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次の手術が済んでも運動制限はある子なので音楽を習うのがいいかなと思っている娘②にネェネみたいにピアノを習うか何か違う楽器がいいかなと聞いたら
「娘②ッタン、アレガイイ!」
指さしたのがギブソンのレスポールスタンダート‘60だったのはどうしたらいいんですか25万位する本気のエレキギター
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先週4歳は体調不良で10歳は学級閉鎖。状況が悪いですねと訪問看護とリハをお休みしたら、4歳はずっと看護師さんとOT・PTさんを玄関で待っていまして。先日訪問医療を巡っては戦慄するような事件があって、現場の方は暗澹としたお気持ちでしょうが、利用者は待っていますので、待っていますから。
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ついこの前、4歳を幼稚園に送ろうと思った朝の駐輪場で迷子のコクワガタを拾ってそのままレッスンバッグにブローチみたいにくっつけて幼稚園に連れて行ったのですよね。そうしたら人生史上最高にちいさい人類にモテまして、真夏の使者、森の王、クワガタすげえなと思ったことでした。
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娘②の入院と日程が全日被った息子の修学旅行、碌なお弁当も持たせてやれず中途半端な準備で病室から気持ちだけ見送った息子の私へのお土産が
「これ超うまかった」
岡山の宿で夕食に出された高級なマスカットを一粒大切にティッシュに包んできたヤツで、ええ食べましたよ腹は丈夫ですから。
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クラスのお友達から「だいすき」なんて内容のお手紙をもらってきて大喜びのうちの4歳児は、まだ数字しか書けないもので、さくらんぼ模様の便箋にクーピーで書かれたお返事はランダムな数字の羅列だけ。それを隣で見ていたこの子の兄の曰く
「乱数表や...天才やな」
たぶん違うと思う。
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NICUにも窓がありました。
温度管理の完璧な空間に窓、それは自然の採光を室内に取り入れるためのものだと思いますが、そこに娘を預けていた頃の私には、面会時間を終えて病院の外から小児病棟を見上げた時、あの灯りの中で娘は安心して眠っている、そう思うためのやさしいひかりの、希望の窓でした。
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『こんな学校あったらいいな』をテーマにした創作。
今、医療的ケア児の就園を一体どうしたら..という私による私の私の為の物話(何
個人名義の『落とし物箱』と言うのは息子の実話です。
『みらい』を、待ってる。|きなこ @3h4m1 #note #こんな学校あったらいいな note.com/6016/n/na3be6b…
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3歳の子にどの位『共感』という感情があるのかは分からないけど、形成外科に後頭部の褥瘡ケア行って戻った『この世の終わり』の顔の娘②と今から検査に向かう吸引器と点滴に繋がれた男の子がすれ違いざまに無表情に手を振り合って
「たいへんやな」
「アンタもね」
そういう風情だった。頑張れ
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病院のエレベーターで一緒になった真新しいベビードレスの小さな赤ちゃんに
「アカチャン、カワイイ」
娘が話しかけたらその子のママが春に生まれて今退院してきたのと教えてくれた。きっと思いがけないことが沢山あって、秋晴れの今日退院した赤ちゃん。おめでとう。このひともNICUの卒業生です。
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珍しく早く帰って来たパパが嬉しくて、自分が最近リハビリで何をしていて、お外の散歩で積んで来たアカツメクサはどこに生えてて、毎日がどういう風に楽しいか、たどたどしい言葉でずっと話している3歳を見ながら夫が
「手術の日、死んでたかもしれへんのよな、この子」
そう言った、ホンマやね。
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ICUは『生き馬の目を抜いているのはここ!』という部署であるし、軽く挨拶だけと思い面会時間丁度、ICUのインターホンを鳴らし「1ヶ月前にお世話になりまして、今日退院です」と伝えると「あっ!開錠します」と事務の人がそう言った直後、扉の向こうに聞こえたのはざわざわとした人の声と複数人の足音
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「今看護師の面接中なんです。決定のお知らせじゃなくて申し訳ないです」
そう言った娘②の入園予定の園の先生。いいんです。規格外の医療的ケア児の母になり「支援?そこに無ければないですね」をダイソー的に言われ続けて数年、手を尽して頂けるだけで嬉しい。神よ、あの園庭に油田が湧きますように
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時折お外で出会う首の座った位の月齢の赤ちゃんというものは、夏の陽の光を真白い積乱雲を遠くに眺めて目を眇めながら
「わたくしこの世界はまだまったく不慣れなもので、あのきらきらとふわふわしているものは一体何ですか」
と生真面目に困惑した顔をしていることが多くて大変に可愛いですね。
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今日の運動会、思春期前夜、現11歳の息子が
「運動会な、来たかったら来たら」
ちょっと恰好いい若者みたいに言うので
「おう、行けたら行くわ」
私も俺の中のおっさんを発動させてそう返事をしておいた。
行けたら行くわ(めっちゃ行く)
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「高校現代文は山月記だとかこころ、男性作家の作品が主流」という話が流れていたので、じゃあそれの女性作家の筆頭は誰なのかと考えたら私は向田邦子氏だと思うのですよね。それでもし今後、氏の文章を新しく教科書にとなった時私は『手袋をさがす』という短い随筆を推したいなと思うのです(以下連投
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滋賀県彦根市に本社のある『平和堂』というスーパーのミニマム版の店舗、フレンドマートに行ったらば店内に流れるテーマソングが遠く琵琶湖に届きそうなええ声で「え、なに?」と思ったらそれは西川貴教さんだった。創業65周年特命GMなんだそう、お兄さん地元大好きやねんな。
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うちは息子と娘②の間に9学年歳の差があり、小さな子供の信じるファンタジーの世界観から既に抜け出しているひとと、今まさにその中に暮らすひとが同居しているけれど、娘②の世界からサンタの存在を守るため息子は中学生以降もサンタからのプレゼントを貰うらしい。
「俺だけ無いと不審に思われる」
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就学旅行の様式美をどうしても踏襲したい息子が
「広島に木刀売ってると思う?」
行程にある安芸の宮島であの伝説の修学旅行アイテムを手に入れる気でいますが、それはあの今色々手が付けられない妹(2歳9ヶ月児)に武器を買い与えるという事になります。
良いのですか息子、後悔しませんね息子。
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男の子の設定的には、そこはとても暗い危険な海なのだそう。でも娘は普段外出する時には携帯できる医療用酸素をつけているので
「あのさあ、実はこれ酸素ボンベなんやで」
と教えてあげたら
「すげえ!海なら無敵やん!」
ホントは海で使うヤツじゃないんだけど、そう言って去って行った。可愛い。
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3歳の便秘が慢性化してきて病院にいきましたら利尿剤を使っている子は便秘になりやすいとのことで就寝前の便秘のお薬が追加されまして、私が
「ヤクルト毎日飲んでるんですけどね」
そう言うと主治医は
「ヤクルトでは利尿剤に勝てん」
とのことでシロタ株におかれましてはもう少し頑張れ。
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人為的過誤は誰しも起こす。とは言え小児外来で出された処方箋の
『ワーファリンの記載漏れ』
には普段お世話になっている処方箋薬局の薬剤師さんも私も電話照会した外来の看護師さんも騒然となったしそれが無いと血栓で人工血管が詰まる危険のある娘②はニコニコしながらペロペロチョコ食べてるし。
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「僕、3年前の術後に娘②ちゃんの担当だったんです。大っきくなりましたねぇ」
今日のICU担当ナースが生後3ヶ月の小さな娘②を覚えていてくれて、私もその大柄な人をよく覚えていて、娘②がその声で不機嫌そうに瞼を少しだけ開ける。
(ウルサイナァ)
目つきはとても虚ろ、でも反応した。
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3歳が幼稚園であたらしく貰ったサクラ色鉛筆を片手にとことこやってきて、すごく得意そうにその12色入りの缶の蓋を開いて私に
「ままはどのいろがすき?コメントらんでおしえてねー!」
そう聞いて来たのは可愛いけど、それって何?いまここで答えたらあかんやつなん?
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娘②、検査が嫌だとか主治医に抱っこされたく無いだとか今リハビリはしたく無いとか、そう言う時に
「フーン...」
と力無く泣くようになった。でも笑ってくれない、笑顔は泣き顔より高度な人の感情の発露なのだと知る。
笑って欲しい
退院して帰ってきたら何もしてあげるから笑って欲しい。