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素晴らしい所が沢山あるのに、自信があまりにもない若者を数多く見てきました。謙虚であることは大切だし、自信過剰は感心しませんが、自分を過小評価するのも勿体ないです。だから新成人に、そして若い方々に、あえて谷崎潤一郎の「たとへ神に見放されても私は私自身を信じる」という言葉を贈ります。
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友人に「もうツイッターで(笑)を使わない方がいいよ。古いから」と言われましたが、芥川龍之介が(笑ふ。)と書いているのだから(多少違いますが)、大丈夫だと思います。
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芥川龍之介は、未来の妻である塚本文に微笑ましいラブレターを何通も送りましたが、個人的には「この頃ボクは文ちやんがお菓子なら頭から食べてしまひたい位可愛いい気がします。嘘ぢやありません」が秀逸だと思います。「お菓子」というところが、いかにも甘党の芥川らしいですね。
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坂口安吾は太宰治の文学の本質を実によく見抜いていました。「自ら孤独をいたはることは文学ではない」「太宰は文章家としてのカンと、やはり戯作者だといふ点・・・彼は戯作者稟質を持つ、僕はそこを買つてる」「彼の小説には、初期のものから始めて、自分が良家の出であることが、書かれすぎてゐる」
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佐藤春夫の名言。「若さは、夢であり、花であり、詩である。永久の夢といふものはなく、色褪せない花はない。また詩はその形の短いところに一層の力がある。若さも亦、それが滅び、それがうつろひ、それが長くないところに一しほの魅力がある」。若さの魅力をこれほど的確に表現した言葉を知りません。
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小林秀雄は太宰治没後の正宗白鳥との対談で、「太宰つていう人はバカじやありません。ヒステリイです。バカとヒステリイは違いますからなあ。ヒステリイにはヒステリイの智慧がある」と語りました。小林は太宰に中原中也と近いものを感じていたのではないか、これを読むたびにそう思ってしまいます。
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昔から初版本で読むと、復刻本で読むよりも目が疲れませんでした。本への愛着の差かと思っていたのですが、かつて印刷所を営んでいた方から「活版は微妙な紙の凹凸と、僅かな文字のかすれがあるので目に優しいんですよ」と伺い納得。活版の魅力は陰影や温もり・懐かしさだけではないことを知りました。
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ある私立高校の教師をしている友人によると、彼の勤務校では2020年度から実施される「大学入学共通テスト」の国語(80~120字程度の記述式問題)対策として、来年度から新入生にツイッターを奨励し、かつ120字前後で呟くように指導するそうです。何かを根本的に間違えている気がします。
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秋の読書週間が始まり、明日は多くの小中高の集会で校長が「読書の大切さ」について話すでしょう。しかし、その言葉に感化されて図書室に行く児童・生徒は極めて少ないのです。それよりも、担任教師がHRで「私のとっておきの1冊」を紹介する方が、はるかに子どもたちの興味・関心を惹くと思います。
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以下に挙げるのは、高校国語教科書によく採録される「定番小説四天王」です。一番好きな作品はどれですか?
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佐藤春夫は、絶縁された永井荷風の霊前にマロニエの枝と一緒に弔詞を奉げました。「奉る小園の花一枝 み霊よ見そなはせ まろにえ 巴里の青嵐に 黒き髪なびけけん 師が在りし日を われら偲びまつれバ」しかし、この敬慕の念はすぐ嫌悪に変わります。春夫は荷風に恋し、そして破れたのです。
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中学1年生の時、『太宰治全集』の「人間失格」を教室で読んでいると、担任の国語教師から「そんなものを読むと自殺したくなるぞ」と言われたので、「じゃあ、なんで図書室にあるんですか?」と尋ねたら凄い表情で睨まれました。「感想を聞かせてほしいな」と言ってくれる先生と巡り合いたかったです。
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小学校3年生の時、夏休みの自由研究で「覚えやすい麻雀の点数計算法」という苦心の作を提出したら、中身を読みもせず「子どもが書くものではありません」と突き返されました。「賭け麻雀の必勝法」ではないのに。それ以来「自由」研究とは名ばかりの「不自由」研究は大嫌いです。私憤でゴメンナサイ。
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彼の芥川龍之介に「夜半の隅田川は何度見ても、詩人S・Mの言葉を越えることは出来ない」と言わしめるのだから、やはり室生犀星も凄い詩人です。ちなみに犀星の言葉とは「羊羹のやうに流れてゐる」であります。
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芥川龍之介は海軍機関学校の教官時代「小説は人生にとって必要ですか?」と学生から質問され、「それなら君に聞くが、小説と戦争とどっちが人生にとって必要です?」と切り返し「戦争が人生にとって必要だと思うなら、これほど愚劣な人生観はない」と断じました。場所柄を弁えない勇気ある発言ですね。
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一昨年の「太宰治展」で来場者にプレゼントした『人間失格』初版本30冊の内の20冊です。「プレゼントするために買った」のではなく、何となく買っていたら増えてしまいました。でも役に立つ日が来たからよかったと思います。今は帯付本が7冊残っているだけです。
#何で同じ本を何冊も買うの