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徳永氏はかなり熱心なミリタリーマニアのようですので、その路線を貫徹した方が、結果的に学問的な成果にも早く近づけるのではないかと思います。それは、鉄道マニアがそのまま研究者になったような人がごろごろいる(私もそうです)鉄道史をやっている私の、経験に基づいた見解です。
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ヨーロッパの極右が、排外的な日本の入管や難民政策を「賞賛」しているという話は何度か聞いたことがありました。これこそ国の恥というべきことのはずなのですが。
gendai.ismedia.jp/articles/-/962…
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「日本ヨイ国、強イ国。世界ニカガヤク エライ国」の時代に逆行してしまっています。自国中心主義が自国の利益にならず、周辺国にも被害を与えかねないのは、ロシアが現在進行形で見せていることなのですが。
tokyo-np.co.jp/article/240703
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通俗道徳が近代にいたって人々を縛る罠と化したことについては、何度も紹介していますが、松沢裕作先生の『生きづらい明治時代』が「通俗道徳のわな」として歴史的な説明をされています。ジュニア新書と侮るなかれ。
amzn.to/3NJE9sl
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小田中直樹『歴史学のトリセツ 歴史の見方が変わるとき』を読みました。19世紀のランケ以来の、「科学的」であることにこだわって成立した実証史学をめぐるこの2世紀の流れを、明晰な構図で説明した、とても読みやすい本です。入門にも見直しにもお勧めできます。
amzn.to/3Toga5D
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「家父長制と呼ぶのも憚られる何か」というのは、本来の家父長制は権力のある代わりに弱者保護などの義務や責任もあるのに、偉い人は偉いからいっそうチヤホヤしてもらえるという甘ったれた何かです。これを長谷川晴生さんは「こどおじ家父長制」と呼びました。
twitter.com/hhasegawa/stat…
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選挙は大雑把な政治の方向決定に過ぎないのだから、個別の課題に言論やデモで意見を表明することは大事なことです。おそらくは、選挙は「勝ち負け」が分かりやすいので、「勝った側は正しいので何をしてもいい」という安直な発想になりやすく、それが新自由主義と魔結合してるんじゃないかと思います。 twitter.com/ShinHori1/stat…
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私はこれを仮に「表現の無責任」と呼んでいますが、だから一部のオタクは「売れている」コンテンツを宣伝します。表面的には好きなコンテンツを推しているように見えても、それは売れているから選ばれたのであって、批評眼はありません。こちらのツイートへのリプが典型です。
twitter.com/37_2_le_matin/…
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「地政学」みたいなインチキ学問(過去の清算なくしては学問として認められないようなもの)を、まともな学問みたいにしてテレビで紹介するのはよろしくない。
#ニュースそうだったのか
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すっかり過去の人となった『もしドラ』作者の人、今は共同親権(その実はDV夫が被害家族に縁切りされるのを妨害して苦しめる危険性を高めるもの)支持になっているのか…… twitter.com/Mikecat5399681…
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社会的な弱者が声を上げることに対して、「声を上げて騒いでいる奴らこそ悪い!我々サイレントマジョリティーこそもっとも苦しんでいる!」と叫びながら、強者に媚びることを「現実的」と称し、弱い者いじめで現状を糊塗する。それが「ネット論客」です。
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率直に言って、「表現の自由戦士」の「戦い」とは、ヤンキーの暴走行為や落書きみたいなもんじゃないかと私は思っています。親に象徴される社会の権威に対し、反抗しつつも甘えて、自分のことを認めて欲しいと思っているだけじゃないかと。だから自己宣伝に熱心になるのは、前稿で述べたとおりです。
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オタク趣味を通じて他者からの承認を得たい、それ自体は悪いことでも何でもありません。好きなことで人生を切り開きたいのは当然のことです。でもそこで、コンテンツとしっかり向き合うのではなく、ルサンチマンをこじらせて他者への攻撃性を暴発させるのは、ダメです。
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そして遺憾ながら(米山氏がそうだとは言いませんが)、女子高生を機会あらば「買う」という中年男性は実在しています。それも少なからず。そういう危険に晒されている若い女性の側に立てば、「キモいおじさん」批判は憂さ晴らしどころか、喫緊の課題ですらあるといえるのではないでしょうか。
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社会科学や人文学は、人間や社会が抱えている問題を敏感に察知することが求められます。安倍氏暗殺は、カルト勢力が与党と癒着しているという深刻な問題を明るみに出しました。明らかになった問題に蓋をしたがる精神は、学徒のものではありません。専門家の倫理すら奪う安倍政治的なものの恐ろしさ。 twitter.com/itagaki_katsu/…
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これについては、いくら説明しても、「表現の自由戦士」は「奴らの『批判』とは法規制を求めるもの!」と飛躍し、「こんな『攻撃』を仕掛けてきた奴らにはどんな反撃もありだ!」と無茶苦茶な攻撃を正当化してきます。批判に対する反批判をはるかに超えた炎上を、なぜ戦士諸君はするのでしょうか。
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こうして考えていくと、「表現の自由戦士」と揶揄されるような一部のオタクが求める「表現の自由」とは、自己宣伝を自由にして、なおかつそれに異論を挟まれない(自己を受け入れさせる)権利という、まことに以て自分勝手な要求という面が否定できないのではないかと思うのです。
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検証を繰り返して議論を積み重ねる中で、「これはダメだ」と多くの論が切り捨てられ、ぎりぎりまで絞られた中で「どっちが正しいか分からない」ということはよくあります。しかし世の逆張り説のほぼすべては、とっくに切り捨てられた説の焼き直しに過ぎないといっていいでしょう。
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安倍氏暗殺については、すっきり割り切れる図式ではない、カタルシスのないカオスが広がっている。それが大きな違いです。「テロリストが民主主義を破壊しようとした」とか「義士が悪政を撃った」といった、分かりやすい物語に落とし込めない混沌が、安倍氏や山上容疑者の周りに広がっているのです。
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手軽にバズるには――その目的がアフィなどの金稼ぎか承認欲求かは問わず――「女叩き」がネットでは有効なのは、残念ながら事実と言わざるを得ません。嫌韓反中と同じくらいに。それが瀰漫すると、「女は叩くものだ」と思い込む人も増え、社会が劣化してしまいます。 twitter.com/genkiwife/stat…
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「日本人の間でコスパ思考が広まってます。大勢で集まってデモをして、すぐには変えられない社会問題について声を上げることも、コスパが悪いとみなされてしまう。それよりも株や副業で自分の生活を少しでも豊かにするほうがいいという考えに流れていってるんです」 nikkan-spa.jp/1879548
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文字で書かれた史料には限界があり、だから話を聞いて記録するオーラルヒストリーが近年の近代史では重視されるようになりました。しかしそれは、語り手の話を盲信するわけではもちろんなく、他の語り手や残存した史料と突き合わせ、歴史叙述でどう活用するのかを考えます。ちゃんと作法があるのです。
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まったく酷い話ですが、決して特殊な例ではなく、日本の「おっさん」にありがちな話でもあるように思われます。おっさんがおっさんであるだけで気持ちよく女子供に威張れる権利が最優先という、家父長制と呼ぶのもはばかられる何かです。 twitter.com/JunyaDohi/stat…
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小池といい安倍といい、有権者に一定の「人気」を持つ政治家が歴史修正主義にどっぷりはまっており、それが政策を担う現場に忖度をさせている傾向が次第に露骨になってきています。歴史修正主義はまさに、多数派が居直って少数派の異議申し立てを抑圧することにつながる人権問題なのです。
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すでに指摘がありますが、細谷先生のこの議論はいささか粗笨です。5.15や2.26の青年将校は必ずしも貧困家庭出身ではないし、難波大助や朝日平吾の実家は富裕だったし、井上日召や橘孝三郎も学歴あった(不幸な生い立ちとはいえない)と思います。いささかステロタイプな見方ではないでしょうか。 twitter.com/Yuichi_Hosoya/…