1926
「これを脱がせたい」の意味を込めて渡す、服の贈り物が甘美です。従順に身につけた相手に「君って変わってるよね。どうせいつも脱がせるのに服を着せてくるんだから」と尋ねられたら、身体の線を視線でじっくりとなぞりつつ「好みの服を、一枚一枚はいでいくことに意味があるんだよ」と微笑んだら良い
1927
「足を舐めさせる」という行為にひそむ、上下関係に胸が高鳴ります。相手が断れない状況で「足を舐めて」と命令して。最初はどうにか逃げ道を探していたけれど結局全てを諦めて、決したように足首に唇を落として躊躇いがちに舌を這わせ出したら、「猫みたいだ」と笑って、さらに羞恥を覚えさせれば良い
1928
「指を舐める」という行為には、倒錯した美しさが詰まっていますね。相手への恋心が募ったあまり指の一本一本にすら胸が乱れるようになって、「舐めさせて」と夢中でねだって許しを得るなり口に含んで。「美味しくないよ」と頰を赤くした相手に「美味しい」と真面目に答えて、ねっとり舌を絡めたら良い
1929
「嘘でいいから」と、必死に相手に縋る人に胸を掴まれます。自分には絶対振り向いてはくれないと分かっていて、ずっと仕方ないなと諦めていたのに、嘘でも一瞬の幸せが欲しいと思うようになってしまって。「お願いです。一瞬だけ。嘘の優しさをください」と口にするなり感情も溢れて、涙をこぼせば良い
1930
「本気じゃない」という嘘を免罪符にして、どうにか寄り添いあっている2人に惹かれてしまいます。普段は割り切って、真剣に考えずにいられるけれど、ふとした時に自分たちの脆さがよぎってしまって。「本気って、なんなのかな」と呟いてくる相手に苦しくなりながらも、「さぁね」と目をそむければ良い
1931
身長差がある2人は、背の高い人の膝の上に背の低い人がまたがって座り込んで密着するのが胸を掴まれる姿です。いつもは仰いでいる顔を見下ろせていることが嬉しくて、「なんだか君が小さくなったみたい」とからかってみて、機嫌を損ねた相手にそれでも上機嫌で「拗ねないでよ」とキスを降らせれば良い
1932
体格差のある2人は、座り込んでいる時に、ガッチリとした身体つきの人が華奢な人を、抱き込む形でいるのが愛おしい姿です。広い腕の中に抱き込んで、頼りない肩に顎をのせて、スンスンと息を吸い込んで甘い体臭を呼び入れて。「君って身体は大人なのに中身は子供だよね」と笑われて、あやされたら良い
1933
香りの記憶は脳に深く刻まれ、嗅ぐと一気に呼び覚まされるものだそうですね。部屋を掃除していたら、処分しそこねていた昔の人の面影を見つけて。手にした瞬間にふわり香りが立ち上って鼻孔を満たして。その瞬間、忘れていた眩い瞬間と熱い感情まで蘇ってしまって、「なんで今更」と動けなくなれば良い
1934
相手の匂いと相手への燃えたぎる感情が、結びついてしまう人が愛おしいです。人前でもふと近寄られると、息を吸い込んだ瞬間に肌が震えて。いつもどんな時にその香りを嗅いでいるか、どんな気持ちでその香りを嗅いでいるかが、頭に浮かんで消えなくなって、「離れて」を吐き出すのが精一杯になれば良い
1935
初めて相手と肌を重ねる時、緊張のあまりに、普段は余裕ある人が理性を失ってか弱く変貌してしまう姿に惹かれます。気付けば震えてしまっていて、抱きしめられて鼻にキスされて、小さな声で「ねぇ、優しくしてくれるよね?」と尋ねてしまって、「もちろん。優しくさせてほしいよ」と返されていたら良い
1936
ずっと相手に焦がれていた人が、初めて肌を重ねるとなった時に感情が決壊する姿がいじらしい。もつれる唇でキスを繰り返して、震える指先で服を脱がせて、あらわになった身体を見た途端に、そのあまりの美しさに耐えきれなくて。相手に雫をぬぐわれながら「泣いてくれてありがとう」と口にされたら良い
1937
相手の顔に惚れ込んでしまっている関係に、胸を掴まれます。普段はその美しさを意識せずいられるけれど、ふとした時に「本当に整った顔してるな」と思ってしまったら止められなくて。「こんなに美しい人が、どんな表情で愛してると言ってくるか、知ってるのは自分だけなんだ」と思えば熱が上がれば良い
1938
相手への恋心を自覚すると同時に、相手の美しさに気が付いてしまう流れが素敵。無意識のうちに目で追いかけてしまって、舐めるような視線を注いで、「肌あんな綺麗とか反則」なんて馬鹿げた意識ばかりが膨らんで。「なんで今までは、何も考えずに顔見れてたんだろう」と、両手で顔を覆ってしまえば良い
1939
夢は本心を反映するものと言われますから、夢で忘れられたと思っていた人に再会してしまう姿に惹かれます。もう二度と触れられない指が優しく自分の頰に触れて、もう二度と聞けない声が自分の名前を甘く呼んでくるから。これが夢だと分かりつつも苦しくて、「このまま覚めないで」と願ってしまえば良い
1940
夢から目覚めた瞬間に、ホタホタと泣いてしまう人がいじらしい。現実に舞い戻った瞬間に夢は消えて、何も思い出せないのに涙は止まらなくて。「あの人がいたんだ。きっとあの人にまた会ってしまったんだ」と、もう忘れたと思っていた人物が蘇れば感情も溢れ出てきて、そっと名前を口にしてしまえば良い
1941
綺麗に仲直りができない恋人達を、愛おしく思います。些細な喧嘩だったのに気付けば2人で泣いてしまっていて。「ごめんね」とこぼせば「謝らないで」と答えられて、これ以上の言葉を塞ぐためキスを仕掛けてきて。「不器用な人だな」と思うほど愛おしさが湧き上がってきて、夢中で唇を追いかければ良い
1942
「喧嘩の後に肌を重ねると、人間はより多くの快楽を得る」という説があるそうですね。衝突の後に混乱したまま唇を貪って、身体のあちこちに口を落としながら「好き」と繰り返して。「僕の方が好きだよ」としがみついてくる相手に目眩がして、「この身体に自分の痕跡を刻みたい」との欲望が浮かべば良い
1943
年の差がある恋人たちは、年上側が年下側を「年下なんだから言うこと聞きなさい」となだめていたら愛おしい。言われた側は納得できず、「年とか持ち出してくるのずるい」とごねるからますます年の差が浮き彫りになってしまって。年上に「素直じゃないとこが可愛いな」と思われて微笑まれてしまえば良い
1944
年の差がある恋人たちは、年下側が年上側を「年上なんでしょ」の一言で言いくるめていたら可愛らしい。「年下のくせに偉そうに」と言い返せば余裕たっぷり「年上なんでしょ、汚い言葉使わないの」とまた言葉を奪われて、生意気さに腹が立ちつつ、どうしても嫌いとは思えない自分の甘さを自覚したら良い
1945
どうしても素直になれない人が、酔ったフリをして相手に甘える姿に心を掴まれます。「酔った」と宣言してもたれかかれば、「しょうがないなぁ」と楽しげに微笑まれて。「普段の君も可愛いけれど、こういう君も最高に可愛い」と言われてしまうから、アルコールのせいではなくてじわじわ肌が色付けば良い
1946
酔って素直になってしまった人を介抱する姿には、艶めかしさがありますね。「ほら水飲んで」と言っても「飲ませて」と返し、「もう寝ないと」と言っても「添い寝して」と返してきて。真っ赤な顔で「どうして襲ってくれないの」と呟いてくるから沈黙して、「襲えるわけないだろ」の言葉を飲み込めば良い
1947
肌を重ねることを「悪いこと」と表すと、いやらしさが引き立ちますね。近寄っただけで真っ赤な顔をして視線を落ち着かなくさせている相手を見て、ふっと口元緩めて微笑んで。その手に触れて指先で弄んで、「悪いことしたいの?」と尋ねて。「はい」の返事が返ってくるまでは、いじめてあげていれば良い
1948
肌を重ねることを「いいこと」とあらわすと、甘美さが漂いますね。直接的な言葉が苦手な人が、誘う時に「いいことしようよ」と子供っぽい口調で、ぎこちなく膝を触ってみせて。相手は「その慣れなさが反対にそそるんだけどな」と思いつつも指摘はせず「いいことってなに?」とさらなる言葉を望めば良い
1949
非喫煙者の人間が、喫煙者の相手への愛が深まると同時に、最初は嫌っていた匂いを嫌とは思えなくなっていく姿が素敵。落ち着かなくて抱きついて、息を吸って今は慣れた香りを味わって。「こんな不健康な匂いに、なんで安心しちゃうんだろう」と疑問が湧いて、自分だけではその答えが分からなければ良い
1950
煙草をすったことがない人が、喫煙者に恋をして、同じ銘柄の煙草をすってみる姿に甘美さを見てしまいます。初めての経験だから息を吸いこめず咳き込んで、慣れない苦味が舌に広がるから眉をひそめて。けれど「あの人はこの香りがしてこの味がするんだな」と考えれば、愛おしさが湧き上がってくれば良い