1
「キツネ色になるまで揚げてね」
「キツネ色ってどんな?」
「可愛い柴犬っぽい色」
3歳のことで手を離せなくて夫に揚げ物の火の番を頼んだ時、良い揚げ色は柴犬の色だと教えたら夫がよく知っている柴犬は実家の『きなこ』でその子が『黒柴』だった事、それが全ての不幸の始まりでした。
2
息子が友達と遊んで来るというので「誰と遊ぶの」と聞いたら数名のよく名前を聞くお友達の中に、初めて耳にする名前の子が1人いたので、その子誰?新しいお友達?そう聞いたら
「元○○君、最近アプデして苗字が変わった」
という事らしい。良いなそれ、家族再編がアップデート。
3
「このご時世に申し訳ないんですが」
と言ってご自身の妊娠をTLにそっと告げるマザー何?どうしたの?命よ?いついかなる時それがどんな状態でも命希望よ?空割れて光降り注いで星輝いて三賢人現れるヤツよ?
おめでとう幸福な方身体を大切に未来の見えない今も命の生まれる幸福を世界にありがとう。
4
5
教会での結婚式の際「この結婚に正当な理由で意義のある方は今ここで申し出てください」という言葉を牧師が述べることがあるけれど、牧師でもある大学の恩師の司式でかつて1人だけ挙手した人がいてそれが
「おばちゃまが遠くに行くからいやだ」
と言った新婦の甥(5歳)。牧師自ら説得したそう。
6
ウチは動物を飼えない社宅で仕方なく「マフィン」という名前の空想の茶トラの猫を飼い始めたんですよ、4歳が。
そうしたらマフィンが寝るから9時にはお布団に入るし、マフィンが飲み込むと危ないからレゴを片付けるし、マフィンが好きだと聞いて魚も食べるし、是非末永くウチにいてくれマフィン。
7
4歳、人間位の大きさの生き物は実は言葉を話すと思っているフシがあって散歩中に一緒に信号待ちをしたゴマおはぎ色の秋田犬に
「なんさい?」
「むすめちゃんは4さい」
こそこそと話しかけて犬さんは「えっ?ぼくしゃべれません」の表情でやや困惑し飼い主のオトウサンは密やかに微笑んでおられた
8
高校の遠足の団体のいるテーマパークでどこのグループにも入れなかったらしい高校生の女の子が1人でベンチに座っていちごのアイスを食べて、ひとつ空けた隣でうちの4歳がおんなじいちごのアイスを食べて、2人の頭上に観覧車。
「へんな仲間ができてしもた」って顔で笑ったあの子は多分大丈夫。
9
駅前、大学生っぽい女の子が「今更見た目が好みじゃないし別れたいって何なん、やばない」という話をしながらあと2人、計3人がこの雨の中チョコモナカジャンボをばりぼり食べていて、雨の雫かなという程度にその子が頬がほんの少し濡れていて、そいつは増水している淀川に流そうぜと思った次第です。
10
お昼用のミートソースを作りながら掃除機もしたくて10歳に
「これさ、放っとくと焦げ付くから木べらでぐるぐるかき回しておいてくれへん、ホラ魔女みたいな感じで」
作業ニュアンスを細かに伝えたら快諾してくれた上に
「イーッヒッヒッヒ」
魔女風の高笑いでかき回してはってもう真面目か。
11
娘②が入園する幼稚園に、手術が13時間かかった事、回復に時間がかかる事、体の状態が大きく変った場合は入園できないかもしれないと言う事を連絡した、そうしたら
「看護師さん採用できたんですよ、待ってますから!」
末娘の為に看護師が本当に採用になっていた。
生きていれば、明日は続く。
12
近所の『猛犬注意』の札を門扉に貼っている大きなお屋敷、大型犬でも飼ってはるんかと思っていたら今日、格子戸をからり開けて出たきたおばあちゃまの連れたワンちゃんが大変にポメポメしい栗毛のポメラニアンだったもので「エッ?」って顔をしたらおばあちゃまも「ウフフそうなの」って顔、確信犯。
13
4歳が出先で自販機の補充の人を見たのですよね、機械の中の飲料を確認して補充してる所を、それを4歳が
「あれはニンゲンがやってたん?」
て驚いてじーっと見ていたら、そのお兄さんがこそっと
「...実はおれニンゲンちゃうねん」
と言ったのでウチではベンダーの人は自販機の妖精です、妖精。
14
15
4歳と買い物に出た途中の工事現場、見習いと思しき男の子が「山田それ違うやろ死ぬぞこのアホがクソが」のような文言で先輩らしき人に相当叱られていて、その様子を信号待ち中じっと見ていた4歳が急に「がんばれ!」と叫んで
「…ッス」
そんな感じに山田が4歳に会釈して笑った。山田頑張れ。
16
買い出し行くのに寺の横道を歩いてたら卒塔婆担いで歩く2歳位の男の子が。何で卒塔婆?怪奇現象?突然のメメントモリ?と思ったら多分その子の父と思しき住職さんが寺から転がり出て来て
「それはパパの大事大事だから!」
「イヤー!ソトバー!」
わかる。
2歳児の変なモノへの執着
でも卒塔婆。
17
「私2歳くらいまで病気で口から飲んだり食べたりできへんくてな、リハビリして生まれて初めて外食したのがサイゼで、私がミートソースで口の周り中真っ赤にして食べてくれたのがホンマに嬉しかったってママが未だに言うねん」
十数年後、サイゼリヤに誘われた時に披露されるウチの4歳の逸話です。
18
そう言えば今日、うちの5歳が「ママあのねえ、これはひみつなんだけど、今日幼稚園の年長さんのお教室に探検にいったらね、年長さんが全然いなかったんだよ…」って声を潜めてこっそり教えてくれたけど、お母さんは知ってるよ、実はねえ、年長さんはねえ、
卒園したんだよ。
19
さして広い家でもないのに、毎朝10歳と12歳を各部屋を回って何度も起こさないといけないのが非常に手間なので、家にラピュタで見た『伝声菅』を引きたいと12歳に言ったら大変に生き生きとした瞳で
「塩ビパイプとかで作れへんか」
と言って検索し出したけどそんなことより今から40秒で支度しな。
20
4歳の娘の通う幼稚園は、酸素ボンベのホースを首の後ろから伸ばして運動会でかけっこする娘がいたところでヨソさんのパパママは我が子に夢中やし、お友達は「そういうもん」て思ってはるし、4歳は感動枠の特別扱いも可哀相という空気も特になくビリ、4等の旗の列で笑い、フツウの良い運動会でした。
21
2ヶ月前ICUで
「自分の心臓をこの子と取り替えてもいいからこの子を生かしてほしい」
そう思って泣いていた私には
「この子2ヶ月後には退院してるし運動機能も結構回復して挙句机の上から飛び降りようして度肝抜かれるし自分の心臓は大事にした方が良い」
とお伝えしたい。いえもうほんとに。
22
割と背が高い方なので、今日スーパーで背の低い高校生位の女の子2人が陳列棚の最上段の奥にある缶詰を取ろうとして背伸びしているのを
「あ、これ?」
と取ってあげたら、私より頭ひとつ小さいその子達が「恋に落ちるかと思た!」と言ったのでとりあえず42歳の主婦であることを詫びました。
23
4歳児によると幼稚園という世界線ではいま男女共に
『ピカピカどろだんごをつくるのが一番上手な子が一番かっこよくて人気者』
ということらしい。いいなあ、お母さんもちょっとだけそっちに行きたい。
24
ご近所の、この夏生まれた赤ちゃんがママの抱っこ紐でお散歩に出ているのを見ていたら、その子が雨上がりの空がやけに澄んで高いのだとか、お顔のすぐ横をスイと横切ってゆくシオカラトンボの姿にぽかんと驚いていて、それで私も気がついたのですけれど、あの子は生まれて初めての秋なんですね。
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『乳児がいる家庭で起きる浮気問題』
それは己が乳も仕舞えず食事もままならずトイレも我慢する戦場の最前線で孤立している時にそのパートナーであるはずの人が戦友を見捨てて本能のまま安全地帯で享楽に身を任せていたという恋とか愛とか情を超えた人間の尊厳の問題だったりするし万死に値ウッ