母親。仲間。一番受け入れてほしい相手から、自分が自分だからという理由で受け入れてもらえない。心を、賞味期限切れの果物のように握り潰される。それでも彼は折れない。辞めない。正直なところ彼よりも先に、観ているこちらが折れそうで、それでも一緒に心で闘って物語の先を切り開いていく映画。
寝ぐせだらけのベネディクト・カンバーバッチと猫が出てくる映画も上映します。 twitter.com/Sarnathhall/st…
ペネロペ・クルスとアントニオ・バンデラスとオスカル・マルティネスが三者三様それぞれ違うタイプの一緒に仕事したくない天才を演じた『コンペティション』は4月頃に上映します。ちなみに出資者の富豪とも仕事したくないです。
名門パブリックスクール男子寮の中でも顔も頭もとびっきり良い彼のことを、共産主義的な自分とは相容れないブルジョワ野郎だと軽蔑したいのにどうしても気になって目で追っていたら彼と別寮の美少年の関係がどんどん深まっていく、若き日のコリン・ファースらキャストが眩しい傑作映画を上映します。
『おみおくりの作法』の監督による、実話を元にした映画『いつかの君にもわかること』。 『お見送りの作法』同様いかにもお涙頂戴な演出は抑えて、父子の日々をそっと綴っています。それにまだ予告編ですからね。涙は本編までとっておきましょう。3/31(fri)から上映します。
笑えて前向きになれてポジティブなメッセージを受け取れる『シャイニー・シュリンプス! 世界に羽ばたけ』はフランスでシリーズ累計70万人動員のヒット作。一応2作目ですが前作を観ていなくても問題なしです。あとこいつら大して水球しないので水球のルール知らなくても問題なしです。せんのかい。
"語り手"の周りに集まった人々が古代エジプトの話が聴きたい中世欧州がいい、いやモロッコだ、主人公は男だ女だと口々に言うものだから、3つの時代の3人の王子の物語が語られて、耳そばだてる私たちを古今東西の歴史と泉のように湧き出る想像力が織りなす別世界へといざなってくれる映画を上映します。
自分の養鶏会社の実権を妻に握られた男は若い姪と関係を持つだけでなく内なる憎しみを女たちへの嗜虐で満たし、妻も妻で、姪も姪で、この現代社会で病んでいて、各々の薄暗い欲望が極点に達した時、卵からある"形質"を持つ畸形鶏が、心から殺意が、孵化する映画を上映します。卵が先か、殺しが先か。
で、ニコラス・ケイジがピンチになります。密かに接触してきたCIAからこれを機に組織を探れと言われてるのにニコラス・ケイジが好きすぎるペドロ・パスカルがぐいぐい来るので。あと、映画のニコラス・ケイジと違って現実のニコラス・ケイジは捜査スキルをまるで持ち合わせていないので。それはそう。
大学同期の親友同士という気鋭女性監督と脚本家が生み出したこの映画は、中国の一人っ子政策と家父長制の中でSNSを中心に大きな共感と感動を呼び、2週連続No.1になりました。日本でも(これは私の映画だ…!)と感じる人は多いはず。 『シスター 夏の分かれ道』12/23(fri)より
穏やかな午後に森の教会に集った6人の女性が、想いを語り合って連帯する場面から始まる映画を上映します。ただし話題は【黒人やアジア人どもがのさばる多様性社会】への強烈なヘイト。6人は町に繰り出し…この映画、ここから90分のノンストップ撮影で邪悪と最悪以外1秒も映りません。史上最悪の映画。
100兆ジンバブエ・ドル札が発行されるほど経済が混迷を極めた祖国を離れて異国で生きていくしかない彼らの想いと願い、初めて出会ったワインがもたらしてくれた喜びと楽しみ。ワインの(ほぼ)ない国からやって来た4人の男たちは奇跡を起こすのか。『チーム・ジンバブエのソムリエたち』今冬上映です。
男が一人車を駆ってデンバーからサンフランシスコまで1200マイルを不眠不休の15時間で走り切る、それだけに過ぎない40年も前の映画を上映します。つまりこれは、それだけに過ぎないのに40年古びなかった映画。疾走するスピードの中に意味と理屈が流れ消え、私たちは今もこの映画に追いつけていない。
喧嘩別れした親友から「白血病で余命宣告を受けたので元恋人への心残りを清算しに行くから付き合ってくれ」と言われてNYからタイに戻ったら"元恋人"が各地に何人もいるせいで国中を巡る旅になり、幾つもの恋の終わりと近づく最期を想う友情がタイの美しい風景の中に連なっていく映画を上映します。
メキシコの、営利誘拐がもはや"準日常化"している町で、身代金を払ったのに娘が帰って来ず警察にも見放された母親が、自力で娘を取り戻すために社会そのものに複雑無慈悲に組み込まれた"誘拐というビジネス"の深淵に踏み込んでいく映画を上映します。コネもノウハウもなく、彼女にあるのは愛と執念。
その街のその建物にそれぞれに住む、仲が良好とは言えないウクライナ人とポーランド人とユダヤ人の3家族が、街がソ連に、ドイツに、再度ソ連に占領される中で強い絆で結ばれていく映画を上映します。大人たちが歴史に飲まれる度、1人の母に子が託される。彼女は守る。民族を超え、全員を我が子として。
映画のタイトルは「ヒューマン・ボイス」。特別価格800円で11/3(木・祝)から上映します。 さてペドロ・アルモドバルといえば、女であること、母であること、人であること、の業と喜びを幾重にも織り込んだ長編が真骨頂。同日11/3から長編『パラレル・マザーズ』も上映するのでこちらもお楽しみに。
「あなたがどんな詩を書いたって、日本は戦争に負ける」 萩原朔太郎の娘である萩原葉子の同名小説映画化『天上の花』は1/20(fri)より上映です。レーティングはPG12ですが女性への暴力描写がありますのでご注意ください。
これは多分お涙頂戴のために不幸要素を集めて1人のキャラに全部盛りしたわけじゃなくて、子供の貧困率や非正規労働者の割合やひとり親世帯の比率や19歳以下の出産率の全国1位がぜんぶ沖縄県なのはそれぞれの要素がどこかで関連しているからで、きっと"彼女"はスクリーンの向こうにもこちらにもいる。
事故で記憶を失って以来なぜか時々「相手にこれから起こること」が見えるようになっていて、それがなぜなのか誰にも説明してもらえず、深まる混乱の中で記憶喪失の自分に献身的に尽くす夫のことをも怪しんでしまうようになる、観客のこちらまで深い謎の奥底へと引きずり込まれる映画を上映します。
ロックダウン下のベルファストで1日11時間のリハーサルを一週間重ねた末に、実際に夜の市内で撮影に挑んで完成させた衝撃作『ナイトライド 時間は嗤う』は12/23(fri)より上映です。主人公以外のほぼ全員が【通話口の音声だけで映画に登場しない】のが余計に緊迫感を煽る。
気乗りしないままパリ万博のモニュメントを考案することになった男がパーティで出会った友人の奥方に「あなたの野心作を見たい」と言われて【圧倒的なモニュメント】を造り始める映画を上映します。 2つ補足 1.彼と奥方、実は初対面ではなく過去があります。 2.彼の名はエッフェル。つまり造ったのは…
昨日のゴールデン・グローブ賞でも2部門ノミネート。NY映画批評家協会賞では監督賞を受賞しているので、アカデミー賞ノミネートくらいあってももう全然不思議じゃない感じですね。 全ての回とはお約束できませんが、当館1Fホールでの上映を予定しています。『RRR』浴びてください。
死に近づき薄れゆく"彼"の意識の中に、こうして時がうつろい時代と国が変わる前、自分が一つの国の皇帝に即位することになったあの幼い日からの激動の記憶が千々の断片となって浮かんでは消えていく、歴史絵巻の如き壮大なスケールの映画を4Kレストア上映します。彼の名は愛新覚羅溥儀。清国最後の皇帝
難聴が不便といえばちょい不便なくらいで毎日が楽しい若者が、村長選立候補を決意したきまじめ兄貴と共に村という小さな、だけどそこに生きる者にとっては大きな場所のために支配者と闘う。…地味では?という危惧もありましょうが、ちゃんと踊るしバトるし爆ぜる仕様となっております。それはそう。