西谷文和(@saveiraq)さんの人気ツイート(古い順)

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ヨルダンがなぜ死刑囚の釈放に応じなかったか?パイロットが生きているかどうか確認が取れなかった、と言っているが、その他の理由として、親族などを中心とした王室への抗議デモがあると思う。国王に対する反発が珍しい国。しかし「米国、イスラエルと協力する国王」に潜在的な反発心がある。
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だから一度火がつけば、王室の独裁体制が揺るぎかねない。リビアのように。死刑囚と後藤さんの交換だと、国民の不満は収まらない。だから死刑囚は出せない。パイロットとの交換なら不満は出ない。しかしイスラム国は絶対にパイロットの解放には応じない。⇒ それで時間切れ。
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ヨルダン国民の60%ほどがパレスティナ難民で、ヨルダン人の方が少ない。イスラエルはパレスティナの人々を虐殺してきた。そんな米国&イスラエルに協力するのは許せない。だから国王のやり方に面従腹背。そんな国民が多い。だから一度、体制批判に火がつけば、大変なことになる。ヨルダンの事情
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逆に言えば、イスラム国側の狙いはヨルダンの体制を揺るがすこと。そうすれば空爆が減る。もしヨルダンの王政が崩れれば、同じく親米の独裁国家サウジやクエートなどに波及するかも。だから米国は絶対に譲れない。だから死刑囚を出せない。なので、ヨルダンルートよりトルコルート。
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イスラム国の前身、イラクのアルカイダのリーダーがザルカウィ。アンマンから車で1時間ほど、「ザルカタウン」といわれる小さな街の出身。10年前、ザルカウィの生家を取材したことがある。古い小さなアパートだった。貧しい町の青年がアルカイダに引かれ、ビンラディンの元に走った。
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その後ザルカウィはビンラディンの下で戦っていたようだが、仲間割れ。アルカイダは米国などの遠い敵を対象にしたが、ザルカゥイはシーア派、在イラク米軍など「近い敵」を対象にした。イラクをスンニ、シーアの内戦に持っていったのは、ザルカゥイの一連のテロだ。結果、イラク戦争は延々と続いた
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ビンラディンは、米国CIAがアフガンに送り込んだ。侵略者ソ連と戦うために。ザルカゥイはイラク内戦の引き金を引いたので相対的に米軍は安全になり、なおかつ「テロとの戦い」を続けることができている。ビンラディンのアルカイダも、ザルカウィのイスラム国も「結果として」軍産複合体が喜んでいる
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本日朝に入った情報によると、イスラム国は新たにノルウェーの人道支援活動家を拘束した模様。それも、人質交換が予定されたシリア側の街で。今後のノルウェー政府の対応に注目したい。
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現地からの情報によると、交渉期限である日没後、タルアブヤド(人質交換が予定されていたシリア側の街)の丘の上に、イスラム国の兵士が現れ、(トルコ側から見える)兵士が大きく手を横に振り、タイムリミットだ、という意思表示をした。その後、国境は閉ざされた。パイロットは?
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おそらくヨルダンルートはかなり厳しい。日本は水面下でトルコに依頼しているようだが、公式に依頼すべきでは?トルコルートで交渉しなければ長引くと思う。もちろんヨルダンルートも残した上でのことであるが。
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後藤さんが殺害されてしまったようだ。イスラム国を許すことができないし、こんなことを絶対に繰り返させてはいけない。その上で、今回の日本政府の対応は失敗続きだったことを指摘したい。まず最初の72時間。非常に貴重な時間中に英国と2+2をした。武器の供与などが議題。なぜ延期しなかった?
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最初の72時間で本部をヨルダンに置いた。ヨルダンはイスラム国の敵だ。アブドラ国王にできることは少ない。最初から本部はトルコに置くべきだった。トルコはアメリカ側に入るが、イスラム国にも相応の援助をしていた。エルドアン大統領が仲介すれば、イスラム国も応じざるを得ない。時間を無駄にした
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日本政府は水面下でトルコの協力をあおいでいたようだが、この種の問題は「公式に」お願いすべきだ。安倍首相とエルドアン大統領にはホットラインがある。原発の売り込みで何回もトルコを訪問。安倍首相が直接電話してお願いすべきだった。彼がやったのは「テロには屈しない」と言うだけ。
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元々、2人が人質にとられていることを知っていながら、エジプトやイスラエルを訪問し、2億ドルの「イスラム国壊滅費」を約束した。安倍首相の危機管理能力のなさがそもそものエラー。動画が公開されたのがイスラエルにいた時だったので、首相会見をイスラエル国旗の前で行った。これもエラー。
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次に24時間、日没前にパイロットを殺すと言ってきた。日本政府はヨルダンに頼り切った。しかし人質交換の場所はトルコだった。ここでエルドアンに頼んで公式にコメントを出してもらって、時間の引き延ばしをやるべきではなかったか?最後までヨルダンにこだわったのが、致命的エラー。
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おそらくパイロットは殺害されたのだろう。だからイスラム国側はパイロットを出せなかった。リシャウィ死刑囚をヨルダンが出さねば、後藤さんはパイロットの次に殺害される。もしヨルダンが死刑囚を釈放し、パイロットを取り戻せなければ、ヨルダンの体制も揺らぐ。イスラム国としてはそれも狙いだった
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事件は世界中でトップニュース。イスラム国の大宣伝になった。外国人戦闘員は、やはりアルカイダよりもイスラム国に参加して来るだろう。さらに敵国ヨルダンの支配体制にひびを入れた。ただ、日本人2人の殺害で、身代金ゲットも人質交換もできなかった。これはイスラム国内部の内紛のたねになる。
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シリア国内には何百万人という国内避難民がいる。雪の降る中粗末なテントで震えている。この事件で、人道支援者は国内に入れなくなったし、援助物資は届かなくなった。飢えと寒さで、多くの人々が命を落とすだろう。理不尽な現実を目の当たりにして、米国への怒りからイスラム国のテロ理解者も増える
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アフガンがそうだった。この13年間、米国はタリバンを殺害してきたが、普通の人々も巻き添えにするので、その怒りからニュータリバンが生まれ、今やタリバン勢力がアフガン政府よりも強力になった。「テロとの戦い」は破綻している。空爆を止めて、まずは食料と寒さをしのぐ仮設住宅が必要
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そうすることで普通のシリア人の命を救う。怒りが和らぐと、イスラム国への参加者も減る。地元の部族を信頼して、彼らに武器を流す。地元に自警団を作る。自由シリア軍の穏健派にも援助を強め、イスラム国支配地域を狭めていく。普通のシリア人は米国の空爆もイスラム国も嫌っている。
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テレビでは安倍首相が「痛恨の極み」と述べている。「お前の失態に次ぐ失態でこうなったんや!」と叫びたくなる。仏、スペインなどは取り戻している。①危機管理能力のなさ②相手への無用な刺激③ヨルダンという「無能な」国を信頼し切った。ことだどが殺害につながった。「許しがたい」のはお前や!
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イスラム国の正体を暴く というDVDを作った。イスラム国とはいったい何者なのか?その質問に答えるためには2003年のイラク戦争を分析する必要がある。米国はフセインを倒した。政権を倒したのだから、そこで戦争を終えるべきだった。戦争後、米国の占領政策が今の事態を招く
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米国はすぐにイラク軍を解体した。約40万人の兵士は、武器を持ったままリストラされた。兵士の多くはスンニ派だった。ふるさとのファルージャやモスルに帰っていった。米国はそのファルージャやモスルで暴虐の限りを尽くす。多くの市民を虐殺していった。元兵士の多くは、このときアルカイダに入る
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これがイスラム国の火種となる。米国はフセイン時代の官僚もリストラした。官僚たちもスンニ派のふるさとに帰っていく。当然、米軍の虐殺で家族を殺された。この元バース党の官僚たちもアルカイダに吸い寄せられた。イスラム国の組織は、バグダティをトップに、イラク担当、シリア担当の軍人がいる
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実際にはこの2人の軍人が戦術を練っていると考えられる。2人とも元イラク軍の幹部。2人の軍人の下に、国会にあたる評議会があって、その下に県知事を配置している。こんな組織を考え、機能させるのは、元バース党の官僚だろう。つまりイスラム国は「テロ組織と国家との中間」のようなものになった