601
ほんの一瞬
クリックするだけで
人生が変わるかもしれない
音楽と出逢う
自分が関わった歌も
そんな風に
聴いてくれる誰かが
いるかもしれないと
空想する
逢うこともない誰かの
人生の一瞬
その重さに
見合う言葉を
探そう
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603
どんな言葉にも
角がある
向きを間違えれば
誰かが嫌な思いをする
悪意はなくても
傷つく人はいる
そう思うと
筆先が鈍る
創作には
祈りが
伴う
605
強い雨が
闇を打つ
自然の驚異を
目の当たりにすると
人はこの惑星に
間借りしてるんだと
思えてくる
そんな微小な
存在なのに
また人が人の
未来を奪う
どんな理由が
あるにせよ
越えてはならない
一線がある
606
34年前
Chageと石川優子
「ふたりの愛ランド」
CMのタイアップで
自分が関わった歌が
毎日のようにTVから
流れてくる体験をはじめてした
-誰かが聴いてくれている-
それはシンプルにその後も
モチベーションになったし
いまでも変わらない
607
氷室京介ソロデビュー30周年
勿論BOØWYの頃は逢ってたが
彼のソロで僕が最初に書いたのは
「ALISON」という曲
ほぼ完成していた
「FLOWERS for ALGERNON」
何曲か共作した
翌年「NEO FASCIO」の制作がはじまり
再会したのは横浜のスタジオだった
窓からは港が一望できた
永遠の記憶
彼の目を覚えてる
608
22才の頃かな
あちこちディレクターに
歌詞を持ち込んだり
してたけど
その頃の作品は
力不足だったな
なにより先人たちの
スタイルをなぞるような
作風は褒められない
その意味で
Chage&Askaで
スタートできた事は
幸運だった
未来を決定づけたと
いっていい
Individualityとは
何かを教えてもらった
609
中江有里さんの
アルバムが完成した
彼女のデビュー作は
ASKAの「花をください」
今回セルフカバーで収録
そしてChageの「永い一日」も
カバーさせてもらった
1枚のCDの上に
二人の名前がある
僕はただ…嬉しい。
610
歌が
デジタルで
残せるように
なったせいかな
ライブで
聴く歌は
また価値が
上がった気がする
それさえも
複製は
作れるけれど
再生して
聴く歌は
また違って
聴こえる
戻れない瞬間に
歌は存在する
玉置浩二の
ステラシアターライブ
観ていて思った
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愛が
あるかぎり
さみしさも
消えない
さみしいのは
愛が
あるから
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過去には
戻れないのだから
すべては
未来への
助走だ
613
心は
言葉に
置き換えて
はじめて
正体が
わかりかける
ところが
言葉には
ならない
心が
あることも
事実で…
その上
自分が
無知で
未熟な
故に
言葉に
できなかったり
手強いな。
615
前例がない事を
新しい事をしない
理由にはしたくない
簡単に思えるのは
その力がある証
難しく思うのは
足りないなにかに
気づける兆し
誰もが森だと
思っている場所も
最初はひとつの
小さな種
だったかもしれない
617
2022年
最初の満月は
地球から最も遠い
Wolf moon
そう言えば
あの歌を書いたのは
こんな冬の夜だったな
「Never Cry Wolf」
氷室京介
そろそろ声が
聴きたいよ
618
なぜその人と
出逢ったのか
ただ一度の接点が線になる
Chageのベスト盤
「音道」を聴いていたら
不思議な気持ちになった
同郷でも同窓でもないのに
人生の深い部分で関わる事になる
更にその先に生まれた
たくさんの邂逅
紙一枚ペン一本から
始まったって
やはり凄いな
619
親友のお母様が亡くなられた
いつかが訪れることが
仕方のないことだとしたら
人はその時の意味を
受け入れなければならない
自分に与えられたものがなにか
自分の分とは
本来の性質を意味すると言う
ふと自らを分け与える
つまり自らの役割という意味も
あると思った
それは父と母からの
教えなのだ
620
歌が好き
演技が好き
そこがはじめに
あったとしても
あたりまえだが
スターは大衆が作っていく
自分のポテンシャルよりも
運や縁を口にするスターは多い
なりたい力の強さも必要だが
求められる力が備わってない人は
やはりたどり着けない場所がある
621
もしかしたら
優しさを
保つには
距離が必要
時には
相手に
悟られないように。
その覚悟が
ないなら
そうしない方が
優しい場合がある
622
さみしいことに耐えていくか
さみしいことに甘えていくか
さみしいことに委ねていくか
さみしいことと生きていくか
なんであれそうなることに
従えばいい時もある
それが痛みを伴うとしても
それは心がある証拠
623
根拠のない
「大丈夫」や
負担になる
「頑張れ」
誰かを
励まそうと
口にする言葉は
ほんとに難しい
「ひとりじゃない」と
何度も書いてきたけれど
それも時には
重さが変わる
その言葉に
どんな行動が
伴えばいいか
心が問う
僕に問う
624
誰かの作品が
採用されれば
別の誰かが
失業してる
座り心地の良い席は
それほど多くはない
そう、採用された作品は
多くの挑戦の
敗北の上にある
夢には残酷な一面もある
それでも追いかけるからには
それなりの覚悟もいる
屈辱に耐えられなければ
祝杯はあげられない
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Chageの歌は
過剰な装飾や
余計な武装を
していない
柔軟で
体温のある
奥行きは
言葉を選ぶ時の
拠り所だ
それは
はじめて
逢ったときから
変わっていない
youtube.com/watch?v=PQDS_5…