そもそも『ぼくのエリ 200歳の少女』と『裏切りのサーカス』が同じ監督というのが意外という人もいるでしょうが、今回はさらにジャンルを変えておとぼけ窃盗団のゆるくて小洒落た犯罪コメディ。日本でいうルパン三世みたいにスウェーデンで国民的人気だったシリーズの映画化『ギャング・カルテット』。
ハラハラの犯行計画を立てたり「フィンランドの王冠」を使って北欧を手中に収めようとする悪玉が出てきたりと老若男女が楽しめる作風だけど、監督が監督なのでどうしても映像がスタイリッシュになってしまった『ギャング・カルテット 世紀の怪盗アンサンブル』今秋上映です。
1968年に失恋でメンタルぼろぼろになってインドに行ったらちょうどビートルズの4人も同じ僧院に来ていて、彼らに一対一で愛や人生のアドバイスをもらったり名盤「ホワイト・アルバム」の曲が生まれる瞬間を目撃したりと奇跡のような8日間を過ごして人生が変わった青年のドキュメンタリーを上映します。
不意打ちのように嬉しいお知らせをします。『ギルバート・グレイプ』を上映します。ジョニー・デップの黄金期90年代における最も輝かしい黄金、レオナルド・ディカプリオ全キャリアにおける演技オールタイムベスト、監督ラッセ・ハルストレムの最高傑作。色あせることなきエヴァ―グリーンな名作です。
養護施設を脱走してお母さんに会いに行ったけどやっぱりそこに居場所はなくて知らない町の海岸でぼんやりしてたら軽トラで寝起きしてるあやしい風体のオダギリジョーに出会って、その海岸が少年の"居場所"になる映画を上映します。オダギリジョー、軽トラで寝起きするあやしい風体の男が日本一ハマる。
森で暮らしていたおばあちゃんが死んだ哀しみでおかあさんがふっとどこかにいなくなってしまった8歳の子が、森で同い年の子と友だちになって家に行ったらその子のおかあさんが若い頃のおばあちゃんで、私、8歳の頃のおかあさんと友だちになったんだ、と気づく宝石のように美しい73分の映画を上映します
『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマの作品です。こんな映画を撮れるなんて、彼女はきっと8歳の頃の世界の見え方を覚えているのでしょう。不思議なことがちっとも不思議ではなかった頃のことを。そしてまた、母もまた娘であると知る成熟も持ち合わせているのでしょう。他の人には撮れない映画です。
映画のタイトルは『秘密の森の、その向こう』。 もちろんヒットしてほしいけれど、本当はあなたにだけこっそりと教えたい、秘密の小さな映画です。10/14(金)から上映します。ひみつだよ。
ジャガイモ料理を公爵に出してクビになった宮廷料理人が故郷の森に帰って"あるもの"を作ってみたら庶民にも貴族にも大評判になってしまう、観てるだけでお腹が空いてくる実話ベースの映画を上映します。気になる"あるもの"ですが…料理じゃないです。彼が作ったもの、それは人類史上初の【レストラン】
まずこの映画、映像がひたすら眼福。豊かな森に射す自然光も極上の食材を引き立てる陰影も、本当に18世紀でロケしたよう。"代金を払って食を愉しむ"という概念がない時代に、旅人のための休息所がちょっとした創意工夫や親切心や抜群の料理でレストランに《なっていく》過程を、過剰演なしで描きます。
クビにされた失望を「公爵様のされたことだ…」と押し殺す料理人が、まもなく到来するフランス革命ドンピシャ世代で価値観が新しい息子や、料理人=男の時代に弟子入りしてきた謎の女性と共に店を繁盛させていると、例の公爵が噂を聞きつけてきて…。 至福の映画『デリシュ!』は9/30(金)から上映です
そんでこっちが8/5(金)から上映するストレスで胃が痛くなる方のレストラン映画です。 twitter.com/sarnathhall/st…
生まれが貧しいせいでケンブリッジ大学に留学できなかったインドの天才が大人になってから自分と同じ境遇の30人をインド中から集めて学費と食費と家賃無料で勉強教えてみんなで名門校を目指した実話に、歌と涙と感動のインド映画テイストをたっぷり盛り込んだ、歌と涙と感動のインド映画を上映します。
身分制度の観念が根強く「王の子供だけが王になれる」という考え方があるインドでこの学び舎は色々と妨害を受け…といったインド映画的ピンチ(とかシンプルに金欠でお腹が空くピンチとか)を乗り越えて、先生と30人の生徒たちが夢を目指したこの教育プログラム、今も継続され大きな成果をあげているそう
世界が注目するインドの教育プログラム「スーパー30」の誕生を描いた映画『スーパー30 アーナンド先生の教室』は10/14(金)から上映です。泣いて笑って感動して…健康のためにもインド映画成分は定期的に摂取しましょう。
買った家の地下にマンホールがあって降りると家の2階に到着してその間に12時間が経過しててさらに自分が3日若返ってる映画を上映します。整理しましょう。地下から降りると2階に着く穴で、人生を半日失うけれど3日若くなれる。穴には何度でも降りれます。……ね?もうこの映画のことしか考えられない。
案の定というか、映画の主人公の家を買った中年夫婦も生活がおかしなことになっていくわけです。スパイク・ジョーンズ系映画が好きならきっと大満足の、74分という上映時間であなたの世界観と価値観をぐにゃんぐにゃんにさせる『地下室のヘンな穴』は9/30(金)から上映です。猫も出るよ。
名門パブリックスクール男子寮の中でも顔も頭もとびっきり良い彼のことを、共産主義的な自分とは相容れないブルジョワ野郎だと軽蔑したいのにどうしても気になって目で追っていたら彼と別寮の美少年の関係がどんどん深まっていく、若き日のコリン・ファースらキャストが眩しい傑作映画を上映します。
「ティルダ・スウィントンが電話で元恋人と話をしていて最初はクールで余裕あるいつものティルダ様なのに次第に相手への屈折した想いが隠し切れなくなっていく、30分間巨大感情炸裂完全一人芝居」という、映画ファンにとってご褒美でしかない短編映画を上映します。30分間ずっとティルダ様のターン。
ジャン・コクトーの戯曲を名匠ペドロ・アルモドバルが翻案した切れ味鋭い短編。アルモドバルは「狂気に至るまで愛しているが媚びるほど依存しきっていない」と表現する主人公をティルダ様が完璧に演じてくれたことについて「全ての映画監督がこういう気持ちになれることを願う」とご満悦。ですよね~。
映画のタイトルは「ヒューマン・ボイス」。特別価格800円で11/3(木・祝)から上映します。 さてペドロ・アルモドバルといえば、女であること、母であること、人であること、の業と喜びを幾重にも織り込んだ長編が真骨頂。同日11/3から長編『パラレル・マザーズ』も上映するのでこちらもお楽しみに。
お父さんとお母さんと一人娘とヤンの4人で幸せに暮らしていたらヤンの具合が悪くなって、何とか治そうと彼の視覚メモリ領域にアクセスしたら【4人で過ごしたかけがえのない瞬間の数々】の他に【  】が保存されていた映画を上映します。愛と理解、記憶と存在証明を巡る、これは一編の詩のような映画。
ヤンの目を通して【体験】する自分たち4人家族の愛情と絆、そして何も知らなかったヤン自身のこと。庭の朝露のように、ゆっくりと淹れた中国茶のように、繊細で滋味深くて謎めいているこの映画は、たとえ世間のランキングには入らなくても自分の「好きな映画リスト」にそっと忍ばせたくなるはずです。
系統は違うけれど『her/世界でひとつの彼女』や『ガタカ』に比肩する映像美とMitskiが歌う『リリィ・シュシュのすべて』の名曲がこの作品の価値をさらに高めています。人と人ならざる者とのあわいを描くA24の新作『アフター・ヤン』、冬の戸口を叩く11月頃に上映します。
昼にアクセサリー作家の活動をするために居酒屋の住み込みパートで夜間に働いていたらコロナで仕事と住む家と次の求人案件を全部失って、しかもファミレスとかも8時9時で閉まってて、ポツリと灯ったバス停の常夜灯の下で朝を待つ、そういうところから彼女の次の物語が始まっていく映画を上映します。