Shotaro TSUDA(@brighthelmer)さんの人気ツイート(新しい順)

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日記や回顧録に「本当のこと」が書かれているとは限らないというのは頻繁に言われるところだが、それでもちゃんとした研究書であれば、先行研究のほかに多くの日記や回顧録も参照されている。
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それでようやく第4層、未刊行の資料。文書庫や資料館にいかないと閲覧できないもの。面白そうな資料とかをみつけるとワクワクする。が、それが論文になるかどうかは分からない。
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ここからがようやく本題なのだが、ネット言論だと「一次史料」が高く評価される傾向にあるし、第1層、第2層をすっ飛ばして、いきなり第3層や第4層に突撃してしまう人もいる。「先行研究は思想的に偏っていて、無価値だ」という価値判断があるのかもしれないが、やはりそれはまずい。
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あと、日本語文献があまりない領域の場合、海外の入門書クラスの文献をもとに日本語の概説書が書かれているケースもある。もちろん、日本語で読めるものを増やすのは大切なことなので、そういう概説書にもちゃんと意味はある。ただ、個人的にはなんとかその水準を越えたいと思っている。
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第3層は刊行されている回顧録、日記、報告書等。最近では図書館になくとも、海外の文献もネットで買えることが多いので、昔よりもアクセスが容易になったはず。そのぶん、読むべきものは果てしなく増えていく。
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第2層は専門書や論文。先行研究として挙げられるのはこのクラス。領域によっては膨大な数があるため、第2層を突破するのは大変。「これ、先行研究を読むだけで一生が終わるんじゃね?」という不安に陥ることも。それでも、主要なものはやはりおさえておきたい。
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何かについて調べたいというとき、資料を4つの層に分けて考えている。第1層は入門書。大学の学部生ぐらいが読むことを想定して書かれたもの。これは意外とバカにならなくて、自分が知ろうと思う領域の全体像を知るうえで役立つし、第2層以降の読書案内にもなる。
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「PCがない世帯が増えている」というのがちょっと話題だったので、いちおうデータを。PCを保有している世帯は2010年には83.4%だったのに対し、2020年には70.1%。出典は令和3年度版情報通信白書。
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むかし「文化資本が豊かな家庭は長く、複雑な構文で会話をする」というような話を読んだ。そこで「我が家の文化資本を高めるために、長い文章で話をしよう」などと思ったのだが、その効果がミリほども感じられないので、今では「ワロス」「ドゥフフ、大草原不可避」などと語る父親になってしまった。
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「『理論を持たぬ歴史家は、その空白を自分の偏見で埋める』とハンコック教授は申しております。声高に公平中立を宣言する歴史家こそ、最も疑わしい歴史家であります。」(p.150)
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ずっと前に読んだ、E.H.カー『新しい社会』(岩波新書、1953年)をパラパラめくっていたら、こんな箇所に横線が引いてあった。「歴史家が自分の仕事の中にある主観的要素をハッキリと意識することによって、自分自身の限界、自分の仕事の性格を一層よく知るようになる…」
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しばしば「人は歴史から学ばない」と言われるが、外交史家のアーネスト・メイによると、外交政策(外交に限らずだと思うけど…)ではむしろ「歴史から歪んだ教訓を引き出してしまう」のが問題だという。
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地雷本(政治や社会、歴史に関するもの)を避ける大まかな目安としては、①タイトルで何かを攻撃している、②タイトルに「真実」が入っている、③短期間のうちに同じ著者が何冊も出している、ぐらいかなあ。
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な人々の大多数は犯罪に手を染めないし、富裕な層が差別思想や犯罪に加担しないなどということは全くないというのは大前提。
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昨日の事件に関係なく、「経済的な不安定さと犯罪行為との間には関連性がある」というここと「抑圧された負のエネルギーが差別的な思想を通して特定の人々への攻撃につながる」ということは完全に両立しうる話なので、いずれの見方を取ろうとも他方を否定する必要は全くない。もちろん、経済的に不安定
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ちょっと前に「憎悪クリエイター」というのが話題になった。要するに、集団間の憎悪をわざと煽る記事を書いてPVを稼ぐという話。1996年に出版された本(翻訳の出版は2003年)を読んでたら、米国ではその手の話はかなり以前からあったことが分かったので、ちょっと紹介。
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オリンピックはナショナリズムを煽るという意見がある一方、むかしある先生が「戦争を始めるぐらいなら、スポーツでいがみあってエネルギーを発散する方がずっと良い」と言っていて、未だに自分のなかでは決着がつかない。
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猪瀬さんに限らず、「メディアに煽られて事前には反対と言いつつ、開催されたらそれをすっかり忘れてオリンピックに熱狂する愚かな大衆」というイメージを持っている人がいるように思うのだが、世の中の人びとはもうちょっとしたたかだと思うんだけどな。
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「オリンピックに関わるものは全て肯定」か「全て拒否」かの二択ではなく、「見るには見るけど、この時期の開催が正しかったかは微妙」という層も相当いると思うが、「事前の反対はあったが、結局は大成功だった」という物語にやがて回収されていくことを予感させるツイート。twitter.com/inosenaoki/sta…
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人間というのは本来、曖昧さも矛盾もごく自然に抱え込んでいるものだと思うが、ネット上では過去の発言が蓄積されていくのに加えて、他人の信頼性を壊すもっとも手っ取り早い方法が「ダブルスタンダード」を指摘することになってしまったので、曖昧さや矛盾が許されない状況になってしまった。
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娘とツイッター談義をしたのだが、彼女のTLは小山田氏はおろかオリンピックの話題すらも全く出てこない、ゆるふわ空間だという(たまにギスギスするらしい)。ぼくのTLは殺るか殺られるか、フォロワー数は銃口の数、昨日の友が今日の敵になる修羅場だと説明しておいた。やや誇張があることは認める。
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オリンピックを2024年まで再延期して東京とパリの共同開催にしてはどうかという打診が非公式にフランス政府からあったという話、先月にサンデー毎日も報道してたのか。気づかなかった。フランス政府もコロナ禍で財政的に厳しいらしい。mainichi.jp/sunday/article…
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どこが駄目かと言うと、諸外国から自分たちの国がどう見えるかばかりを気にしていて、他国の人びとがどう思うのかという視点が基本的に欠落しているということらしい。
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戦前に英国で出発されたプロパガンダ論を読んでいると、当時の日本について、海外からの宣伝攻勢で切り崩すのはほぼ不可能なほどに国内では強力な管理体制が敷かれている一方、海外に対するプロパガンダはお話にならないレベルという感じの評価になっていて、今に通じるものがあるように思う。
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至るところで誤解を生まないよう、変な批判を生まないよう予防線が貼ってある記事なんだけど、批判コメントをみていると、その予防線が完全にスルーされている感じ。