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退院カンファ(事前打ち合わせ)。主治医、看護師、医療SW、保健師、訪問看護師、訪問PT、病院PTが勢ぞろいし、上限一杯リハ入れてと言ったPTも、迫力の訪問看護マザーズも、いずれ外来も俺が引き継ぐんやしと言った主治医も
「今日は皆、私の為にありがとう」
みたいな顔していた娘②も全部凄かった
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そして娘②が術後のPICS、半覚醒の緘黙状態を早期に抜けたのはその病棟の子ども達の力がきっととても大きい。娘②がPICUにいる間PICUの前室のナースステーションを越境して中を覗きに来た子の顔、廊下を点滴台と一緒に走って叱られていた子の声、絶対持てない大きさの体重計を運ぼうとしていた子の姿
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小児病棟入院は嬉しい事ではないけど、楽なのは子ども達が全員何かの病気なのでカニュラをして歩けない娘②も、お顔が浮腫んでいるお友達も、体に麻痺があるお友達も、体の何かが無いお友達も
細かい事は分からないけどそういうモノ
そんな空気の中誰も何も聞かない事。ただ、今その子がそう在る様に
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3歳の子にどの位『共感』という感情があるのかは分からないけど、形成外科に後頭部の褥瘡ケア行って戻った『この世の終わり』の顔の娘②と今から検査に向かう吸引器と点滴に繋がれた男の子がすれ違いざまに無表情に手を振り合って
「たいへんやな」
「アンタもね」
そういう風情だった。頑張れ
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よく病棟を散歩している1歳の男の子は凄く皆に愛されていて先日は紺色のTシャツの男の人に抱っこされてご機嫌。今日はパパが一緒でいいねと話しかけたら
「あ、違います」
その子の主治医だった。そんな彼も採血の日は一日先生を見てくれないらしい。分かる。娘②もとうとう採血中の主治医に裏拳が
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娘②が3日で500g増量、顔もアンパン的に膨らんでこれは浮腫みか腎臓またお前かと思っていたら主治医曰く
「尿も出てるし、それ、ただ太っただけ!」
太っただけ。
自宅で待っている家族の事、番外です
留守番乃記(Unexpected survivors番外)|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/nb768d9…
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障害のある人が公共交通機関を使う時にどう対応するべきか、その出来事の見え方はその人の経験の有無で情報の解像度がきっと全く違う。電動車いすがどんな物か、小児用の車いすがどんな構造か、介助者としてでも一度見る価値はあると思う。経験して初めて見える景色があって、それには結構愕然とする。
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春、入院中の病棟にも新入職員が来る。1年目だった子の胸から新人の印が消えずっと可愛い新人さんだと思っていたナースが
「今日リーダーなんです」
チームの長を任されていたり
月日の流れ光の速さ
そして娘②も術後初めて単語を口にした。
「アカチャンマン…」
ママじゃなくてあかちゃんまん
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お昼寝中に知らない場所に連れ去られ磔にされた、嫌だったと黙って激怒する娘②に、どうしたんや何があったんやそらリハビリ室やしゃあない頑張って退院するんや娘ちゃんと言われた所で突然笑顔になった娘②が
「…ハーイ」
微かな声で術後初めて返事をした。
その相手が主治医で私はとても嬉しい。
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鬼気迫る勢いでごはんを食べる娘②、経管栄養を早々に離脱。
誤嚥防止の為とは言え、寝ながらごはんを食べて周りから超絶褒められるボーナスステージ。
病棟は共感が先にあって憐憫の無い、面白い世界だと思う。
笑わない(Unexpected survivors8)|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/n700cc9…
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術後1ヶ月超、言葉はなく硬い表情、自力で座位も保てない娘②が執刀医の顔を見てほんの少し口角を上げた。
思わず先生と
「今、笑いましたね?」
「笑いましたよね?」
再び無表情の本人を他所にスゴイ、エライを連呼。
本日入園式は欠席、桜は散り始め、登園の目処も立たないけどとても嬉しい。
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小児病棟転棟の日からお世話になったナースが2人、私達今日で最後ですと挨拶に来てくれて驚いたら、娘②が入退院を繰り替えしている間に2人は結婚して家族が出来ていた
春は万物が流転しすぎて寂しい。おめでとう桐の箪笥を送りつけたい程お世話になった2人。娘②はリハビリの歩行器で少し歩きました
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PICS、集中治療後症候群が強く疑われる娘②は、座位の維持と歩行が困難、嚥下はヨーグルトをひとつあとは経管栄養、身体機能がずいぶん落ちた。
何より一言も喋らないし笑わないし、始終物悲しい顔をしていて、死線を超えた人間は強いと言うけれど多分それは違う。
3歳児も、こんなに傷つく。
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術後、在宅酸素の他に再び経管栄養児になった娘②は、絶賛摂食リハビリ中。
今日は突然ヨーグルトを完食。
娘②のように疾患と闘う医療的ケア児が世に出た時、次に直接世の中と闘わないといけない、そんな事にならないよう、彼等が安心して暮らせる世界を大人である私達が希求したいと思います。 twitter.com/medcare_kids/s…
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娘②、リハビリ期に入る。
STが病床に来てくれるようになり、それと並行して日に2回のPTのリハ。無言の娘②はもしかしたら「モウイイ」と思っているのかもしれない、が、そうはいかない立たないと、食べないと。
食べない(Unexpected survivors7)|きなこ @3h4m1 #note note.com/6016/n/n707b6a…
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娘②、検査が嫌だとか主治医に抱っこされたく無いだとか今リハビリはしたく無いとか、そう言う時に
「フーン...」
と力無く泣くようになった。でも笑ってくれない、笑顔は泣き顔より高度な人の感情の発露なのだと知る。
笑って欲しい
退院して帰ってきたら何もしてあげるから笑って欲しい。
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娘②、言語聴覚士の持参した2つのゼリーを
「どっちがいい?」
と聞かれてリンゴ味を指す。
術後初めての明確な意思表示。時間はかかっても末娘は手術前の状態に戻るかもしれない、帰りのバスで大荷物の私に桐原の速単を読んでいた高校生が席を譲ってくれた。娘②も貴方みたいになれたら嬉しい。
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娘②、声帯の異常は無いと言われるも未だ発語も表情も殆どないまま。今日はオペ後初めて点滴ルートの取り直しで掠れ声を上げて少し泣く
「アカンまた嫌われる」
そう言ったのは主治医、でも反応出来てるやん大丈夫やと笑った
春休みを迎えた小児病棟は戦場の忙しさ。娘②もナースも先生も皆頑張れ。
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インターフォンを押せば
「国税局査察部です」
電話をかけてきたと思ったら
「俺だよ、オレオレ」
それが鉄板の持ちネタの息子、本日誕生日。本日の晩餐については
「俺の誕生日ケーキは娘②の退院まで保留」
バースデーケーキの『ろうそくフー権』を入院中の妹に譲るらしい。誕生日おめでとう。
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ただこの件について執刀医は
「僕の意見としては、せん妄かと思うんですが、勿論断言はできません、でも食べられるようになって、この環境を出たら大分違いますよ」
そう言うし主治医2人は
「絶対俺の事わかってる」
と断言するのでリハビリを頑張ります。入園は遅れると思うけど
生きてるし。
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コノビーの記事が公開になりました。
この春、新入園を迎える皆様おめでとうございます。入院中の娘②の園用品も大体揃いました。
裾上げ..名前つけ..何かしら食えるのかしらそれは。
入園してくれたらラクになる!…私はなぜそんな夢をみていたのだろう。 conobie.jp/article/18832 #コノビー #育児
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私の顔を見ても主治医の顔を見てもぼんやりとして反応しない娘②の口元にプリンをひとかけらスプーンにのせて持って行ったら、自分から口をあけて食べてくれた。咀嚼が不自然な上むせて嚥下に時間がかかったけれど、大好きなものは分かるんだと看護師も私も拍手喝采。嬉しかった。
今日はプリンの勝ち
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何しろ普通の主婦なので六本木の交差点で旧友に会う日も、日比谷の居酒屋に行く事もない。けれど燃え殻さんの書く都会の何処にいても所在のない、少し寂しくて空虚で、でもそれ良いんだという感情はきっとみんなが知っている
楽しみだった本、娘②の待つ病院へのお供に
#夢に迷ってタクシーを呼んだ
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娘②に起きる痙攣はICU症候群、せん妄らしい。
人工呼吸器を外し鎮静もやめて数日、発語は無いし日中はぼんやりとして許可を得て与えたリンゴジュースは全く飲めず。
1歳半まで経管栄養だった娘②がまた摂食リハに挑むのかと思って外を見たら向かいのNICUの灯が見えた。あそこを出てもう3年まだ3年。