どんなに強い部隊でも、負けそうになると兵は逃亡し始めます。これを「恐慌状態」といい、いったん兵が逃亡し始めると、いくら優れた将でもこれを止める事はできません。従って多くの部隊が全滅する前に逃亡し、最後の一兵まで戦うのは、宗教的結びつきのある軍隊だけとなります。
戦いは勝ちにこだわるよりも負けない事が大事で、これをやると敗北するという行動をなるべくとらないのが重要です。戦下手な者はリスクリターンの取り方が下手で、成功しても旨味が薄いのに失敗したら終了という方策を取りがちです。
戦いでは情報が大事ですが、その情報が価値があるかどうかは4つの点が重要となります 1.先行性…現在より先の情報である事 2.正確性…信頼できる情報である事 3.連続性…連続して提供されている事 4.適時性…必要な時期に適切な量が提供される事 情報を得るときは、以上の点に注意しましょう。
中立という言葉は人を引き付ける言葉ですが、本来は力がある者がやれることであり、力がない者が中立をしたら、よその国から「あいつは戦わないやつだ」と白い目で見られます。古来よりコウモリは、裏切り者よりたちが悪いと言われます。
海軍にとって艦船を運航し戦闘を行うには、非常に多くの資金、知識、技術が必要となります。そのため、もし海軍が壊滅し、艦船や技術者、海軍士官たちが失われると、数十年単位の時間をかけても元に戻すのは困難であり、歴史上、滅びた海軍の再建に成功したのは、日本の海上自衛隊だけとも言われます。
戦いでは、させるトドメをさす事が重要であると同時に、「させないトドメにはこだわらない」事も大事です。無理に深追いすることや、非効率的な攻撃を繰り返すのは止めるべきであり、戦の巧い者はこれの見極めが優れています。
孫子の兵法には、戦わずして勝つという言葉がありますが、そのために孫子が重視していたのは”謀略”です。日本人は謀略を嫌いますが、戦争よりも謀略をして騙したほうが、金と犠牲が少なくて済むので良い事づくめ、というのが孫子に書かれている一番重要な事であり、今の中国もこれを実践しています。
人は、事件について記した何十冊もの調査報告書よりも、表紙に”極秘”と書かれた数ページの陰謀論を信じやすいものです。戦いでも、本当の情報を得るには、膨大な情報をよく調べるのが大事で、都合の良い情報が、都合の良いタイミングで、苦も無く入手できた場合、まず疑うのが大事です。
”漁夫の利”ということわざは、相手同士が争ってる間に利益を得る意味と考えられてますが、大陸の考え方は少し違います。それは「相手同士を騙して、ワザと争わせたら、そもそも戦争自体をする必要が無い」であり、つまり戦争というのは、騙す能力の無い者が仕方なしにやる行為ととらえられています。
戦いを回避する事は非常に合理的で正しいですが、回避ばかりしていると、戦いを知らず経験が乏しくなって弱体化してしまい、いざという時に負けてしまいます。 戦いとは矛盾したものであり、自然界のバランスと同じく、周囲の状況とのバランスによって、戦いの要素は決まります。
戦いの本質は「運搬」です。 人間の血流と同じく、物資の流れが必要な場所に行きわたる事こそが戦いで最も重要な事であり、軍の仕事は複雑に見えても、やってる事は実弾を相手に届けたり、物資を自軍に運んだり、情報をすみずみまで行きわたらせる事の繰り返しです。
戦いは「相手を騙す事」が基本です。つまり戦いが得意な者は、相手を騙すのが得意な者となり、味方のうちは頼りになりますが、戦いが終わって平和となると、自分勝手な性格、人情の無いやつ、危険な人物と思われ、避けられたり、あるいは排除されたりします。
実戦の経験者は、平時の体験では得られない試練を経てきてるので、実戦的かつ適切な主張をしますが、自分の成功体験を最高のものと錯覚しやすく、他にもっと良い方法を探そうとしたり、認めようとしなかったり、また、時代の変化に伴う前提条件の変化に鈍感となりやすい傾向があります。
戦いにおける強者に共通する事があります。それは「粘り強い」という事です。強者は負ける時でも、敗北するまでの時間をなるべく稼ぎ、簡単にやられるような行動をとりません。ぎりぎりまで生き残る努力をすることが重要であり、勝機が少ないのに簡単に突っ込むのは、相手を助けている事に他なりません
ランボーで思い出すのが、東日本大震災時の自衛隊ヘリでの放水。あの任務は放射能、ヘリの安定性ともに命がけの任務でしたが、マスコミも各社も任務を達成した自衛官についてとか、ほとんど報道もしてくれなかったんですよね。讃えろとは言わないですが、もう少し関心を持ってくれたらありがたいですね
報酬を出さない者が、国が危機に陥った時になって初めて部下や国民に恩恵を与えると、効果がないばかりか、逆に足元を見られて破滅に陥ります。なぜなら、危機が過ぎると恩恵を直ちに止めてしまうだろうと邪推し、少しも恩義などを感じないからです。
戦いにおける強者に共通する事があります。それは「粘り強い」という事です。強者は負ける時でも、敗北するまでの時間をなるべく稼ぎ、簡単にやられるような行動をとりません。ぎりぎりまで生き残る努力をすることが重要であり、勝機が少ないのに簡単に突っ込むのは、相手を助けている事に他なりません
自分が組織のトップになりたい時、トップを引きずり下ろす策として、贅沢を覚えさせるというのがあります。 自分はトップのイエスマンとなり、トップに贅沢を覚えさせて、道や法を踏み外させ、周りの支持を減らし影響力を削いでいき、最後にはトップを失脚させる。 これを「養殃の計」といいます。
君主に近い者が裏切る原因は二つあります。 1.迫害された仕返しのため 2.恩賞を与えられすぎたため 2は意外かもしれませんが、人はあまりに多くの富や名誉を与えられると、感謝よりももっと欲する念の方が強くなり、最後には君主の権力自体を欲して、裏切りを起こす可能性が高くなります。
旧軍の道歌に「かわいければ、5つ教えて、3つ褒め、2つ叱って良き人にせよ」という歌があり、これは部下を指導する際の、褒める場合と叱る場合の割合を示しています。ほめる割合が良くわからない場合などは、参考にしてみてはいかがでしょうか。
戦いの理想は防御で始まり、反撃で終わる事です。 逆にダメな戦いの例は、攻撃で始まり、疲弊して、防御に回る事です。
戦いは常に冷静でなくてはなりません。冷静でいる事のコツは、”損得勘定”をいつも考える事です。売られた喧嘩をいつでも正面から買う必要は無く、「これをやるとどういう損と得があるか」をグラフのように考えるのが、冷静でいる秘訣となります。
敵国の側近や部下を、もてなし、褒めたりして関係を深めると、敵国のトップはその部下がこちらに内通していると疑い、だんだん部下との関係が悪化し、最後は貴重な部下を粛清してしまいます。このようにトップと部下の関係を悪化させる謀略を「埋言(まいげん)」と呼びます。
作戦を立てるときは、とりあえず次の4種類を参考にして作戦を立案するのが効果的であり、この中から今の状況と自分の性格を良く分析して、判断していくのが良いでしょう 1.とにかく効果最大案(博打)。 2.成功の期待値が大きい案。 3.最大の安全値案。 4.最小の後悔で済む案。
結局ロシア人は自国が大国であることを望んでるし、その論理で行けば、ソ連崩壊時に諸国に独立されたことは恥であり敗北であるから、何十年かかろうが誰が何を言おうが、取り戻したいとずっと思っていたわけですね。 論理がどうこうでなく、感情的に許せない部分が大きいんだと思います。