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「もし何かの被害に遭っても、どんな状況で何を着ていてお酒を飲んでたとしてもあなたは全く悪くない、悪いのは加害する方、だからすぐ相談や通報して。もし誰かに言うのが怖かったり相談先がわからない時は、とりあえず私に連絡して」とも伝えてる。シェルターや食堂を卒業する女の子たちにも、娘にも
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何にも怯えず一人暮らしができて好きな服装ができて夜を歩けて遊べる世の中がはやく当たり前になってほしい。それが実現しないから、私たちは女の子に「自衛」を教え続ける。それが必要だから。危機感があるから。でも被害に遭うことへの危機感と加害することへの危機感は、まだ釣り合ってないと思う
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もちろん女→男の加害もある。男→男も、女→女も。「被害に遭わない」教育は「加害しない」教育でもある。「何がいけないか」の軸は同じだから。でも男→女の加害が圧倒的多数な現状なのに女の子サイドへの教育の熱量が男の子サイドへのそれを上回ってる不均衡はなんとかならんものかな、ということ
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彼らは合理的な理由と説明を求めてるだけなのに、「黙って言うことをきかない」だけで素行の悪い子扱いをされる。たしかにちょいと「こだわり(って言い方好きじゃないけど)」が強いなって思う子もいるけど、そういう子にとって例えば→
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校則を守らない「悪い子」と評判の生徒さんと面談すると、ちっとも「悪い子」なんてことはなくて、ただ合理性をすごく大切にする子だったってことは珍しくない。校則に合理的な理由が見出せないから受け入れられない。理由をちゃんと説明されないから納得できない。つまり、実はとっても真面目さん
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他ならぬむすめ氏がそういうお子なのです。規範意識云々の問題ではないんですよ。むしろ規範意識が強いから、矛盾や浅さや非合理性をみて見ぬふりできないんです。さてさて高校生活、どうなるかしら…わりと不安…
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そんな学校の矛盾した姿勢は、本当に苦しい。ただ反抗的なように見られてしまうけれど、すごくすごく苦しんでる。
というフィードバックを学校にしても、「面倒な子」というラベルが追加されるだけでなかなか通じないのが悩ましい…
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「人を見た目で判断してはいけません」と言いながら見た目を画一化するようなルールがあったり、ルールを守りなさいと言いながら校則を守らせるために時に恫喝したり外見を強引に変えたりという法を犯す行為をしたり、自分の頭で考えなさいと言いながら反論を許さなかったり→
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性加害は、まさにコントロール(支配)欲求に根差してる。そして対人支援という業界はなにかと屈折しやすい。多忙で、賃金の格差が激しく、仕事での報われなさを「良いことしてる」やりがいで埋め、「世間」に評価されず時に攻撃されることも多々あり、自分にも身内に甘くなる
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「人を支援する」界隈での性加害がぽつぽつと表面化してる。「人を支援する立場なのにどうして」と思われるかもだけど、誰かの人生に関与することは他者をコントロールしたいという欲求のスイッチになる。「人のため」は権力。支援と支配は合わせ鏡。対人支援職はむしろ加害リスクの高い層かもしれない
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そして基本的にまだまだ男性優位。女性の従事者は多いのに、権威は男性に集中している。
「対人支援職なのにまさか」でも「対人支援職にかぎって」でもない。「対人支援職だからこそ」の視点で性加害事案を振り返り、抑止していかなきゃならないと思う。
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「対話しましょう」って言葉は、いつもいつも力を持ってる側から出てくる。被抑圧側でなくて。対話や多様性をうたう人や団体界隈での様々な加害事案や差別発言に触れる度に思う。対話は大切かもしれない。でも「対話しましょう」と言いたくなったら、まずその手の中のパワーの重みを味わった方がいい。
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「対話」は、あなたが/私が望む状態や言葉を引き出す道具じゃない。
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「合理的配慮」について学校関係者からほぼ必ず出てくる「他の子がズルいと言うのでは…」という懸念。ズルいと感じるのは自分なのに、生徒のせいにしないでほしい。もし「ズルい」の言う子がいるなら、その子自身が今の環境にしんどさや不満があるってこと。そっちをちゃんと汲んであげることが必要
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もう何年も何年も前のこと。当時勤めていた精神科医療機関での事例検討会で。ストレングスモデルが流行り始めていた頃だったので、御多分に洩れず「この人の強みはなんだろう!」みたいな流れになっていた。ひとりの後輩が「人当たりが良くて好かれるところです!」と発言した。「ん?」と思った→
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「だってうちらも人間じゃん」でごにょごにょと幕引きしそうになるのを私がしつこくしつこく遮ったから→
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人に好かれる、品行方正で愛嬌の良い人ほど多くの助けを得られるのだという事実が、そして他ならぬ「支援者」である私たち自身がそれを是としているという事実が曝け出されてしまった。その後の展開は思い出せないけど、会議の空気がひどく濁って重くなったことだけは記憶してる→
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「そうだねー」とさらさら流れていく空気を遮って「人に好かれることがどうして強みなの?」ときいてみた。その子は「人に好かれると、支援を受けやすいからです」と答えた。そこで蓋が開いた。支援は困窮や苦痛の深度によって提供される質量が変わるのではない→
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支援を受けたくば愛想良くしなさい。大学に行きたくば成績を上げて給付型奨学金を勝ち取りなさい。何らかのしんどさを抱えた人は、そうでない人よりも、他者からの評価が高くあることが求められてる。そうしてハンデが上塗りされていく→
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ありがとう、の言葉が自分を助ける。笑顔が自分を助ける。努力が、自分を助ける。それはひとつの事実。否定はしない。でも「困窮しハンデを負うほどに努力や感謝の姿勢を要求される」という不均衡については、どう頑張っても筋の通る理由を捻り出せない。今もまだ。
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NPO・ウェブメディアsoarに掲載されていた私及び当団体KAKECOMIの記事掲載を取り下げてほしい旨、編集部にお伝えしました。依頼が確認され更にその後対応に至るまで時間がかかることが想定されるため、この場でも取り下げの意思表示をします。取り下げ依頼の理由は、鈴木前理事による性加害です→
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何らかのハンデを背負う人の苦痛や困難だけでなく、強みや魅力を伝えるのは決して悪いことじゃない。でもそれが「キラキラしたとこを見せてほしい」というマジョリティ側の欲求に応えることを目的にしてしまったら、それはただの消費であり、搾取
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むすめ氏が高校の面談で「学校を休まないようにしっかり体調を管理しなさい」と言われたそうなのだが、体調を管理するために時に学校を休む必要が生じるんですよとしか。
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「学校を休まない」ための健康じゃないんですよ、健康という土台があった上での学びであり教育なんですよ。
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私も含めて「子どもを守る」を生業とする人が必ずしも子どもの頃「守られていた」わけじゃない。だから「子どもを守る」が何か分からなかったり翻訳がそれぞれ違っていたりする。そしてしばしば「子どもの頃の私はこうしてほしかった」を軸に判断することになるけれど、目の前の子はかつての私じゃない