末次 健司(@tugutuguk)さんの人気ツイート(新しい順)

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このような事情を鑑み、プレスリリースはもちろん、論文本体でも詳細な自生地情報はなるべく出さない対応をとっております。神戸と三田はそれなりに離れていますし、他にも生き残っている場所はあると思いますが、環境負荷の高い探索(リターの除去など)は謹んでいただけるとうれしいです。
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タヌキノショクダイの仲間が10年以上のスパンで個体数が減らずに残っているところは情報が管理されており、一部の人しか訪問しない&訪問する際も土壌への影響を最小限にするため、土を踏まずに根づたいに歩くといった慎重な対応をされているところに限られる印象です。
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丹念に個体数を数え上げようとするだけで、その影響で翌年数が減ってしまうくらい繊細な植物です。
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ヒナノボンボリの第一発見者に話を伺うと、最初の発見の年(1988年)は数百個体あったそうなのですが、それからわずか2年で完全になくなってしまったそうです。お話を伺った感じでは、採取以上にたくさんの人が入ったことによる踏圧の影響が大きいという印象でした。
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コウベタヌキノショクダイは、もともとヒナノボンボリと混同されていましたが、真のヒナノボンボリも以前(2019年)に同じく30年ぶりに私たちのグループが再発見しました。このこと自体は喜ばしいのですが、30年間発見できなかったことと踏圧が関係していると考えています。doi.org/10.18942/chiri…
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この点、少し重要なのでちょっとだけ解説しておきます。綺麗な花なので、盗掘の心配をしてくださる方がいると思います。しかしもっと繊細で写真撮影に人が押し寄せることで地面が踏み固められて菌糸のネットワークが遮断されるだけで、1個体も採取されなくても絶えてしまうたぐいの植物です。 twitter.com/Commelinaceae1…
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なお「再発見したのは、この植物に名前を付けた研究者本人」というのは厳密には違っていて、再発見の報告をとりまとめたのは私ですが、第一発見者は私のラボに所属していた学生さんです(本文も読むと理解してもらえますが、タイトルだけだと若干ミスリードなので補足です)。 twitter.com/livedoornews/s…
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コウベタヌキノショクダイは、奇花ぞろいのタヌキノショクダイ属の中でもとりわけ美しく、まさに「妖精のランプ」のように暗い林床を照らし光り輝いてみえる素晴らしい植物です。今回の発見が契機となり当該自生地に保護策が講じられることと、さらなる自生地の発見が期待されます。
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タヌキノショクダイの仲間は、普段は落ち葉に隠れており、開花期間のわずかな期間のみガラス細工のような鮮やかな美しい花を咲かせます。この様子から、タヌキノショクダイの仲間は海外では 「fairy lantern(= 妖精のランプ)」と呼ばれています。
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タヌキノショクダイの仲間は、植物の本懐である光合成をやめた植物の一群で、キノコと見紛うばかりの奇妙な花をつける特殊な植物です。中でもコウベタヌキノショクダイはこれまで花の一部が欠けている標本1個体が採取されているだけで、しかもその発見場所は既に開発により消失してしまっていました。
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私自身、その生きた姿は初めて見たわけですが、その姿は予想以上に美しく幻想的で、まさに「妖精のランプ」の名にふさわしく光り輝いてみえました。以下に詳しい内容を解説します。
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コウベタヌキノショクダイは何を隠そう私が新種記載した植物ですが、博物館の標本を精査した時点で、自生地は開発で消滅しており既に絶滅したとしか考えられない状況でした。どこかで生き残っていたら良いとは思っていましたが、驚きとうれしい気持ちで一杯です。doi.org/10.11646/PHYTO…
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絶滅と考えられてきた光合成をやめた植物「コウベタヌキノショクダイ」を30年ぶりに再発見し、その進化史を論じた論文をPhytotaxaから発表しました。その結果、妖精のランプと評される不思議な植物「タヌキノショクダイ」の謎の包まれた進化史に重要な示唆が得られました。doi.org/10.11646/PHYTO…
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葉が退化したラン科植物「クモラン」の根は、機能的にはほぼ「葉」といえることを証明した論文をNew Phytol.から発表しました! 小林さん(大阪公立大)@Greeeening、田野井さん(東大)@keitaroTANOI、永田さん(日本女子大)@NagataJWUらとの共同研究です。doi.org/10.1111/nph.18…
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情報解禁されたようなので宣伝。9月号の「たくさんのふしぎ」で「光合成をやめた植物たち」(菌従属栄養植物に焦点を絞ったもの)について出版の機会をいただきました。写真・文の両方を担当します。1冊丸ごと(ほぼ)1名で担当するのは、これが最初で最後かもしれません。ご期待ください。 twitter.com/takusannofusig…
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この疑問を多くの方がお感じのようなので解説します。赤色は鳥に対する適応と考えるのが自然であり、屋久島などの他地域のヤクシマツチトリモチは主に鳥に散布されていそうです。こちらは屋久島産の狭義の「ヤクシマツチトリモチ」をルリビタキが食べている様子です。doi.org/10.1002/ecy.31… twitter.com/2d0rn0t2d/stat…
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これまで、ウサギは主に葉を食べると考えられてきたため、種子の運び屋としての役割にはほとんど注意が払われていませんでした。本研究は、ウサギの仲間が種子の運搬を担うことを証明するアジアで初めての研究です。
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アマミノクロウサギが、ヤクシマツチトリモチという光合成をやめた風変わりな植物の種子の運び屋さんとして活躍していることを明らかにし、その成果をEcology誌に発表しました!doi.org/10.1002/ecy.39…
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キリシマギンリョウソウ論文、正式に紙媒体でも出版されました!「映える」植物ということで表紙に選んでいただきました。森の雰囲気もわかるお気に入りの写真です!論文そのものもオープンアクセスですので、興味のある方でまだ読んでいない方はぜひどうぞ!doi.org/10.1007/s10265… twitter.com/tugutuguk/stat…
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<<お尋ね・拡散希望>> ある植物の実体を解明しようとしているのですが、1875年6月にヨハネス・ユストゥス・ラインが立ち寄った「紀伊」の場所を絞れる情報をお持ちの方がおられたらご教示いただけますと幸いです。
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ChatGPTでの英文校正というチート:使い方・注意点まとめ riklog.com/research/chatg… @megikayaより
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つまり、以前から認識されていたギンリョウソウと他の種(1属1種のため、近縁種とはいえ別属になります)を分ける際に使用されていた形態差に基づくと、今回発表するキリシマギンリョウソウは、大きなくくりでは「ギンリョウソウ」だねということになってしまうのです。
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なお「ギンリョウソウ」の新種発表にこれほど長い期間がかかった理由としては、ギンリョウソウは、世界でも1種(1属1種)のため、どの程度の形態差があれば別種といえるのかの判定が難しかったことが挙げられます。#新種発見のエピソード
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「光合成をやめた植物」のなかでは、ギンリョウソウは里山のような身近な環境でもよく見られます。小説などでもよくモチーフとして登場しており、私達も親しみ深い植物といえるでしょう。「ギンリョウソウ」の新種を発表できたことは私としても感慨深いものがあります。doi.org/10.1007/s10265…
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世界で2種目となる新種のギンリョウソウを「発見」し、「キリシマギンリョウソウ」と名付けました。ガラス細工のような見た目の非常に美しい植物です!完成まで20年以上(末次が調査してからでも10年)という超力作です。オープンアクセスですので、ぜひご覧ください。doi.org/10.1007/s10265…