初版道(@signbonbon)さんの人気ツイート(いいね順)

26
ツイートを見たマネージャーから再び電話があり「こっちは貴方宛のサイン本ですよ。太宰の署名本はしょせん他人宛じゃないですか」と抗議(?)されたので、今度は「でも太宰の方が一億倍大事です」と明確に伝えました。太宰の署名本よりも大切な自分宛の本は、昔、幼い娘がくれた手作りの詩集だけです。 twitter.com/signbonbon/sta…
27
今日は志賀直哉の命日ですが、没後50年の節目なのに、悲しいくらい話題になりません。志賀が最近大きく取り上げられたのは、新型コロナ関連での『流行感冒』くらいでしょう。読む人が減った上に、ある事情もあり、志賀をメインとする若手研究者は激減。初版本の価格も大暴落しました。本当に残念です。
28
認知症の初版本コレクターが本を次々に破り始めたと家族から連絡があり、駆けつけると本やカバーが無残な姿であちこちに。本人は「誰がこんなことをしたんだ」と激怒しています。こっそり貴重書を選んで物置に避難させましたが、「あいつが盗んだ」と言われるかもしれません。何だか身につまされます。
29
泉鏡花は森鷗外への追悼文の冒頭で、「先生と言はなければならないのでせうけれど、私には唯一人、紅葉先生がありますから、これは笑つて御免下さい、未だ嘗て誰方をも先生と呼んだことはありません」と断り、以後「森さん」「鷗外さん」で通しています。こういう鏡花がたまらなく好きです。
30
芥川龍之介が「龍之助」と3回間違えられてキレた珍しい葉書(全集未掲載)です。「わたしは龍之介です 龍之助ぞやありません。」「三本の手紙が三本とも龍之助はひどい。」とあります。
31
公務員のフォロワーさんが異例の人事異動で文学館の配属に。狭き門すぎるので、異動の希望は出していなかったそうです。ではなぜ?思い当たることは唯一つ。前に提出書類の趣味欄に「太宰治や坂口安吾の初版本を集めている」と。何と素晴らしい人事課でしょう。もちろん今後はこの文学館を応援します。
32
大学入学共通テスト国語(現代文・評論)に宮沢賢治『よだかの星』が登場しました。2つある文章の1つで、テーマは「食べることについて」ですが、内容はさながら『よだかの星』論。賢治の原文も引用されています。高校国語教育における近代文学の地盤沈下が心配な今、心強い出題(しかも評論!)でした。
33
ある有名な女優のマネージャーから連絡があり「○○が太宰治の大ファンで、彼のサイン本がほしいと言っている。あなたがたくさん持っていることは古本屋から聞いた。ついては○○の写真集のサイン本と交換してもらえないか」と。もちろん丁重にお断りしました。「正気ですか?」とは尋ねませんでした。
34
コロナ禍で人はどう生きていけばよいのか。次の言葉が心に響きます。「上のそらでなしに、しっかり落ちついて、一時の感激や興奮を避け、楽しめるものは楽しみ、苦しまなければならないものは苦しんで生きて行きませう。」死の10日前に宮沢賢治が書いた、現存が確認されている最後の手紙の一節です。
35
ある私立高校の教師をしている友人によると、彼の勤務校では2020年度から実施される「大学入学共通テスト」の国語(80~120字程度の記述式問題)対策として、来年度から新入生にツイッターを奨励し、かつ120字前後で呟くように指導するそうです。何かを根本的に間違えている気がします。
36
書斎で笑顔の芥川龍之介。これだけ嬉しそうな表情は見たことがありません。本のタイトルは読めないけれど、洋書が多いようです。
37
太宰治は音痴だったようで、知人に「先生のお歌には、かいもくリズムといふものがありません。密林のなかでライオンが吠えてゐるやうなものです」と指摘され、「さては見破られたか。何をかくさう。俺は音痴なのだ」と認めたそうです。どんなに音痴でもいいから太宰の歌を聴いてみたかったと思います。
38
主観的な意見ですが、文学作品は若いうちに読んだ方がよいでしょう。年を取ると、まず未読の作品に向かうのが億劫になり、特に長編小説を読むのはしんどいです。詩や短歌俳句は大丈夫だけれど、それらを受容するみずみずしい感性が既に欠けています。文学鑑賞は老後の楽しみには不向きかもしれません。
39
梶井基次郎に『伊豆の踊子』の校正をしてもらった川端康成は、自分の作品が裸にされた恥かしさを感じ、「彼は私の作品の字のまちがひを校正したのでなく、作者の心の隙を校正したのであつた」と語っています。「作品のごまかしはすつかり掴んでしまつた」とも。川端にこう言わせるとはさすが梶井です。
40
「これだから平成生まれは」とか「昭和は無理」と世代間ギャップに元号を用いるのは、別に目新しい表現ではありません。「明治ツ児と大正ツ児とでは感覚に大変な相違がある」と徳田秋聲も語っていますから。
41
大学入学共通テスト初日の近代作品 ①国語の評論文の小問に芥川龍之介『歯車』が登場 ②国語の小説文に加能作次郎『羽織と時計』が登場 ③日本史の近代女性史に福田英子『妾の半生涯』が登場 ①に注目が集まるのは当然ですが、②と③の渋さに感動します。
42
「著名作家署名・生没年一覧」(日本古書通信社編『古本屋名簿』)。署名と生没年という無関係な取り合わせを思いつく人間は少ないでしょう(笑)。しかし中々便利です。好評であれば続編もアップします。
43
芥川龍之介と太宰治が好きな高校生が、「自殺した作家を好きになると自殺願望が生まれるぞ」と親から忠告されたそうです。その可能性が全くないとは言いませんが、親の無理解に絶望して命を絶つ子供の方が遥かに多いでしょう。文豪に矛先を向けるよりも、自らの言動を省みるべきだと思います。
44
「森林太郎って誰ですか?」という記者の質問に学芸員は一瞬絶句したものの、「鷗外の原稿の多くは本名で書かれています。また永井荷風は鴎外全集ではなく森林太郎全集にしたかったそうです」と。見事な回答ですが、彼は荷風を知っていたのでしょうか。ちなみに彼の新聞に記事は掲載されませんでした。 twitter.com/signbonbon/sta…
45
芥川龍之介・中原中也・太宰治も愛した「ゴールデンバット」の終焉。「1日に芥川龍之介の墓を訪れてみると、花とともにやがて姿を消してゆく、ゴールデンバットが封が切られた状態で置かれていました」という感動的な画像とともに、芥川の映像も見られます。 www3.nhk.or.jp/news/html/2019…
46
小林多喜二『蟹工船』(昭和4年、戦旗社)の初版本無削除版。本書は最後のページを切って刊行されたけれども発禁処分に。日本近代文学館の複刻も削除本で、無削除版の存在自体があまり知られていません。『月に吠える』無削除版を超える超稀覯本で3冊のみ実見。言論の自由の大切さを伝える究極の本です。
47
将棋をさす作家たち。太宰治vs井伏鱒二、川端康成vs横光利一、江戸川乱歩vs吉川英治です。
48
誰も信じてくれないけれど本当の話。初版本コレクターを極めると、芥川龍之介と太宰治の初版本の匂いを嗅ぎ分けることができます。
49
近年よく耳にするのが作家の「モンスター遺族」の存在です。身内の作家を過剰に美化し、正当な批評にもクレームをつけ、研究者や出版社などが敬遠。結果として展覧会が見送られ、教科書に採録されず、新刊書店から消え、新しい読者が少なくなってしまうのに・・。最大の被害者は作家本人だと思います。
50
読書週間が始まると、メディアは必ず「若者の読書離れが深刻」といった暗い話題を流しますが、たまには「文豪の小説を初版本で読みたいという若者が増えてきた」といった明るい話題も提供してもらいたいものです。