい息子や、料理人=男の時代に弟子入りしてきた謎の女性と共に店を繁盛させていると、例の公爵が噂を聞きつけてきて…。 至福の映画『デリシュ!』は9/30(金)から上映です
団地に住んでる250匹の猫ちゃんがお引越しするドキュメンタリー映画を上映します。発端はアジア最大級の巨大団地取り壊し。特定の飼い主がおらず住民全体で面倒見ていた猫たちの大ピンチに、団地有志で移住計画を立てることに。とはいえこの難事業、何から手を付けたものか。まず250匹を見分けなきゃ!
2019年に撮られたのにその後の現実が虚構に追いついてしまったせいで、いま観ると逆に現実の世界認識までぐにゃりと歪んでしまいかねない予言的ディストピア映画『ピンク・クラウド』は2023年1月公開です。当館では2月頃上映になりそうです。
生まれが貧しいせいでケンブリッジ大学に留学できなかったインドの天才が大人になってから自分と同じ境遇の30人をインド中から集めて学費と食費と家賃無料で勉強教えてみんなで名門校を目指した実話に、歌と涙と感動のインド映画テイストをたっぷり盛り込んだ、歌と涙と感動のインド映画を上映します。
ノルウェー郊外の団地で、親の目の届かないところで遊んでいた子供たちに"力"が発現してしまう映画を上映します。強まる"力"で遊びだすその子たちは通常と超常の区別がつかない年頃なのでまだ分かってないのだけど、観てるこっちは否が応でも分かっちゃう。 この映画、絶対に、まずいことになる。
「ティルダ・スウィントンが電話で元恋人と話をしていて最初はクールで余裕あるいつものティルダ様なのに次第に相手への屈折した想いが隠し切れなくなっていく、30分間巨大感情炸裂完全一人芝居」という、映画ファンにとってご褒美でしかない短編映画を上映します。30分間ずっとティルダ様のターン。
人との関わりを断って山奥で高級トリュフを採りながら暮らす男がトリュフを嗅ぎ分ける相棒のブタを奪われて奪還のため街に降りる。街での相棒はトリュフバイヤーの若者。男には過去がある。若者にだって若いなりに、ある。だが過去のことは今はいい。彼らが今やるべきはただ一つ。「俺のブタを返せ」
アメリカ行き豪華客船で催された【世界王者vs.乗客の希望者全員】のチェス大会で、生涯で一度もチェスの駒を握ったことのない男が尋常ならざる強さを見せて一騎打ちへと発展する映画を上映します。 これがこの映画の現在パートで、同時進行で描かれる過去パートで強さの謎が明らかになるのですが、
ピンクの雲は発生し続ける。だから隔離生活は終わらない。一人暮らしの人はずっとずっと一人きり。家族や同居人がいる人はずっとずっと一人になれない。このきれいで穏やかでピンク色の世界で、みんなお家で暮らしてる。外には今日もピンクの雲が浮かんでる。この世界は多分もう、壊れて元には戻らない
買った家の地下にマンホールがあって降りると家の2階に到着してその間に12時間が経過しててさらに自分が3日若返ってる映画を上映します。整理しましょう。地下から降りると2階に着く穴で、人生を半日失うけれど3日若くなれる。穴には何度でも降りれます。……ね?もうこの映画のことしか考えられない。
アーサー王の円卓の前に現れたる異形異様の"緑の騎士"の「我に一撃加えた者に栄誉を、ただし翌年同じ一撃受けに来い」の提案に若きガウェインが来年不要と一撃で首を落とすと、かの者悠然と己の首を拾って「では来年」。やむなく首を差し出すために旅立つ、A24史上最もダークで美しい映画を上映します
人を好きになったことがないというと「まだ」好きになったことがないと思われるのだけど、そうじゃなくて、この、今の、恋愛をしない自分は何かの途中でも未完成でもなくて、周囲にうまく理解されないこともあるけれど、鳥が鳥であるように、彼女が彼女のままで幸せな、だたそういう映画を上映します。
パリ暮らしの92歳マダムがとうとう街の反対にあるケアハウスに移ることになってタクシーに乗り込んだら、無愛想ドライバーとの道すがらあの時この時の想い出が次々よみがえってきて、大通りから小路へ裏道へ、ただの"移動"が記憶とパリをめぐる寄り道だらけの最後の"旅"になってゆく映画を上映します。
お父さんが厳しいせいで映画館に行ったことのなかったチャイ売りの男の子が生まれて初めて観た"映画"に恋して、料理上手なお母さんのお弁当で映写技師のおじさんを餌付けして映写室に入り浸っているうちに自分で映画を作ろうと思い立つ映画を上映します。ダメですよ、当館の映写技師に同じことしちゃ。
変わり者とかクセの強い人物のキャラクター造形は十八番のベネディクト・カンバーバッチが伝説のネコ画家ルイス・ウェインの愛おしくてほろ苦くて切ない人生を演じて、生涯妻とネコだけ愛しまくる映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』は今冬上映予定です。
映画の舞台、ロシア支配下チェチェン共和国では、国家主導の"ゲイ狩り"によって同性愛者が国家警察や"身内の恥"を許さない家族から、拷問され殺害され社会から抹消されています。現在進行形で。これは決死の国外脱出を試みる人々と、彼らを救おうとする人々のドキュメンタリー。顔を晒すと命に関わる。
比喩ではなく文字通りの意味で命に値段をつける映画を上映します。"その日その場所"にいたのは稼ぐ者と貧しい者、若い者と老いた者、養う者と違う者。全員が、被害者。これは「限られた補償金を9.11テロ被害者遺族7000人にどう分配するか」という、絶対に正解のない敗者のゲームに挑んだ弁護士の実話。
のどかなアイルランドの島で暮らすおじさんが理由もなく親友のジイさんから絶交される映画を上映します。不穏。ジイさん理由教えてくれず「今度話しかけたら自分で自分の指を切り落す」とまで言い出す。不穏。ご近所のバリー・コーガンは「ハッタリかもだし指1本分試したら?」とか言い出す。言いそう
森で暮らしていたおばあちゃんが死んだ哀しみでおかあさんがふっとどこかにいなくなってしまった8歳の子が、森で同い年の子と友だちになって家に行ったらその子のおかあさんが若い頃のおばあちゃんで、私、8歳の頃のおかあさんと友だちになったんだ、と気づく宝石のように美しい73分の映画を上映します
CGで繋ぐ疑似ワンショットではなく本当のワンショット。台詞+演技+調理を要求される役者は当然、それを撮影するカメラマンも満席フロアと狭い厨房を縦横に動く高難易度。さらにコロナ禍で取り直し日程が消えて即本番。観てるこっちの胃が痛い(でも料理はとても美味しそう)。
無人島に漂着したポール・ダノが先に漂着した死んでたダニエル・ラドクリフの死後硬直した腕で丸太割って口から洩れる濾過水で飢えをしのいで死体の尻から出る腐敗ガスでジェットスキーしてサバイバルしながら気づけばダニエル・ラドクリフの死体と史上最高の友情で結ばれていく感動映画を上映します。
出版社勤務の激務で小説家になる夢を諦めかけている彼と、バイトも続かず家で独りでいることが多い彼女との同棲カップルが、彼女が彼と同じ出版社で働き始めることになって、そうしたら彼女が、ダメな子だった彼女が、作家や同僚にどんどん認められていって、彼の心が軋んだ音を立てる映画を上映します
15人の高官と1人の秘書は90分の会議で多くを考えることになります。たとえば抹殺方法、輸送手段、強制労働。ハーフの場合は?他国との調整は?立場の異なる15人が議論し、衝突し、交渉し、解決する、濃密な90分。だけど90分、誰も異論は唱えない。 ユダヤ人を絶滅させることについては、誰も。
身のこなし、視線、帽子のつばに添える指のニュアンスに至るまで、御年77歳にしてどう考えてもキャリアハイな演技でファビュラスを炸裂させる映画界の至宝ウド・キアーのおかげで、誰もが偏屈ジジイを大好きになってしまう映画『スワンソング』今秋上映です。ちなみになぜこんなタイトルかと言うと…
白鳥は世を去る際に最も美しい声で歌うという伝説からスワンソングとはアーティストが人生最後に遺す最高傑作のこと。喧嘩別れしたはずの大昔の顧客からの思いがけない死化粧のご指名は彼のスワンソングになるのか。近年散見される"終活系映画"とは一線を画す至高の1本です。