1976
独占欲が深い人が、肌を重ねている最中に赤々と咲かせるキスマークが甘美ですね。相手に気付かれて「見られたらどうすればいいの」と唇を尖らせられたら、「虫にさされたって言えば大丈夫だよ」と平気で返しつつ、内心で「悪い虫にさされないためにつけたんだけれどね」と不埒なことを考えていれば良い
1977
お酒が入ると、肌が色づいてしまう人が妖しいですね。力が抜けている相手を介抱しようとして、身体に触れたら内側から熱をはらんでいて、赤く赤く染まっているものだから、触れた瞬間にイケナイことが頭によぎってしまって。「酔った人相手になに考えてるんだ」と、暴れる本能を無理やり抑え込めば良い
1978
酔うと普段とは打って変わって甘えたな誘い上手になってしまう人が、魅力的です。相手の肩にもたれかかって、手の平で太ももを辿って、耳に息を吹きかけて。「酔いすぎだよ」と押しのけられたら、「酔ってるよ」とあっさり認めて、「酔った時ぐらいしか素直になれないの分かってよ」と笑いかければ良い
1979
ずっと一人で生きてきたし、これからも生きるはずだった強い人間が、相手を知ってしまってから、一人では生きられない弱い人間へと変わってしまう姿に惹かれます。「もう君がいないと生きてけない」と縋って、「そんな人間になるつもりなかったのに」と自嘲して、「それでいいんだよ」と笑われたら良い
1980
軽い気持ちで口にされた「君がいないと生きていけない」が、次第に重い意味を持ってしまう過程に胸ときめきます。言う側は、「愛してるよ」のつもりで繰り返していたのに、言われる側は、繰り返されるうちに言葉が染み込んできて、「この人の隣にずっといてあげなきゃ」と自分こそ依存してしまえば良い
1981
"触られたがり"の人には、可愛らしさが詰まっていますね。隙を見つければ相手の隣にぴっとりと座って、顔を覗き込んでふんわりと微笑んで。それでも何もされなかったら、自分から手を取って指を絡めて、「なんで触ってくれないの?」と誘いかけて。待ち望んでいた手が触れれば、全身を満たされたら良い
1982
些細な触れ合いに、愛を実感する人が愛おしいです。ふと予定より早く目覚めてしまった時、かたわらで眠りにつく相手が穏やかな寝息を立てていて表情も安らかなものであることに安堵して、眺めているうちに我慢できなくなってしまって。静かに抱きついて、体温を感じて、小さな声で「好き」と呟けば良い
1983
気づかぬうちに半同棲の形になっている2人に惹かれます。今日も相手のベッドで目覚めて、ふと視線をめぐらせたらいたるところに自分の私物が置いてあって、一体どれぐらいここに入り浸っているのだろうと考えれば、数え切れないほどの思い出が蘇って。「そんなつもりじゃ」と一人恥ずかしくなれば良い
1984
相手の服を、こっそり着てみてしまう姿は愛くるしいですね。手に取ってみたら相手の香りが鼻先に漂って、興味本位で抱きしめてみたら手放せなくなって。そっと腕を通せばふわと香りに包み込まれて、抱きしめられているような錯覚が湧き上がって。「…なにしてるんだろう」と思いつつ心臓が高鳴れば良い
1985
恋心を自覚してから、相手の僅かな言動にすら欲を引きずり出されてしまう人に、胸を掴まれます。「あつい」と一言、服の胸元を引っ張って煽がれて。チラチラ目に飛び込んでくる肌の眩しさや、浮かぶ汗の生々しさや、熱のこもった吐息を、自覚してしまって。自分こそ体温が上がってきて、顔を覆えば良い
1986
汗の匂いに、情欲を感じてしまう人がイケナイですね。身綺麗にしている相手の、清らかなままの姿を愛でたいと思うのにどうしても、汗をかいてじんわりと肌を濡らした身体を見ると吸い寄せられて、抱き込んで深呼吸をしたら止まらなくて。「君の汗の匂いって媚薬だよね」と、本能のままに口にすれば良い
1987
行動を起こすのが苦手な人が、「意気地なし」と可愛らしくなじられてしまう姿に胸ときめきます。2人きりの空間で手を伸ばせばすぐに温かな肌に触れられるのに、意識すればするほど恐れ多いことのような気がして硬直してしまって。痺れを切らした相手に「意気地なしなんだから!」と擦り寄られたら良い
1988
相手を仰ぎ見るばかりに、汚してしまう気がして触れられない人の切なさに、心動かされます。そっと並んで、人気のない道を歩いている時に、「今なら手を繋げるし繋いでも振り払われないだろうな」とふと分かって。けれど触れたら最後、自分が相手の純粋さを奪ってしまう気がして、何も出来なければ良い
1989
口移しで水を飲ませる光景に、フェティシズムを感じてしまいます。「開けて」と命令して、開いた赤い膨らみに口付けて、口内でぬるく変化した水をゆっくりと移しこんでいって。慣れないためにうまくいかず、相手が口の端から水をダラダラ溢したら、「下手くそ」と笑いながら、親指で拭ってあけたら良い
1990
夏が深まった日は、恋人たちは「氷キス」をしたら艶めかしい。一粒の氷を自分の口内に迎え入れて、相手の口内に移して、繰り返して。二人分の体温で氷がとけて水分が次々に生まれていくのを、冷たさのため敏感になった舌で感じ取って。「このキス、なんで冷たいのにあついんだろう」と熱が上がれば良い
1991
愛を知らず生きてきたから、「愛してる」の言葉を怖いと感じてしまう人が愛おしい。「どうして怖いの?」と尋ねられて、その言葉がいかに甘くて幸せにしてくれるもので、失った瞬間を考えるだけで震えてしまうからと答えが出て、今の自分がもうどれほど「愛してる」の魔力にかかっているかを知れば良い
1992
自分のことを愛することができない人に、「あなたは愛されるべき人だよ」と繰り返す芯のしっかりとした人が美しい。愛の言葉を怖がられて「やめて」と弱々しく声を上げられても、「やめない」と言葉を封じて。「あなたが自分自身を認めるまで、ずっと囁いてやるからね」と、高々と戦線布告をしたら良い
1993
相手への感情を恋と認められずにする葛藤に、心臓を刺激されてしまいます。視界に入っただけで追いかけてしまって、声を交わしただけで反芻してしまって、気付けば相手のことばかりを考えてしまっていて。行動が指す意味を本当は頭で分かっているのに、「これは違う」と否定して、逃げようとすれば良い
1994
それまでずっと刹那的な恋愛を繰り返してきた人が、初めての恋に落とされる瞬間が甘美。何度も経験したことのはずなのに、ただ抱きしめるだけで胸が高鳴って、肌がどんどん熱を孕んでいく気がして。「こんなの自分じゃない」と考えれば、「自分が自分でいられなくなるのが恋だ」の言葉を思い出せば良い
1995
「相手の手に、欲望を駆り立てられる」人が危ういです。間近に置かれた手を見れば、意識せずにその手が、自らの深部に触れる瞬間が蘇って。指先がどれだけ器用に動くか、体温にどれほど煽られるかも順々に思い出してしまって、次第に肌が染まって。「ただ手を見ただけなのに」と異常さを自覚すれば良い
1996
「指を舐めさせる」行為には、退廃的な色香がつきまといますね。「舐めて」だけを短く音にして手を差し出して、両手で押しいただいて口内に含まれたら、意地悪で舌や粘膜を指で刺激して。口を封じられたために声すら出せず目を潤ませる相手を、さらに「指舐めてるだけでそんな顔するんだ」と嬲れば良い
1997
肌を重ねる時に、羞恥から声を抑える人が艶めかしい。身体中に血が巡って、脳に酸素が足りなくなって、ただ快楽を追うことしかできなくなっても、必死で唇を噛んで、吐息すらもれるのを許さないようにして。そのために肌が色付き、目は潤み、全身がしなることが、相手を煽っているとは知らなければ良い
1998
「声を抑えて」の一言のもとに雪崩れ込んでしまう姿が、ひときわいやらしい。「抑えなければ」と意識すれば意識するほど全身の感覚が過敏になって、与えられる快感を拾い上げてはたまらなくなってしまって。どうしても我慢ができないと分かって、自らの手でキツく口元を塞いで、耐えることを選べば良い
1999
自分に自信がない人が思わず、「僕でいいの?」と相手に尋ねてしまう瞬間に、心臓を掴まれます。「あなたでいいに決まってるよ。あなたじゃなきゃ駄目の間違いだな」と返されて、いかにあなたが特別な存在で自分にはなくてはならないかを、とくとくと語られてしまって、次第に泣き出しそうになれば良い
2000
「この人を本当に幸せにできるのは自分じゃない」と思いながら隣にいる関係に惹かれます。「自分がいるからこの人は最良の選択が出来ないんだ」と、枷になっている自覚はあるのに、どうしても離れる未来は選べなくて。「自分の幸せのためにあなたの幸せを捨てさせてごめん」と罪悪感を抱えていれば良い