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普段は苗字で呼び合っている2人が、肌を重ねる時だけ下の名前を使うと色っぽさが引き立ちますよね。相手が口を頑なに結んで声を洩らすのを耐えているから歯痒くて「名前を呼んでよ。下の名前」と唇をなぞれば、相手は熱に浮かされた声で途切れ途切れに、舌に慣れない愛しい人の名を繰り返せば良いです
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相手が今の自分を形作っていて別れた後は相手の面影を探し続けるだろうと分かっているけれど、最後の最後に別れる時には、相手が新たな人生を歩めるように「お前のことなんてすぐに忘れるよ」と囁いて「だからお前も俺のことなんてすぐに忘れろよ」と微笑む、優しさが痛い別れ際に胸を締め付けられます
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最後の最後なのにどうしても美しく終わらせることが出来なくて「お前は俺のことを忘れられないよ、絶対に俺を思い出し続ける」と腕を掴みながら泣きじゃくって、穏やかな目をした相手に「うん。きっと君のことを忘れられないと思うよ。今でも愛してるから」と言わせてしまう、愚かな別れ際も愛しいです
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不摂生な恋人を寝かしつける姿に夢を見ています。青白い顔の恋人をベッドに引きずり込んで自分も横に寝て相手を抱き込んで「なんで君まで寝るんだ。鬱陶しい」と抵抗してくるのを「逃げられると困る」とだけ言って封じ、グチグチ言っていた相手の声が穏やかな寝息に変わったら自分も意識を手放せば良い
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不摂生な人の面倒を世話焼きな人がなにかと面倒を見る姿には愛を感じますね。寝ていなかったらベッドに引きずり込んで瞼に手を置いて、食べていなかったら料理を作って口元まで運んであげて。「なんでそこまでしてくれるの」と泣きそうな声を「やりたいからやってるんだよ」と優しい声で抑え込めば良い
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文句を言いつつ、だらしない人の面倒を見る世話焼きな人も好きです。面倒見つつ「こんなんじゃ1人で生きていけませんよ」と嫌味を言ったら「1人で生きていくつもりないもの」としれっと返され、抱き寄せられて「君がずっといてくれるでしょ?」と微笑まれるので、文句の一つも出てこなくなったら素敵
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愛するからこそ嫉妬に狂ってしまう人は魅力的ですね。離れているだけで苦しい想像ばかりしてしまって、相手が帰ってくるなり身体を抱きしめて座り込み「どうしたの」と聞いてくる声を受け止めながら「君のことを考えてる僕は醜いんだよ」とこぼして「醜い君も好きだよ」と項にキスを落とされるのが甘美
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相手が自分に嫉妬するそぶりを見せないので自分ばかり嫉妬しているのが悔しくて「君は私がなにしても嫉妬しないね」と試すように聞いたらきょとんとした顔をされて「だって君が愛する僕のことを裏切るわけないでしょう?」と尋ねられるので全て見透かされていることにますます悔しくなるのが可愛らしい
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嫉妬深い人が自分の嫉妬深さを恥じて「嫉妬は君を苦しめるだけだから、嫉妬深さは直すよう努力します」と謝ったら「直さなくていいよ」と封じられ「だって…」とまた開きかけた唇を相手の甘い唇で塞がれて「あなたに嫉妬されると、愛されてると自覚できるから好きなんだ」と笑われる姿に夢を見ています
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「初恋はかなわない」という言い回しは甘美ですよね。今まで恋がなにかも知らなかった人が初めて胸をざわめかせる存在に出会って恋の味を知ったとともに「でも初恋はかなわないんだ」とひっそり自嘲して、初恋が実った瞬間に「初恋は叶わないと聞いてたから。諦めてたのに」と涙を流す姿に惹かれます
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憧れていた相手と恋人になって、恋人になったのに実感が湧かず、触れたら汚してしまうような気がして躊躇って「なぜ震えてるの?恋人同士でしょう?」と近寄られて囁かれたら「恋人」の響きだけで真っ赤になってしまって「もう君の憧れのあの人はいないんだよ」とからかわれる恋が初々しくて魅力的です
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恋人になるきっかけが掴めない2人こそ、満員電車で密着して欲しいですね。人に押されて思わず相手の服を掴む形になって慌てて「ごめんなさい!」と謝ったら「ごめんね」と言われるなり抱き寄せられる形になるから「…いいえ」の声が掠れるほど平常心を失ってまるで2人きりでいるように錯覚したら素敵
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両片思いの2人は満員電車の中で壁ドンの形になってしまえば良いですね。人垣に揉まれて苦しいと思っていたら突然両腕の中に閉じ込められて守られるから、恥ずかし気に目をそらす普段より近い相手の顔に目を吸い寄せられて「このまま次の駅が来なければいいのに」とぼうっと頭を溶かされたら愛しいです
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体格に恵まれた人が、自分より体格の劣る人の言いなりになる姿に言い知れない背徳美を感じます。体格の劣る人は屈辱的だと感じることがあっても、細い指でするりと自分の頬を撫でられて「君がいてくれるおかげだよ」と褒められると、反抗的な心は消え去って何時までも指の感触が残ってしまえば良いです
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体格差のある恋人達がいて、いつもはその差を意識の外に置いているのに、ふとした時に体格の劣る側が「こんな腕でいつも抱かれてるんだ…」と傍に眩しげな目を向けたり、体格の優れた側が「こんな細い背中にいつも縋ってるのか…」と恥ずかしくなって顔を赤らめたりしてしまう瞬間の倒錯に惹かれますね
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指を噛むという平凡な動作も見せ方によって淫靡に映えます。相手に指を絡められて手の甲や指の腹を弄ばれて、1本ずつキスを落とされて、指を口内でなぶられて、ついには噛まれてしまうから、手以外には触れられていないのに全身の力が抜けてしまい「意地悪…」と誘いの言葉をかける情景は夢があります
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肌を重ねている最中、声をもらさないため必死に自分の指を噛んで耐えるプライドの高い人には艶めかしさがあります。声だけは耐えているのに目は潤ませて肌は色づいてゆくから相手はことさら煽られ、自分は事後に歯型の残る指を見て恥ずかしくなるだけと、プライドを傷付けることに繋がる点も魅力的です
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「慰めて」の一言が言えないから相手を誘って、誘った相手に胸中を見透かされているとも知らず、肌を重ねて眠りについた後で声もなく涙を流すことしかできない幼い人と、その涙を指でぬぐいながら「起きてる時に泣けよバカ…」と小さくこぼすことしかできない幼い人の、歪に絡まった恋模様に惹かれます
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泣けない人と泣き虫な人の恋人達に惹かれます。泣けない人に災難が降りかかっても自分で泣くことはできず、泣き虫な人はみっともない程ボロボロ泣いて、泣けない人は相手を抱き寄せ「私のために泣いてくれてありがとう」と微笑み、泣き虫な人は涙声で「君のためじゃない」と返しているのが愛おしいです
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相手への愛が深いから「愛してる」と日々囁く人と、相手への愛が重いから言葉にできず愛の言葉は囁かない人の正反対な恋人達に惹かれます。お互い「愛してると言ってくれないから僕の方が好きなんだ」と「愛してるなんて軽薄に言ってくるんだから私の方が好きなんだ」と勘違いした共依存の2人が素敵
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付き合っていることを周囲に隠している恋人達は、それだけで秘めごとが生まれているから色めいていますね。2人で同じピアスをしたり同じペディキュアをしたりして人前に出て「気付かれるかもしれない」という不安を快楽に変え、澄ました顔して時々密かに意味ありげな視線を交わし合っていて欲しいです
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人前では泣けない人が幸せのあまり思わずスルスル涙を流してしまった時は、慌ててくる相手に向かって「つらくて、泣いた、わけじゃない、から」と途切れ途切れに訴えて欲しいですし、相手はそれを聞いて穏やかな顔に変わって「君を幸せにできて良かった」と額に優しく口付けてさらに泣かせて欲しいです
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過去の人との記憶を引きずったままだから自分に好意を向ける相手に「俺は忘れられない。だから君のことを傷つけてしまう」と言って突き放そうとする人と、そう聞いてもめげず「忘れなくていいです。傷つきません。私と新たな想い出を作っていってください」とニッコリ笑った人の恋の始まりが愛しいです
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恋なんて儚く終わりを迎えるものと思っているから、本当に大切な相手とは恋人にならないことを選択する関係は美しいですね。「恋人じゃなかったんですか?」と周囲の人間に驚かれると「恋人にはなりたくないんだよ」と笑って返しているような、友情以上恋愛以上の2人には甘さとは無縁の魅力があります
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友情以上の関係で長く隣にいたのに、ある時事故めいた形で関係を持ってしまったから今まで作り上げてきた距離感が崩れてしまって、今までだったら簡単に掴めた肩も見つめられた瞳からも距離を置いて「なんであの時拒めなかったんだろう」とお互い一夜を後悔する始まり方をする2人を見つめていきたい