西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(古い順)

1426
雑。書物を読む鳥類の代表はフクロウなのですが、なにを読んでいるかに関しては意見が割れるのであります。聖書、哲学書に始まり、当代のベストセラーまでいろいろと。ちなみにガウンをまとっているフクロウは神父の類。鳥たちの結婚式を司ります。
1427
ザクロに関する伝承 ・玄関の敷石に押しつけて潰し、飛び出た種の数がその後の半年の幸運の数 ・多産の象徴として婚礼に登場すること多し ・人身御供の代用品としての伝承あり ・魔物に投げつけて退散させることが可能 近所のザクロが熟してまいりました。最後のは天然榴弾ということで。
1428
雑。1853年の『倫敦絵入り新聞』に面白い記述を発見。猫には「客間猫」 parlour cat と「台所猫」kitchen cat の二種類がいて、前者は客を出迎え撫でてもらうことを喜び、後者は人見知りで主に台所で昼寝ばかりしているとのこと。示唆されること多し。絵はアンデルセン「氷の乙女」に登場する客間猫。
1429
雑。エドナ・ケリーによれば古代ドルイドは吹きガラスの技術を持っていて、自ら吹いたガラス玉を紋章として持ち歩いたとのこと。想像するに魔物や魔力を封じたガラス容器なども存在したのでしょう。吹きガラスの技術自体は古代エジプトやフェニキアの頃から存在しています。いろいろと興味深いです。
1430
雑。妖精集会や魔女集会で閉会時に宣言される一節 "Merry have we met --" もとはライムの"Merry are the bells" すなわちクリスマスパーティーの歌の一部だったものがいつ頃から儀式に組み込まれるようになったのか。いろいろ調べるウイスキーの宣伝に用いられた例も浮上し、面白うございます。
1431
雑。「ねこちゃん、どこに行ってたの」はよく紹介しておりますが、だいたい子猫かお嬢様風の猫が描かれていて、紳士風は希少であります。クイーンに拝謁となれば正装は当然かと。トップハット姿はいわゆる韻律属性になりますので、魅了力は倍増なり、と。ラング童謡集から、絵はレスリー・ブルック。
1432
雑。19世紀前半の暦本にあった「太陽系をロンドンに重ねる」発想。  セントポール大聖堂を太陽とすると、水星はロンドン塔付近にあり、金星がセントジェームズパレス、地球がメリルボン、火星がケンジントン、木星がハンプトンコートで、土星がクリフデンとのこと。なにかのネタに使えそうです。
1433
雑。「納屋でネズミが紡いでいると/猫が立ち寄り声かける」のライム。  解釈はいろいろあるのでしょうが、生産的な作業に勤しんでいると猫がやってくるのは疑いのないところ。破壊的誘惑者の面白いところであります。魔物を防ぐのは毅然とした態度なり、と。
1434
暦。9月29日は天使の祝日ミクルマス。大天使ミカエルに捧げられる日にしてすべての天使を祝する日。世俗的には四半期分の家賃を納める日とされていて、店子が大家さんのもとに金銭を持参します。特定食物はガチョウとブラックベリー。秋の深まりが実感となる時候なり、と。
1435
ミクルマス。かわいい絵も必要でありましょう。 twitter.com/MuseeMagica/st…
1436
ミクルマスとブラックベリーに関して再掲。あれの茂みは本当に危険なんだそうです。 twitter.com/MuseeMagica/st…
1437
#天使週間 16世紀中頃に英国で鋳造されていた金貨。悪魔を倒す大天使ミカエルという意匠ゆえに通称「エンジェル金貨」といいます。あの当時の戯曲などでよく「天使にはとんと縁がござんせん」などと悪党がほざいたりするのは金貨とのダブルミーニング。縁削り防止のギザが摩耗しているのも生々しや。
1438
#天使週間 細い橋を渡る子供たちと守護天使。この構図は多色刷り絵葉書でさんざん利用されたあと、19世紀末頃から実写化されてさらに大量投下されていきます。一応「幸運絵葉書」の範疇にあるような。商業レベルでの天使のイメージの固定化の資料として。
1439
#天使週間 天使の剣はフランベルジュというトピックがありましたが、あれはもっぱら対人用のようです。悪魔相手になると槍や片手剣を描く例が多く、使い分けがされているのであります。聖書の記述と絵画制作上の約束事は両立するのか。興味深いのであります。
1440
#天使週間 さらに天使の剣。リッピが描くミカエルはファルシオン(だと思います)を手にしています。英国ですとワーム特効のファルシオンが伝わっていたりしますので、この絵もなんらかの特定モンスター(あるいはドラゴン)を想定しているのかもしれません。
1441
#天使週間 10月2日は守護天使の祝祭日です。夜、細い道を歩く子供の足元にヘビがいても、それに気づかせることなく正しい道を歩ませるのがかれらの職能とのこと。事故るときは、人間サイドが天使の警告を無視した結果なのであります。強力な守護天使になると第三者が認識できるとの説も。面白や、と。
1442
#天使週間 アンデルセンの慰霊童話「天使」に登場する天使は厳密には守護天使ではないのですが、数々の挿絵が人の心に残り、全体として守護のイメージを醸し出します。カウルバッハはすでに紹介しましたので、それ以外を若干。
1443
さらに追加。幼くしてなくなった子供は天国に一輪だけ花を持っていってよいというお話。どの花にしようかと迷っていると、天使からおすすめが。これがアンデルセン本来の光明なのか。とはいえ赤い靴やパンを踏んだ娘に見られる暗黒面がかれの魅力の一つである点は否めないのであります。
1444
#天使週間 やたらと天使が登場する画題として有名なのが「ヤコブの梯子」です。なんでも天界には大気がないので翼は意味をなさず、ゆえに梯子の出番なのだとか。軌道エレベーターみたいなものなのでしょう。神学論争は実に面白き哉、と。
1445
#天使週間 信仰を同じくする男女のもとに天使が派遣され神意をもって結ばれるとする美しい発想は、ときどき人間サイドの(天使さまのほうが素敵)というツイストで破綻するのであります。スウェデンボルグ系のお約束といえましょうか。絵はトレイル・ローズ。
1446
#天使の日 天使は素手で取っ組み合うこともあります。創世記32章にあるヤコブ相手の一戦では勝てないと見た天使が謎の関節技でヤコブの股関節を脱臼に追い込みます。以来、正体不明の「天使の関節技」は画家を悩ますことしきり。フォンテバッソの描写は握力で外す感じ。小股すくいもよく見られます。
1447
#天使の日 天使の関節技に関して再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
1448
雑。割れた卵は取り返しがつかない、とハンプティーダンプティーは教えているのでしょうが、あまり悲壮感がないのも間違いのないところ。実にさまざまな姿が描かれていて、集めて比較するのも面白そうです。中から割れれば誕生、外から割れれば破滅する世界なり、と。
1449
もちろん衝撃の事故現場として描かれることもあります。その意味で評価が高いのは、以前にも紹介したマザーグース楽譜集のこの絵であります。なかなかのトラウマもの。
1450
雑。人体パーツの独立擬人化、ようするに目玉おやじの類もけっこう昔から見られるのであります。怪奇やファンタジーというよりもお笑い風刺系が多く、真面目に考察しても徒労感が残ります。図はモーレイのチキンマーケット童話集(1877)から、絵はチャールズ・ベネット。目玉紳士はいい感じです。