国家の戦力で一番大事なのは、領土でも軍事でもなく、国民にあります。国民を攻めずに領土だけ攻めても、反攻をくらいます。逆に国民の心を攻め、「あんな○○諸島なんて必要ないよ、それより友好の方が大事さ」という心理状態にせしめれば、目的の領土は自然と手に入ります。
戦術の天才はカンがするどいですが、兵站や補給、物資といったものは”カン”ではなく”計算”が重要となります。会社でもそうで、勘や駆け引きが得意なトップだけだと、数値上の計算違いをした場合とんでもない事態になりかねないので、計算や数字に関しては、専門の補佐役を用意した方がよいでしょう。
戦力には必ず”予備”が必要となります。最後のとどめを刺す時や、バックアップが必要な時にこれが無いと、決定打が出ず、それまでの行為が無駄に終わります。とかく予備やバックアップは「無駄、サボっている」と思われがちなので、如何にこれを維持するかか重要となります。
戦いでは兵站が非常に重要ですが、これは補給だけが大事なのではなく、円滑な輸送、物資の管理、経理の流れ、兵器や基地の整備等の様々な要素があります。すなわち、軍を維持するための、直接戦闘に関わらないほぼ全ての事項が”兵站”と呼ばれます。
古来より外との戦争よりも、内部での内乱や内ゲバの方が凄惨なものになりがちです。親しい者や仲間だという思いが強すぎると、それが対立したとき、反動でもの凄い憎悪となってしまいます。
情報戦は、こちらの情報を漏らさず相手の情報を得るのが理想ですが、現実はこちらの情報を少し漏らして、それと逆の行動をするのがセオリーとなります。従って戦いでは、敵味方ともに膨大なニセ情報が飛び交います。
会社を買収したり敵国を占領した時に困るのは、昨日まで仇同士だった者たちと仲良くならねばならない事です。こんな時に役立つ方法は昔から決まっており、誰かを悪者にしたてる方法です。人間関係も同じで、いつも誰かが共通の敵を作ろうとし、あるいはそれから逃れようとしています。
ランボーで思い出すのが、東日本大震災時の自衛隊ヘリでの放水。あの任務は放射能、ヘリの安定性ともに命がけの任務でしたが、マスコミも各社も任務を達成した自衛官についてとか、ほとんど報道もしてくれなかったんですよね。讃えろとは言わないですが、もう少し関心を持ってくれたらありがたいですね
侵略されてもゲリラ戦をすれば良いと言う人たちがいますが、ベトナム戦争でのゲリラ戦ではアメリ側の戦死者が5万人以上なのに対し、ベトナム側は90万人以上の戦死者を出しました。 ゲリラ戦は勝とうが負けようが、相手より遥かに多い犠牲者を出す事になります。
戦いは騙し合いであり、相手を騙せた方が有利となります。騙す手法にはいろいろあり、弱い存在が強者に取り入ったり、借金漬けの者があと少しで成功するぞと謳ってさらに資金を集めたりするように、例え資金も力も何もなくマイナスだろうが、どんな状態、どんな相手でも騙せる可能性はあります。
独裁者が一度決めた事は、たとえそれが失敗だったとしても軌道修正はなされません。 なぜなら独裁者はライバルを葬り、国民を抑圧しているので、自分の失敗を認めてしまうと恨みを買っている分、逆に対抗勢力や国民に葬りさられる危険があるからです。
世界は平等であるべきとか、こうであるべきという考えを”観念論”といいます。戦いは現実の状況に即して行動すべきであり、「あいつは悪いから倒されるべき」とか「たとえ○○の状況だろうとも、○○はこうであるべき」という思考は、負け戦に多く見られる考えとなります。
議論や口論をする場合、重要なのは相手を説得するよりも、議論を聞いている第三者に、出来るだけ多く味方になってもらう事です。人間は客観的事実等で論理的に対話するよりも、味方を増やして大人数で圧力を加えた方が、主張が通りやすくなります。正義よりもまず数です。
よく「なんでこんな見え見えの待ち伏せに引っかかるのか」と言う人がいますが、その原因は挑発に乗ったからであり、そして人は挑発に乗りやすい生物です。 SNSを見れば分かるように、ほとんどの人は挑発に簡単にのって、簡単に沸騰します。上官は、部下が挑発に乗らないよう注意しなくてはなりません。
戦いでは相手の戦意を無くすのが重要ですが、戦意を無くさせる手法の一つに、”自責の念を生じさせる”というのがあります。これは逆に言うと、相手の事をあまり気にしなかったり、起こしてしまったことを後悔しないタイプの人間は、戦いに非常に向いている性格といえます。
自分の部屋に強盗が入ってから防戦しようと考える人がいないのと同様に、防衛を考えるときには、国境よりも外側で相手に対処しようと考えるのが普通です。 これを国境線とは別に「国防線」と呼び、国境付近まで敵がきてしまったら、それは部屋の中まで侵入されているのと同じになります。
”漁夫の利”ということわざは、相手同士が争ってる間に利益を得る意味と考えられてますが、大陸の考え方は少し違います。それは「相手同士を騙して、ワザと争わせたら、そもそも戦争自体をする必要が無い」であり、つまり戦争というのは、騙す能力の無い者が仕方なしにやる行為ととらえられています。
戦国時代がなぜ戦争ばかりだったかというと、中央政府の権力がほぼ機能しなかったからです。権力は暴走するとよく言われますが、かといって権力を極端に小さくすると、行きつく先はみんな言う事を聞かず好き勝手に暴れる無政府状態となります。
相手国が内部で争っている場合、好機とばかりにこちらから攻撃をすると、かえって内部争いを止め、一致団結して抵抗してきます。この場合逆に、相手のどちらかの勢力に援助をすれば、もう片方の勢力は「敵から援助を受ける裏切り者だ」と反発し、さらに内部争いが激化しやすくなります。
「価値観の違いは争いの元なので、違う価値観がいなくなって自分の価値観のみとなったら、世は平穏になる。従って、自分以外の価値観は世を乱す元凶である」 攻撃性が高い人によく見られる兆候となります。
前にも書いたと思いますが、報酬等を出し渋るトップが、いざ自分が危機になってから現場の報酬を上げても、「どうせ今の危機が過ぎると手のひらを返す」と思い、少しも恩義に感じないどころか、不信感を持ちます。 news.yahoo.co.jp/pickup/6335522
中立という言葉は人を引き付ける言葉ですが、本来は力がある者がやれることであり、力がない者が中立をしたら、よその国から「あいつは戦わないやつだ」と白い目で見られます。古来よりコウモリは、裏切り者よりたちが悪いと言われます。
爆発が起きたら、とにかくすぐに伏せて、爆発を目で直接見ないようにしましょう。また爆風は一瞬ではなく、数秒間に渡って持続するので注意が必要です。
軍では、実行不能なこと、先の事を計画するのは厳禁となります。戦場では、状況は常に変化するので、とりあえず当面の一つの作戦に焦点を当てるのが大事であり、先のことを細かく隅々まで計画しても、すぐに状況が変わって意味がなくなる事が多くなります。先のことは、大ワクと方向性があれば十分です
人間の群集心理として、攻撃は人の心を中心に集中させる作用(求心)を持ち、防御は人の心を人の心を中心から離散させる作用(離心)を持ちます。ビジネスでも経営者が旗を掲げて、将来の展望を明らかにすれば人の心はとりあえずは収束し、何もせず消極策だと不信を招き、離心作用が表れ始めます。