2101
視覚が遮断されるとその他の五感が研ぎ澄まされますから、暗闇の中で色めいた行為をする姿が好きです。慣れたはずの睦言も、濡れた唇の感触も、生ぬるい舌の味も、甘酸っぱい体臭も、どれも自分の肌を熱くするばかりで「…ずるい」と感じながら、赤い肌を見られなくてよかったと安堵する人が愛くるしい
2102
愛に満たされた時の呟きが「もう死んでもいい」と薄暗い人に魅せられます。生きることになんの感動も覚えていなかった人が愛した人と結ばれて、自分の人生で今が一番幸せな瞬間だと感動で胸いっぱいになったあまり「もう死んでもいい」と泣いて「僕のために死なないで」と笑われる瞬間に夢を見ています
2103
一目惚れというロマンティックな現象に夢を見てしまいます。「なんで僕を好きになったの?」と恋人に尋ねられて「秘密。教えてあげない」と誤魔化しながら内心で「本当は見た瞬間に、君こそ運命の人だと思って理由もなく恋に落ちたんだ。笑えるでしょう?」と呟けば、運命の恋の趣があって素敵ですよね
2104
性的な触れ合いを苦手と思っていた人が、相手と少しずつ進んでいく姿が愛おしいです。「嫌だったら言って」と口にされて、手を繋ぐところから始められて。今までは他人の体温すら気持ち悪いと思っていたはずなのに、どうしても嫌だとは思えなくて。練習を繰り返すうちに、「大丈夫」が広がったなら良い
2105
相手が弱っている時に、何も尋ねずに寄り添う人の、寛容さが美しいですね。萎れた身体を黙って抱きしめて、震える背中を撫でて、落ち着くまで繰り返して。「なんにも聞いてこないんだね」と言われたなら、「君が言いたくなる時まで待つから」と答えて、どんなことがあっても味方であると伝えたなら良い
2106
相手が何かしている時に、放っておかれて腹が立って色めいた邪魔をするのが好きですね。腰の線をなぞったら「ん、もうちょっと待っててよ」と手を払いのけられるも言うことを聞かず、首筋に舌を這わせて相手の身体に火をつけて、「この馬鹿…!」と諦めた相手の顎を掬い上げてキスを落としたらイケナイ
2107
相手の顔に見惚れるという場面に惹かれてなりません。相手がじっと自分の顔を見つめていることに気が付いたから、からかうつもりで「なに?見惚れちゃってた?」と笑ったら、ふわり微笑まれて「美しいものは眺めていたいからね」と言われるので、こちらこそ恥ずかしくなってしまえば可愛らしくて良い
2108
あの2人は仲直りをどうするかの想像は膨らみます。素直になれない人が、悪かったと思いながらも認められずにモジモジしていたら、相手はその頰を両手で挟み込んで「”ごめんなさい”は?」とにっこり尋ね、黙って目を逸らした後に「…悪い」と呟かれて「いいよ。気にしないで」と頭を撫でて欲しいです
2109
縁を結ぶ、赤い糸で結ばれているなど言いますから、結んであげるという行為自体が優美に見えてしまいます。髪を結んであげながら「綺麗だね」と告げるのも、ネクタイを結んであげながら「お前背伸びた?」と呟くのも、靴紐を結んであげながら「いつまで経っても子供だな」とこぼすのも、どれも素敵です
2110
肌を重ねることを「ご褒美」と表現するのが艶っぽいですね。欲望をあらわにする相手へ答えが分かりながらも、「ご褒美ほしいの?」と問いかけて、余裕なく頷かれれば「いい子にしかあげないよ。君はいつ、どんないいことをしたの?」と問い詰めて、自分の身体を餌にして主導権を強く握ってしまえば良い
2111
普段は敬語で統一している人が、肌を重ねる時だけ言葉を崩してしまう姿が、色めいていますよね。丁寧に自分を導いた相手が、キスを繰り返すうちに瞳をギラつかせて、無自覚なように乱暴な言葉を使ってくるから、「こんなこと言うんだな」と思いながらも嫌ではなくて、荒っぽい響きを甘く聞いたら良い
2112
触れ合うのが苦手なのに、相手にだけは触れられることを嫌と感じない人が、可愛らしいですね。他の人ならば肩を触られただけでビクッと飛び上がって、膝がくっついてしまえば怖いと感じるぐらいなのに、相手には「触ってほしい」との感情があって。優しい体温を与えられたら、心まで蕩かされたなら良い
2113
喫煙者の相手が、常に煙草の香りを肌から漂わせているために、非喫煙者の人間が、その香りに欲望を引き摺り出されるようになれば甘美です。人前で相手が煙草をくわえて紫煙が自分達を取り囲めば、潤んだ記憶が瞼にチラついて、意識するほどに頭がフラついて。「この香りにダメにされる」と屈したら良い
2114
眠りと覚醒の淵でとろとろとしていたら相手がやって来た気配があって、どうやら何かすべきかを迷って何もしないことを決めたようだったので物足りなくて苛立って、手を伸ばして服の裾を掴み「…なにかしなよ」と小さく告げる話が好きですね。相手はちょっと黙ってから「起きてる時に言え」と返せば良い
2115
1月9日は風邪の日です。風邪ひいて寝込んでいたら相手が細々面倒を見てくれるから「一緒にいなくていい。君まで風邪ひいたらどうするの」とかすれ声で言うと「風邪は人にうつしたら治るって言うよ」と笑われて、手で目元を覆われて「大体そんな気遣いするのは治ってからにしなさい」と返されて欲しい
2116
相手を焦らして、「キスして」の言葉を引き出してしまう人が、罪深いですね。いつもは目が合ったなら求めるものが分かって、そのまま仕掛けているけれど、ねだられたいあまりに目が合っても気付かぬフリをして、袖を捕らえられても「どうしたの?」としらばっくれて。焦れた相手に直接言わせたなら良い
2117
優しいばかりの恋人に、片想いをしているような錯覚を起こしてしまう人が、いじらしいですね。自分は相手のこととなるとすぐに嫉妬をして苛立ちを見せてしまうのに、相手はいつも穏やかで受け入れてくれるから、「こっちばかり好きなのかな」と不安になって。片想いなのかもしれないとまで過ったら良い
2118
「嘘でいいから」と、必死に相手に縋る人に胸を掴まれます。自分には絶対振り向いてはくれないと分かっていて、ずっと仕方ないなと諦めていたのに、嘘でも一瞬の幸せが欲しいと思うようになってしまって。「お願いです。一瞬だけ。嘘の優しさをください」と口にするなり感情も溢れて、涙をこぼせば良い
2119
他人から愛を注がれることを、怖がって拒否してしまう人がいじらしい。「愛してる」と言われたなら、唇を噛んで「やめて」と切り捨てて、「いつも冷たいよね」と笑われて。本当は、これ以上愛に慣れてしまったなら、相手を失ったら時にどうなってしまうか分からなくて怖いだけの、臆病者だったなら良い
2120
「耳を触る」行為は、気安いようでいて艶めかしさもともないますよね。相手が自分を構ってくれないから、悪戯のつもりで耳に手を伸ばして、触れた途端にピクリと震えられるけれど変わらず無視されるから火がついて。輪郭を指でくすぐったり耳たぶをいじったりして、次第に赤くなる様を見守ったなら良い
2121
他の人を好きな相手に恋をしてしまう切なさに惹かれます。相手が報われない恋に苦しんで涙を流している時、そっと隣に寄り添って「君は優しいね」と肩にもたれかかられて。その身体を不器用に撫でながら「じゃあ優しい私にしなよ」と言ってしまえばなにか変わるのかと考えながらなにも言えなければ良い
2122
いつも口喧嘩の応酬をしている2人が、色っぽい空気になって戸惑ってしまう姿が可愛いですね。普段ならちっとも休んでいない口が引き結ばれているので居心地悪くて、「なんか喋れよ」と言ってみたら、「今なんも浮かばないし。緊張…してるから」と返されてしまって、自分も何も浮かばず喉が乾けば良い
2123
普段は辛辣な態度なのに酔っぱらうと甘い顔で相手をベタ褒めする人や、普段は慇懃無礼に冷静な発言をしているのに酔っぱらうと感情むき出しで乱暴な言葉遣いになる人など、お酒が入るとギャップが生まれてしまう人は可愛らしいですよね。相手はひっそりときめきながら一時の本性を目に焼き付けて欲しい
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普段は隠しているけれど実は寂しがり屋の人が可愛らしいです。いつもは「大丈夫?」と聞かれても「大丈夫だよ」と朗らかに笑っているのに、相手と離れての生活となったら何をしても顔が浮かんでなにもかもが手につかなくなって。電話越しの「大丈夫?」に「ダメかもしれない」とポツリと溢したなら良い
2125
「仕方ないこと」と理解はしているのにどうしても、過去にまで嫉妬の炎を燃え上がらせてしまう人がいじらしい。たわいない会話の端々から、相手の過去の恋愛を見てしまって、見てしまったら止まれなくなって。「何でこの人の全ての初めてが自分じゃないんだろう」と、終わりのない悩みを抱えれば良い